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第9話  黒い会長と全ての引き金

遅れてしまってすみませんでしたorz


ストーリーの主旨に迷ってしまって…。

以後、気を付けますので。


では、よろしくお願い致しますm(_ _)m

「異議のあるヤツ手ぇあげてーハイいませんねではこれにて図書委員会会合をとじさせて頂き――――…」


「頂きません」


放課後、図書室。

俺は何と、図書委員会委員長であった。(委員会サボって寝てたらいつの間にか俺になってた、という笑えない話)

…っていうのは置いといて。

適当に終わらせようと、資料を見ながら棒読みで進めてたら、先公にボコられたところでした。


「ってぇなあ…」


「委員長はこの後中央委員会もあるでしょう? さっさとパパッと終わらせてそっちに行くって気は無いの?」


この呆れ顔でもの申す男勝りな女教師は、図書委員会顧問、競技かるた部副顧問で国語科の高梨たかなし 莉帆りほ24歳、独し…っ………。


「何か聞こえたかしら?」


「空耳ですね、きっと…」


たちまち俺の頭上に出現した雪だるま。

ってか先生、勝手に人の心読まないでもらえます?

生徒といえども法に触れますんで。「親しき仲にも礼儀あり」っつーか、人権侵害ッスから。


「ほら、ちゃっちゃとやる! ナウ!! 中央委員会が待っている!!」


そうそう、中央委員会というのは、生徒会役員、各委員会委員長、各部活動部長、各学級役員が集まって開く意見交換会のようなものである。

この会で可哀想なのは、先輩という名の鬼ども(2,3年生)の巣窟に生まれたての子鹿(1年生)が無慈悲に放り込まれることである。

でも、そんなの知ったこっちゃない俺は、どうにかしてサボる策を練っていた。

マジだる…。

副委員長に行ってもらおうかな…。


「………なあ、副委員長って誰?」


「あ、はい。あたしです…」


控えめに手をあげたその人は、明日葉祭、彼女だった。

あ、そうだった…。

俺、委員会一緒だったんじゃん。


いやいやいやいや………、

さすがにこの間の今日でこの展開はまずい。

ちゃんと名簿見ろ、俺!


「あぁ~っと…、ヨロシクな!」


「は…ハイ……」


曖昧な呼び掛けと返事を残して、委員たちは気まずそうに黙りこくってしまった。

恐らく

「こいつら絶対そういう関係だわ…」

みたいのを察知したらしい。

いや、みんなが優秀で俺は困らないなぁ…、じゃなくてじゃなくて!

違うんだ! 誤解なんだ!!

何とか、何とか! その事実を伝えたくて半ば強引に持って行った。


「え~~~っと! じゃあ今日の議題な! 図書室の貸し出し数が減ってるらしい、だからその解決策をみんなに出してもらいたいと~…………」




30分。

それから俺は真面目に委員長になって会議を進めた。


「はいっ、じゃあ終わりー! お疲れっしたー! 俺はこれから寝て――――…」


ガコッ


「きませんよ勿論ハイ。」


後輩はみたらしい。

高梨に殴られ、瀕死で泣きすがる俺の姿を……。






「あ~~、容赦ねぇ~」


ファイルを持ちながら、中央委員会の行われる会議室へと足を運びながら独言する。

頭はジンジンと熱を持つ。


「普通同じとこやるかよ……」


あー、やべ、涙が出ちゃうわ…。


「あ…あのっ!」


後ろから声が掛かる。

少し高い、渇いた声だった。

振り向けば祭がそこにいた。

もう一度呼びかけようとして口を開き、今一度閉じて、唇をペロと舐める。

ちいさな仕草が可愛らしかった。


「万々原くん…、あたし。この前のこと、まだ言い切れて無かったよね…」


「う、ん」


溢れんばかりの緊張が伝わり、気圧けおされる。

鼓動が聞こえてしまうのではないか…。


「だから、中央委員会が終わったら、話したいの…!」


真っ直ぐ。

これまでにみたことのない程澄んだ瞳で俺の目を見据える。


「教室で、待ってる、ね…」


返事をする間もなく、彼女はくるりと身を翻して廊下を引き返していった。


うわぁー! うわぁー!

ついに来たよ、この瞬間が!!

人生初告白ですよぉぉ!


背景にお花を浮かべながら緩みきった顔でスキップしていると、誰かにぶつかった。

不運にも俺はまた同じところを強打してしまったのだ。


「…ってぇ~………」


見るとそこには、俺よりも持ち物を盛大にぶちまけた我妻がいた。


「いやお前かよ!!!」


普通空気読んだらそこでぶつかるの、新キャラの女の子じゃね?

画的にもむさ苦しいし、ここで新たな萌えキャラを…ゲフンゲフン!!


「こっちの台詞だわ! 普通ここでぶつかるのは姫澤チャンじゃね!?」


途中まで、俺と全く同じことを考えていたらしい。

だが、内容が変化したときに気づいた。

俺、あの重大事実をまだこいつに言ってねえ…!


「なあ我妻。お前にはオアシスだったんだろうな…。悪い、姫澤は男だ」


…………。

まあ、こうなるよね☆

彼の喉から必死に絞り出された声は、信じがたいほどか細かった。


「……ウソ」


「いや、マジで。パツキンのヤンキー? っつかチャラ男だった。がたいも良くてさ、筋肉質で格好良かったー。」


「…………。じゃあさ、名前は何て言うのさ? あれは“サキ”でしょ?」


「それが…“ショウ”と読むらしい」


カハッ!

掠れた音と共に、吐血しながら廊下に倒れた我妻。

すると、最期に俺の耳元に彼の思いを呟いた…。


「……イケ…メ、ン…、爆は、つ…しろ……」


目が本気マジでした。






ということで俺は、

放送委員長の我妻が姫澤に木っ端微塵にされて戦線離脱です、

と中央委員会の責任者、田渕たぶちに報告して、自分の席に着いた。


案の定、田渕が理解出来なかったのは言うまでもない。


「静かにしてください! 今回の資料を配付します、意見も述べてもらうのでよく書き込んでおくように!」


声が掛かった当初、微睡み始めていた俺は、ハッと目を醒ます。

そうじゃん、中央委員会ってどんな組織だっけ…?


①各学級役員

②各部活動部長

③各委員会委員長


そして……


④生徒会役員


ここまで気づかなかった自分の鈍さに腹が立つ。

声の主は、恐るべき仮面令嬢、神御蔵紅科。


「会議中に眠り込んだりしないこと! いいですね、……万々原くん…?」


ドッと笑い声が上がる。

そんなのはどうでもいい。


俺には祭が待っているんだ。

ここを、命を賭してでも抜け出す……

あ、いや、命賭したらダメじゃん。

とにかく!

何が何でも生き延びなければならない…!


視界に佇み、俺が決して目線を外さなかったその先には。

凍てついた瞳で口の端に弧を描く可憐な生徒会長が映し出されていた。

※)別名、ドSモード



戦慄………!


ここまで読んでくださってありがとうございます。

これからもよろしくお願いします(・ω・人)

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