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TS作品

☆TS短編☆男をダメにするTS出戻りお姉ちゃんと田舎の夏休み最終日

作者: くもくも

 朝。


 本来なら憂鬱な一日が始まるはずだった。


 宿題こそ夏休み半ばには終わらせていたものの、明日からまた片道一時間もかけて高校に通う日々が始まるかと思うと、吐き気がするほど最悪である。


 この人がもし今、俺のとなりにいなかったら。



「……ねえ、そろそろ起きんばいけんよー」


 唇に柔らかい感触。

 シャンプーと、甘い女の子の匂い。

 全裸のまま眠っていた俺に絡み付く、すべすべで小さな彼女の裸と、細くしなやかな長い髪。


「ほら、今日の夜は宴会やろ? 早う起きてお手伝いせんば」


 一時期は都会の大学に通っていた彼女も、出戻りしてきて半年ほどが経過し、すっかり元通り田舎の方言にまみれてしまった。


 かつて彼女が正真正銘の男性、近所の仲良しな兄ちゃんだったころよりは、だいぶ口調も女の人らしく柔らかくなったものだけど。



 兄ちゃんがこの春に患ったTS病というものも、ここ最近ではわりと世間にも認知されるようになり、今では元男性のきゃぴきゃぴしたアイドルなんて珍妙なものがテレビにもよくうつっている。


 先天性の遺伝子が新型のウイルスとあれこれして肉体の性別が変わり、そのまま精神も女性的になるとかどうとか。


 本人にはどうしようもない、たちの悪い病気だ。


 ただ兄ちゃんは運が悪かっただけなのに、この田舎では最初みんなの知識も薄くて。


 だから、兄ちゃんは昔からちょっと女っぽいところがあったからだとか、都会で悪い遊びを覚えたからじゃないかとか、根も葉もないことを影で言っていた周りのことを俺は内心未だに許すことができないでいる。


 そのTSのせいで都会から出戻りしてきても居場所がなくて、自分の部屋に引きこもってしまったあのころの兄ちゃんのことを考えると、どうにもやりきれない気分になるからだ。

 

 都会で最新の農業を勉強して、この田舎のために貢献したいんだと、小さいころから立派に勉強を続けてきた兄ちゃん。

 大学にも居づらくなって出戻りしてきたとき、いったいどれだけ悲しかっただろうか。



「いつまでもだらだらしとったらいけんよー?」


 だけど彼女は今、かつては自分が男だったことなんて気にもしていないみたいに、こんなにも美しく笑うのだ。


 兄ちゃんはその柔らかな裸を俺に寄せたまま、俺の股間のカチカチになったそれを、細くしなやかな指でなぞりはじめる。

 甘い快感の予兆に俺が体を起こし、彼女の小さな身体を強く抱きしめると、彼女はそのままクスクスと笑いながら俺のことを抱きしめ返してくれるのだった。



☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆


 TS短編


 男をダメにするTS出戻りお姉ちゃんと田舎の夏休み最終日


 は じ ま り


☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆



 お昼前。


「明日の学校の支度はもうできたと? 兄ちゃんが片付けしよるうちに、終わらせてきたらよかよ?」


 朝一番からの爛れた行為のあと。


 彼女が朝昼共通のごはんとして用意してくれたインスタントラーメンを、二人とも半裸のまま並んで食べ終えて、俺はそのまま畳にだらしなく転がっている。



 明日の準備なんて、考えたくもなかった。


 この夏休みの間は、ずっと兄ちゃんと過ごしてきた。

 そんな怠惰で幸せな時間も、明日からは学校が始まるせいでかなり短くなってしまう。


 それがどうにもやるせなくて、俺は畳の上を芋虫のように這って彼女に近づき、その彼女の柔らかな太ももに手を伸ばした。

  


「もー、食べたあとにそがんだらだらしよったら、太っても知らんけんね?」


 そう厳しいことを言いながらも、彼女の声色には少しも怒りの感情が込められていない。

 横になったままの俺の顔に、彼女のちょっとかわいくなりすぎた顔がゆっくりと近づいてくる。


 その長い綺麗な黒髪が俺の頬をくすぐって。


「……宿題はもう終わっとるとやもんね? ……じゃあもう一回だけ、おふとんに戻ろっか?」


 

☆☆☆☆☆☆☆


 お昼過ぎ。


「そしたら兄ちゃんは、婦人会の手伝いに呼ばれとるけん、また後でね」


 仲良くシャワーを浴びたあと、そう言いながらブラジャーを着ける彼女の手つきは、もうだいぶ手慣れてきたように見える。


 最初は女性用の下着を身につけることすら嫌がっていたくせに、最近ではもうすっかり内面まで女性らしくなってきたのだろうか。



 TS病によって身体が女性化した人は、しばらくすればこうして精神面も女性化してしまうらしい。

 だけどそれが自分自身で耐えがたくて、自ら命を絶ってしまう人もいるのだという。


 兄ちゃんも最初のころはメンタルがかなり不安定になっていて、俺も心配はしていたのだけれど。

 俺には特にしてあげられることもなく、せいぜい毎日様子を見に行くことくらいしかできなくて。

 結局はいつも、引きこもっている兄ちゃんの部屋で、一緒に昔のテレビゲームをしながらだらだら過ごしているだけだった。



 今日の下着もきっと、俺を喜ばせるために選んでくれたものだ。

 それがわかるから、大切なお兄ちゃんに対して起きてしまったTSという悲劇が、俺にはむしろ幸せなことのようにすら感じてしまう。


 もう少し二人でだらだらしていたくて彼女の細い背中を抱きしめると、きっとまだ向こうも名残惜しかったのか腕の中でこちらを振り返り、俺を押し倒すみたいにして唇を捧げてくれるのだった。



☆☆☆☆☆☆☆


 夕方。


 近所の公民館には、この田舎の住民たちがぎゅうぎゅうに集まって、夏恒例の宴会が始まっていた。

 例の感染症の流行なんて気にもかけていない三密ぶり。田舎の悪しき習慣の一つだ。



 男衆は大量の安いお酒の準備と、最近ようやく近くの街にできた回転寿司のテイクアウトを担当。

 もちろん俺も結局は対応に駆り出され、汗まみれで働かされた。


 最近は兄ちゃんもメンバーに含まれるようになった婦人会の皆さんは、唐揚げやら煮物やら、その他もろもろの準備を担当。

 大皿に大量に盛られたポテトサラダは、俺が大好物だからと、兄ちゃんがさっきまで必死に味付けを整えてくれていたらしい。


 ポテトサラダなんて実のところ、俺がまだ小学生くらいだったころに好物だったというだけで、今はまあそれほど大好物というわけでもない。


 だけど、あの兄ちゃんが俺のために頑張ってくれたというのなら、他の誰にも食べさせず全部お持ち帰りしたいくらいには嬉しく感じてしまっている。



 テーブルには婦人会の皆さんが、次々に食べ物を運んでくる。 

 その中には周りのおばさんたちより少し背が低い兄ちゃんの姿もあって、俺はそれを横目に見ながら特に気にしていないふりをして、紙コップに入れたお茶をちびちびと飲み続けるのだった。



☆☆☆☆☆☆☆


 日が暮れだして空が濃いオレンジ色になったころ。


 酒盛りも進み、周りのおじさんたちの声もだんだんと大きくなってきた。


 下品な声と下品な話題。

 自分もいつか、あんな感じのおじさんになってしまう日が来るのだろうか。


 少なくとも将来、兄ちゃんに幻滅されてしまうような自分にはならないようにしたいと思うのだけれど。

 日々その兄ちゃん本人にあれこれ世話を焼いてもらい甘やかされ、この田舎ではえっちなこと以外には大した娯楽もなく、今のままでは堕落へのルート一直線のようにも感じているところだ。



 兄ちゃんは今、このあたりで唯一の若々しい女性だ。

 そしてたぶん俺が生涯に出会える女性の中で、最も美しく、かわいらしく、優しくて、素敵な女性でもあるだろう。


 だからどうしても、宴会で周りのおじさんおばさんたちと話をしている間にも、ずっと彼女の姿ばかりを目で追ってしまっている。



 兄ちゃんと俺がここ最近そういう関係になっているのは、この田舎中で周知の事実だ。

 みんな口を揃えて、子供を作るのは俺が高校卒業するまでは気をつけろ、なんてからかってくるくせに。一方では、子供を増やすためになるべくたくさん頑張れよ、なんて矛盾した応援まで飛び交う始末。


 だけどまだみんな気を使って、兄ちゃん本人にはそういう言葉をかけられずにいるらしい。


 兄ちゃんがTSし都会から出戻りしてきて、しばらくの間はひどく落ち込んで俺以外には会わないようにずっと自分の部屋に引きこもっていたことを、さすがにみんな覚えているのだろう。


 今はこうして明るくみんなの前に姿を見せてくれるようにはなったけれど、TSした兄ちゃんの美しすぎる姿にはかつての面影さえなくどこか儚さすら感じられて、いつの間にか煙みたいに消えてしまわないかと不安になってしまう。


 あの頃なぜ兄ちゃんは俺に対してだけ、昔の男だったころのまま変わらずに優しく受け入れてくれていたのだろう。


 答えはわからないけれど、そんな弟分としての立場を利用して兄ちゃんを自分の女にしたことは、自分を褒めてやりたいとも思うし、兄ちゃんに対して取り返しのつかない大きな罪を犯してしまったような気にもなってしまうのだ。



 俺も周りの声を聞き流しつつ、唐揚げとポテトサラダをもりもりと飲み込みながら、辺りのおじさんたちにお酌をしてまわる兄ちゃんの愛らしいお尻を眺めていた。


 やはり兄ちゃんのかわいらしさは、おじさんたちにも大人気。

 みんな、彼女が元は男だったことを忘れてしまったかのようにデレッとした表情だ。


 だけど俺としては、自分以外のおじさんたちに彼女がその笑顔を振り撒くことが少しつらい。

 他の男衆だってそりゃあ、兄ちゃんみたいにかわいらしい女の子にお酌してもらえて嬉しいのはわかる。

 人は独占できるものではないし、こんな狭い田舎でいちいち神経を尖らせていては身がもたない。



 だけど、思ってしまう。


 兄ちゃんは、俺のものだ。

 俺だけのものであって欲しい。



 そう願うほどに、だんだんとつらくなってしまい、俺は静かに割箸を置いた。


 トイレにでも行くような雰囲気で、しれっと宴会場を後にする。

 そこらをせわしなく動いてまわる兄ちゃんの方にまた一瞬目を向けても、彼女と視線が交わることはなくて、また少し胸が軋むように感じた。



☆☆☆☆☆☆☆


 日が完全に暮れて。


 宴会場に戻る気にもならず、俺はその公民館の縁側にずっと座りこんで、しばらく空を見上げていた。

 今日もこの田舎は星空だけは綺麗で、つまらないことで嫉妬して独り寂しくいじけている自分のことがよけいに惨めに感じてしまう。

 


「……あ、こがんところにおったとね」


 だからそんなときに大好きな彼女の声が後ろから聞こえて、俺は嬉しくて嬉しくて仕方がないくせに、しれっと空を見上げたまま振り返りもせず、かっこつけてプラプラと足を揺らし続けることしかできなかった。



 来てくれないかな、なんて期待していたのは、きっと兄ちゃんには見え見えだったはずだ。


 小さいころからいつもそうだった。


 俺が拗ねたりいじけたりしていると、いつも兄ちゃんは何かいいものを持ってきてくれて、俺の機嫌を治そうとしてくれる。


 彼女がまだ男だったころから、ずっと変わらずに。



 喧嘩をしてもそうだった。


 俺が悪い場合がほとんどなのに、いつも兄ちゃんは俺を許してくれるどころか、こうやって自分から俺に近づいてきてくれる。


 情けないけれど、でもそれが嬉しくて俺は、いつもすぐにニコニコ顔にされてしまうのだ。


 まだ小さかったころから、俺たちのそんな関係はずっと変わっていない。


「ね、兄ちゃんとラムネ飲まん?」


 だからそんな言葉と同時に自分の頬に冷たく湿ったラムネの瓶が当てられたときも、もう当たり前のことみたいに、俺は何のためらいもなくそれを受け取っていた。



 飲み口にはまったビー玉を勢いよく押し込んで、溢れてきた泡を兄ちゃんはその色っぽい唇で包みこんだ。


 昔、このビー玉の取り出し方を俺に教えてくれたのは兄ちゃんだった。

 二人でひと夏の間中、そうしてビー玉を集めていたと思うのだけれど、それをどこにしまったのかはもう全く覚えていない。

 

 ビー玉が飲み口をふさがないようにラムネを飲む方法も、かつて兄ちゃんから教わった。

 ラムネを親におねだりする方法も、兄ちゃんの姿を見て学んだ。


 そして今は、人を本気で好きになるという気持ちまで、いつの間にかその兄ちゃんから教わるようになってしまっていた。


 無言で並び、ただ二人でラムネを飲んでいるだけで、幸せだと感じてしまう。


 兄ちゃんが宴会での付き合いよりも、俺のことを優先して来てくれたことが嬉しい。

 一緒にいられることが、ただ嬉しい。



 どうせ今、近くには俺たち以外には誰もいない。

 誰に見られているわけでもないし、見られても困ることはなかった。


 だから俺は一言だって許可を得ないままに体を横に倒して、兄ちゃんの柔らかい太ももへ自分の頭を乗せ、強引に膝枕を勝ちとったのだった。



 離したくなかった。

 彼女がもう宴会場に戻れないように、俺はしがみつくように右腕を彼女の腰へ回した。


「ふふ、甘えたさんねえ。兄ちゃんの太もも、汗臭かっちゃなか?」


 彼女はそんな情けない俺を少しだって否定せず、そのしなやかな指で俺の頭を撫でてくれる。

 俺は内心嬉しいくせに、やっぱり恥ずかしさもあって、そのまま彼女の太ももへ自分の顔を押し付けるように隠した。



「……夏ももう終わりねえ。涼しかけん気持ちんよか」


 小さく虫の鳴く声が続いている。

 空気は日々少しずつ澄んでいき、風がほどよく冷たくなってきた。


 もう今日で俺の夏休みが終わりなのだから当たり前だが、この田舎にも少しずつ秋が近づいてきているのだろう。



 もうそれなりに大人に近づいてきたと思っていたのに、兄ちゃんに対してはすぐにこうして甘えてしまう。

 だけどずるずるとこのまま甘えていたら、俺は少しずつダメになってしまいそうな気もしていた。


 正直、兄ちゃんがこの田舎に女の子になって戻ってきて以来、俺は学校の成績もがくっと落ちてきている自覚はあった。

 同級生が塾に通ったり家庭教師を雇ったりと将来のためにコツコツ勉強を続けている最中に、俺ときたら毎日毎日頭の中が兄ちゃんのことで一杯で。



 だからよく不安になってしまうのだ。


 いつか彼女が情けない俺に嫌気がさして、他の誰か、例えば都会の今風の男のところにいってしまわないか。


 たとえこれからも一緒にいてくれたとしても、こんな俺が彼女を幸せにしてやれるのか、と。


 少なくとも自分が学生である以上、勉強くらいは頑張るべきだとはわかっているけれど。

 将来のことを考えたら不安もよぎるのに、彼女と過ごす魅力的な時間に溺れすぎて、自分の生活を改めようという気になれないのだ。



「そがんと気にせんでよかっちゃない? ……だって高校出たら、うちの畑ば継いでくれるっちゃろ?」


 田舎なりの恵まれた話で、きちんと覚悟さえ決めれば食いっぱぐれる未来はない。


 俺の場合はこの田舎において、貴重な若い男手である。

 同じく貴重な男手だったはずの兄ちゃんがTSしてしまい、このあたりで一番広い畑を所有している兄ちゃんの一族は、跡取りに困っている状況でもあった。


 実際兄ちゃんの親父さんたちにはもうしばらく前から、兄ちゃんを嫁にとれ、うちの畑を継げ、と裏でこっそり強い圧をかけられ続けている。



 だけど俺は、兄ちゃんの気持ちが心配だった。


 なし崩しで兄ちゃんを嫁にもらえるというのなら、そりゃあ俺にとっては幸運な話だろう。


 だけど兄ちゃんはつらくないだろうか。


 今、兄ちゃんの中にはどれくらい、男だったころの価値観が残っているのだろうか。

 俺の欲求をいつも全身で受け止めてくれているけれど、かつての自分を思いだしてつらくなったりはしていないだろうか。


 だけど俺には、そんな兄ちゃんの気持ちを確かめる勇気がない。

 仮に兄ちゃんが今の自分のことや、俺との関係をどう感じていたとしても、どのみち俺には彼女を手放すことなんてできやしないのだから。



「ふふ。……兄ちゃんさ、TSして良かったなって、最近はいっつも思っとるとよ」


 柔らかな膝枕の感触。

 頭の上からは、兄ちゃんの愛しい声。



「……だって」


 彼女の唇が俺の頬に触れる。


 少し、汗の匂いがした。

 それは少しも不快ではなくて、狂おしいくらいに愛おしく感じる。


「こがん好いとっとやもん。一緒におれたら、幸せやけんさ」



 照れたように少し顔を背けた彼女を見ていると、自分の全てが肯定されているみたいで。

 もやもやと考えていた難しいことなんか、その瞬間に全部頭から消えて、ただ俺は彼女を縛り付けるみたいにその細く柔らかい身体を強く抱きしめていた。



 洋服越しに彼女の体温を感じる。

 少しのもどかしさと、終わりかけた夏の夜の空気。


「夏休みが終わって、明日からちょっと寂しかね。お昼は会えんとやもんね。……兄ちゃん、毎日畑の手伝いばしよりながら待っとるけんね」


 俺に抱きしめられたままの姿勢で兄ちゃんは、俺の肩ごしにそう続ける。

 俺がたまらなくなって彼女の首すじを甘噛みすると、彼女はクスクスと笑って俺の胸を押し返し、少し赤らんだ顔のままゆっくりと立ち上がるのだった。



「……ね、宴会の片付けなんか放っとったらよかけんさ」


 彼女が俺の手を引く。

 俺も引き起こされるように立ち上がり、そのまま彼女の優しい瞳を見つめる。


「……先におうち帰って、おふとん行こっか?」


 そう言いながら恥ずかしそうに目を反らした彼女の提案を、俺には断れるはずもない。


 たぶん明日の夏休み明け初日、俺は学校に盛大に遅刻するだろう。


 だけどこの人と一緒に堕落していける未来なら、このままだらしなく二人でそれを迎えても、それが悪いことのようには思えないのだ。




☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆


 TS短編


 男をダメにするTS出戻りお姉ちゃんと田舎の夏休み最終日


 お わ り


☆-☆-☆-☆-☆-☆-☆

年末年始の寒さに耐えかね、暖かい季節のお話を書きました。

気分だけでも暖まれた方は、ぜひご評価ご感想をよろしくお願いいたします!

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[良い点] 星5 [一言] たいへんよいですが…… 呼び方が兄なので 兄がいるとリアルTS兄を想像してしまってちょっと精神的ダメージがきつい……
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