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それからは火を極端に怖がるものは減った。
木に火を付ける方法が分かったのだ。
石と石をぶつけると火の粉が出ることを知った人々は、そこから更に火の粉がよく出る石とそうではない石があることを発見し、石にもいろんな種類があることも合わせて知ることが出来た。
中でも黒の石と白の石を打ち合えば火がつけやすい。
炎が拡がらないように石を積み上げて囲んだり、土を掘った中で火を使うようにもなった。
人は火を克服した。
火を克服できた人々は他の獣の襲撃に恐怖を感じなくなった。
自分たちよりも大きな動物たちに襲われそうになった時、炎を持っているだけで火を怖がって逃げていく。
それまでは追い払うのが大変で苦労していた。
見張りの役についている者たちはずいぶん楽になったと話していた。
龍も火はそんなに怖いものではないと学習したのだが、近づき過ぎると熱いと思うのは変わらない。
やはり火は苦手だと龍は諦めて、また湖に潜った。