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ちょっとナニかが違う世界  作者: 須美音
8/13

08

「カズヤちゃん。お疲れさん。」


まだ3人目だけど、今回が一番疲れたかも・・・


「ただいま戻りました。」


「ルーシー、今日は楽しかったよ。」


「それでは、また来マースッ!」


ルーシーは帰った。


「大変だったでしょう?」


「ええ、今回はかなりの強敵でした。」


流石に、あんなに脳内突っ込みを連発してると寿命が縮むかもしれんな。


「そうでしょうね・・・女子に触られるなんて・・・」


いやいやっ! あんたが勝手にオプありにしたんでしょうがっ!

まあ、それ自体は、全く問題ないし?それどころか、嬉しいし?


「大丈夫よ、あたしが心のケアをしてあげるからっ!」


いや、何を言って・・・

なああああああああーっ!!!

こ、このおやじ・・・やはり、別世界の住人だったかっ!

ケアするとほざきながら、俺の手を握ってきやがったーっ!

や、やっぱりそっち系か!


「いや・・・あのぅ・・・」


「あの子達にも、こうしてケアしてあげてるの」


あいつらは、これで癒されているのだろうか・・・

しかし、奴らはどうあれ、俺はそんな属性は持ち合わせてはいない。

これ以上されると気が狂いそうになるので、丁重にお断りしよう。

身の危険を感じるし・・・


「も、もう大丈夫ですから・・・」


「あら、そう? じゃあ、また何かあったら言ってね。」


親切でやってくれてるんだろうけど・・・

正直、ありがた迷惑だし怖い・・・

ごめんねマスター・・・


「カズヤちゃん、今日はもう終わりにした方がいいかしら?」


「そ、そうですね、また明日に・・・」


「あら?お客さんが来たわ。」


ごふっ。

狙ってたのかってくらい、すごいタイミングで来たな。おいっ。


「120分って言ってるし、どうかしら?」


まあ、ぶっちゃけ、上がるにはまだ早い時間だし2時間なら・・・


「ええ、大丈夫ですよ。」


「じゃあ、お願いね。」


「わかりました。」


何事も経験だ、俺には経験が圧倒的に足りていない。

経験を積んで、話術に磨きをかけねば。

よし!行くとするか。


「初めまして、カズヤです。 宜しくお願いしま・・・」


なん・・・だと・・・このタイミングで・・・だと・・・

二人連続でモンスターカスタマーを相手にした俺に、この相手・・・

モンスター耐性を身に付けた俺に、神は更なる試練を与えると言うのか・・・


「こちらこそ、宜しくお願いしますね。」


普通かっ!

今の俺には、普通耐性は皆無に等しい・・・

いや、待て、今までの相手が相手なだけに麻痺してるのか?

よくよく考えたら、普通なら大丈夫だろうて・・・

・・・いや、普通って逆にどうよ?

俺に普通の会話ができるのか?

普通の若い女性っの話題って何よ?

やばい・・・わからん・・・これはもう・・・

いやいや、そんな事より、まずは・・・


「それでは、行きましょうか。」


はっ!

脳内会議に夢中になりすぎて、俺のセリフ先に言われたーっ!!

不覚っ・・・恐るべし、普通・・・


「はい。行きましょう、お嬢さん。」


これはもう認めるしかない・・・彼女は・・・強敵だ。

俺だって何人かと付き合った事くらいはある。

が、しかし、それは何度も会って、ささいな話をしたりして気が合った相手だからこそ・・・

それが初対面の相手となると・・・

やはり、早急に相手の好きそうな話題をアレするスキル、フェバリットトピックを身に付けなくては・・・


こうして、強敵な普通女子とデートする事になった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 普通の人!ノーヒントで接客って勇気いりますね。 どのように臨むのかドキドキで楽しみです!
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