02
お店とやらに到着・・・
この辺りの繁華街はあまり来た事はなかったけど・・・
先程から変?な店が多いような・・・
「デートクラブ・・・」
「ええ、そうよ。ここがアタシのお店」
えっ?店長?っておもったが、それ以前に・・・
何故、男の看板が・・・
普通こういうのは女の子なのでは・・・
えっ、ひょっとして、ここってそういう系のお店?
このおねせ系のおっさんならば・・・納得せざるを得ない。
しかし、ここに来るまでに男の看板が多かったのは・・・
「さあ、入ってちょうだい」
「あ、ああ、はい。」
「受け付けはお願いね」
おっさんは従業員らしき若い男に受付をまかせる。
そして、店の一室でおっさんと話をする。
「それで?何があったわけ?」
「いえ・・それが・・何と言うか・・・」
どう話を切り出そうか迷う
「し、仕事を探すために・・・い、田舎から出てきて・・・」
我ながら意味不明な言い訳だと思ったのだが
「それで、あんな所をウロウロしてたのね」
「そ、そうなんですよ!」
話を合わせる事にした。
「所で、ここは・・・どういう店なんですか?」
ものすごく気になったのでストレートに聞いてみた
「表の看板を見なかった?普通のデートクラブよ?」
「まぁ、普通の男子ならやりたがらない仕事だけどね」
そりゃそうだ・・・男とデートとかはさすがに・・・
「ねぇ、あなた、仕事に困ってるならここで働いてみない?」
「えっ!?・・・」
ええー!!、確かに今は仕事も住む場所無いけど、流石にこの仕事は・・・
「まあ、そうよね、普通は女子の相手なんてする男子はいないわよね・・・」
えっ??女子の相手??
あれ??ここって?逆に普通に店員の男が客の女の相手をする店?
よくよく考えなくてもそれが普通か・・・
店長の見た目で勘違いしてた。
って、あれ?女子の相手をする男子はいないとか言ってたような・・・
「あの・・ちょっとお伺いしますが・・・」
「お客って女性なんですよね?」
「えっ、当り前じゃない。やっぱり女子の相手は嫌よね・・・」
全く嫌ではない。むしろ嬉しい。ご年配でなければだが・・・
「いえ、女性が相手なら全然問題はないですが・・・」
まあ、デートの流れとか内容は後で聞くとして
「ええっ!! いいの?ほんとにいいの?」
「え? いや、そこまで言われるとアレですが・・・ご年配が多い感じですか?」
「何言ってるのよ!若い女子だけに決まってるでしょ!」
う~ん、ますますわからない・・・
ご年配ならともかく、若い女性とデートをしてお金も貰える・・・
こんなおいしい仕事が存在するのだろうか・・・
「あっ!!!」
「ど、どうしたんですか?」
「そういえば、あなたの名前を聞いてない!」
そういえば、お互い名乗っていなかったな。
「僕は須藤和也といいますが、何てお呼びしたらいいですか?」
「じゃあカズヤちゃんね、あたしはマスターでいいわ、みんなそう呼ぶわ」
本名を名乗らないのかよ!
まあ別にいいけど。
「歳はいくつ?」
「28歳です。」
「あら?20代後半でこの仕事してる男子は殆どいないけど、ほんとに大丈夫なの?」
あれ?
デートするだけじゃないの??
何か、さっきから微妙に話が合ってない違和感みたいなのを感じる気がするが・・・
「デートするだけじゃないんですか?・・・」
「そうだけど、若い男子でもお金だけの為に我慢してやってるし・・・」
我慢してやるってどんなデートだよっ!!
ひょっとしてデートと書いて何か別の重労働と読む的か何かとか?
「えっと・・・、仕事をするかどうかは仕事の内容を聞いてからでもいいですか?」
「普通にデートするだけよ?」
「いや、あの・・・デートの内容とか・・・」
「ん~、そうねぇ、普通にお茶しながら会話したりとか?」
普通かよっ!
「あ~、なるほどね・・・、大丈夫よっ!!」
何がっ!!
「えっ、な、何がですか?」
「オプションだからっ!」
オプションて何っ!!!
「あの・・・オプションとは・・・」
「女子の接触行為よ??」
ん~、なるほど・・・全くわからん。
不思議そうな顔をしているのは何故だろう・・・
「あの・・・こういうの初めてなので・・・」
「オプションの詳しい説明をお願いします・・・」
「そうね、この表を見ればわかるわよ」
・・・
う~む・・・
手を握る〇〇円・・・
ハグ〇〇円・・・
何か色々書いてる・・・
口づけ・・・〇〇円て・・・超絶ボッタくり店かよ・・・
過度な接触は罰金・・・
「まぁ、こうは書いてるけど、うちの子達は精々手を握るまでだけどね。」
じゃあ、手を握る以外書くなよっ!
「カズヤちゃんは、手を握るのも無理そうだからオプション無しにするから安心してね」
う~む、信じがたいがやっぱり、そのままの意味っぽいなあ・・・
念のため確認しておこう
「あの・・・オプションて客が店員にする行為って事ですよね・・・?」
「当たり前でしょっ!! 見ず知らずの女子に触られて喜ぶ男子が何処にいるのよっ!」
ここにいます・・・
やっぱり、あの時からナニかがおかしな事になってるのか・・・
「それで?働くって事でいいのかしら?」
額面通りに捉えるならば全く問題は無いが・・・それどころか美味しいのだが・・・
「あの・・・僕みたいなイケメンでもない普通の男が勤まるのでしょうか?」
「何言ってるのよっ! 男子なら容姿は関係ないでしょ!」
「それに、20代後半男子って滅多にいないんだから、超レアよっ!」
それは・・・喜んでいいのだろうか・・・
「と、取り合えず、一人相手してみて出来そうかどうかを判断してもいいですか?」
「ええ、勿論よ。」
「もう指名無しの客が待ってるみたいだから、早速行ってみる?」
早っ!!
まだ心の準備が・・・
こうして、一人目の客とデートする事になった。