3月28日 メンバー決め
優聖「円谷さんと連絡先交換した?」
私 「してないよ。なんで交換するのよ」
優聖は、私と円谷の仲が良くなっていると思っていたようだ。あの短期間で仲良くなるなんて正直ありえない。
優聖「なんかするのかなと思って」
私 「する理由ないでしょ」
優聖「でも、大学一緒じゃん」
大学が一緒ということは、また大学で会う可能性はある。そういえば、あの人は大学で野球するんだっけな?ちゃんと聞いていなかったな。
私 「大学一緒だからといって連絡先交換しないから」
優聖「今日も来るらしいよ」
私 「ふーん」
同じ野球スクールにいるんだから、別に来ても不思議ではない。
優聖「興味ないの?」
私 「もともと野球に興味ないから」
優聖「そっかぁ」
残念そうにする優聖。私からしたら残念ではない。野球しているという奴は、本当に大変な道に進む人しかいない。その典型的な一人が定本健太郎だ。
私 「それよりも、ちゃんと勉強しなさいよ」
優聖「めんどくせぇ」
私 「部活も辞めたんだから、あんたが大学行ける手段は勉強しかないでしょ?」
優聖「それはそうだな」
優聖がちゃんと大学に行かなかったら、確実にお母さんに怒られる。それだけは本当に勘弁してほしい。お母さんは、自分から言ってもダメだからと言って優聖の面倒を私が見るように言ってきたのだ。
私 「大会とかないの?」
優聖「いや、あるよ」
私 「あるんだ」
やっぱり、そういうのはあるのかぁ。
優聖「4月7日から」
私 「もうすぐじゃない」
日程を聞いて驚いてしまった。
優聖「そうそう。明日、発表なんだよ」
私 「そうなの?」
なんの発表なのだろうか。
優聖「うん。18人に入れば試合に出れるんだ」
私 「入れそうなの?」
甲子園のメンバーも18人だったなぁ。
優聖「大学の練習とかもあるから、みんな来れるわけじゃないんだよ」
私 「じゃあ、どうやって決めるの?」
優聖「ベンチ入りメンバーは18人だけど、背番号は何番でもいいの。だから、全員番号もらうって感じなの」
それで優聖にもチャンスがあるのか。
私 「じゃあ、明日っていうより試合前にならないとわからないって感じかぁ」
優聖「そんな感じだね」
おそらく優聖のことだから、自分が出るつもりでいることくらいは俺にでもわかっていた。




