3月27日 モヤモヤ
雨が降る中、自分の頭の中を整理するのは、少し難しかった。こんなにモヤモヤするなら、行かなかったらよかった。久しぶりだ、こんな気持ちになるのは。あれから、1日たった今日も、まだ不思議な感覚だった。昨日、私の横に座ってきたのは、優聖と話をしていた円谷俊介だった。彼は、とても真っ直ぐな男の子だった。純新学園の元エース円谷は、野球に愚直。私の横から、ただただグラウンドの試合を見つめていた。あんな愚直な人いるんだって心から思えた。今まで出会った人にはいなかった。どうやら、円谷は、優聖ののことを知っており、私が優聖の兄であり、同じ大学に進むこともバレていた。そんな知られたら、恥ずかしく仕方がなかった。しかし、円谷は、優聖のアグレッシブさをとても評価していたのだ。
普通、高校1年生でクラブチームに来ることは前代未聞らしい。この前来た湯浅や春風のように野球部を引退してからみたいなケースはあるらしい。バッティングでは、初球から思いっきりするスイングや深い位置での守備が好きらしい。話していると、次から次へとマニアックな野球の話が出てくるから私には全くわからなかった。特に、なぜ深い守備位置がいいのかなんて想像ができない。そして、先輩に対しても臆することなくガンガンくる姿勢は、円谷自身も見習わないと言っているが、私にはわからない。あんなの絶対真似するものではない。真似したら、100%嫌われるに違いない。けど、円谷は信じてやまなかった。
私は、あの人とどう関わったらいいのだろうか?円谷からは、あの後電話番号を渡され、ここにかけて欲しいと言われていた。でも、とてもじゃないけど電話なんてできる感じじゃなかった。私は、円谷のことを何も知らない。何のために電話をかけるかもわからない。かと言って、優聖に言うわけにもいかない。どうすればいいのか?まぁ、かけないというのも一つの手かもしれない。幸いあの人は、私と同じ学部ではなかったし。でと、問題はそれがバレたらまた気まずいな。
嫌いっていうわけじゃないけど、好きっていうわけでもない。そう言えば、一緒にいた春風と湯浅っていう人とつながるっていう手もあるのか?たしか、春風は海美高校で湯浅は淮南高校だった気がする。あの人たちから、円谷のことを聞き出すこともできる気がした。でも、あの人たちのこともわからないしな。あぁ、もうどうすればいいのよ。考えれば考えるほどわからなくなっていた。




