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3月18日 比較

 優聖は、試合に出れていなかった。そりゃあ、そうか。この前、あんだけ打てなかったんだから。今日の試合は、1対0という投手戦のようだった。優聖は、バットを振りながら試合を見ている様子だ。ここから、試合に出るという展開はあるのだろうか?優聖の覚悟を私はどれだけ受け入れられるだろうか?優聖が言うには、私たちの学年からも何人か来ているらしい。近場で言えば、淮南高校のエース湯浅。海美高校のエース春風。どちらも、試合には出れてないらしい。ただ、そういう状況を優聖は、楽しんでいるみたいだ。簡単に試合に出られたら、それはそれで面白くないようだ。小学校から聖徳高校に入ってずっと試合に出続けたからいい機会なのか?ホットココアを飲みながら試合を見ていた定本はとても楽しそうだった。


 定本「気になるのか?」

 私 「うん」

 定本「大丈夫だよ、アイツなら」


 やっぱり、信頼されてるんだな、優聖。


 私 「わかるの?」

 定本「ああ。なんかな、そんな気がするの」


 定本は、もう大学で野球をする予定はないみたい。


 私 「大学で野球はしたくないの?」

 定本「まず大学にいってないしな」

 私 「そんなに国立なんで行きたいの?」

 定本「なんでだろうな?」


 彼が何を考えているか私にもわからなかった。ただ、自分の思いを貫きたいんだろうなということはわかる。


 私 「予備校行くの?」

 定本「ああ。こっから毎日1時間くらいかかるからな」

 私 「そんなにかかるの?」  

 定本「行きたいところがなくてな」

 

 凄いな、それだけ極めれることが。


 私 「なんか、ここ最近みんなと話しててさ、、、、」


 横にいた定本は、とても落ち着いて話を聞いてくれていた。


 私 「やっぱり比較してしまうんだよね、、、、、」


 ゆっくり頷く様子を見て話を続けた。


 私 「何か違う、これじゃないって。感じてしまうんだよね」


 大きな金属音が響き渡る。


 定本「わかるよ、その気持ち。俺も、そうだよ」

 私 「そうなの?」


 次に向かって走り出す定本が羨ましかったと思うけど、そうじゃないのか?


 定本「俺なんか、野球も中途半端だったし、勉強も結果出なかったし。でも、侑大や川中や八幡は普通に何しても上手くいくんだよね?なんだろう?あの感じ」


 悔しさと笑みが混ざった複雑な気持ちがあるように感じた。

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