3月15日 疑い
昨日、真波と一日中話していたから、もう心の中がスッキリした。あんなに二人で話したことは、これまでなかった。これから、私たちは別々の道を進むことになるけど、もう後悔はしない。そう思えた。あの時、矢田に会ってよかった。彼女たちの凄さに改めて敬意を示してしまう。
ー3月14日ー
私 「この前、矢田と話したの」
真波「えー。そうなんだ。優衣と真波って仲良かったんだ?」
少し驚いていた。普段は、冷静な場面が多い真波だから、それだけ衝撃だったんだろう。
私 「んーん。そんなことないよ」
真波「じゃあ、なんで?」
ちゃんとした理由は伝えられなかった。
私 「たまたま、話す機会があって。その時に」
真波「へー。優衣と合いそうになかったから意外」
私 「そうだよね」
少しテンションが下がってしまった。やっぱり、私とBIG3は、不釣り合いなんだ。
真波「冗談だよ、冗談」
私がテンション下がったのがわかったみたいだ。
私 「でも、合わないってのはなんとなくわかるんだよね」
真波「そうなの?」
私 「うん」
矢田颯希と篠木七海とは、感覚が合わないのはわかっていた。真波もそうだけど、天才特有の何かがあると勝手に思いこんでいた。変な思いこみというのはわかっていたけど、なかなかやめられなかった。
真波「でも、誰でも合わない人はいるよね」
私 「真波はいるの?」
いないだろうと思いながら、真波の方を向いた。
真波「もちろん」
私 「えっ、私?」
すぐさま反応してしまった。
真波「そんなわけないでしょ」
私 「よかったー」
心を撫で下ろした。もし、私とか言われるとマジで立ち直れないと思っていた。
真波「なんで、優衣なのよ。そういうのやめてよ、ホントに」
笑顔で私の方を見つめた。
私 「じゃあ、誰が嫌なの?」
真波「そうね。同じクラスだと、新谷とか山川とかかな」
すぐ言ったので私も耳を疑った。真波ってこんな感じだっけな?
私 「あー。あの子たちね」
真波「知ってる?」
私 「直接話したことはないよ。あれだよね、あの、、、、、、。下田と仲良い子だよね?」
真波「そうそう」
新谷穂波。山川楓。二人とも真波と同じクラス。たしかに、真波たちみたいなグループに対して、敵対心は持っていてもおかしくなかった。




