3月9日 初試合
私は、ゆっくり体を起こしていく。さっきから、これの繰り返しだった。玄関から優聖がカバンを持ってやってきた。
私 「今、帰ってきたの?」
優聖「ああ」
どうやら、野球の練習終わりみたいだ。
私 「練習楽しかった?」
優聖「ああ。明日、試合あるんだよ」
満面の笑みを見せた優聖は、久しぶりだった。
私 「へぇー。早速だね」
優聖「そうそう」
私は、お風呂上がりということもあり、ストレッチしながら、優聖と話をしていた。
私 「試合でれるの?」
優聖「一応、9番ショートって言われたよ」
9番と言われても、まったく腐ってなかった。
私 「でも、9番なんだ」
優聖「ああ。けど、ここからだよ」
自信満々に答えた。
私 「みんな上手いの?」
優聖「大学生もいるしね」
私 「大学生もいるんだ。それは難しいね」
高校1年生なのに、大学生がいるなんてレベルが高そうだ。
優聖「でも、高いレベルでやれるのは楽しいよ」
私 「明日、私も見に行こっかな」
どうせ家にいても暇だし、優聖がどんなところで野球をしているか確認しようと思った。
優聖「見にくるの?」
私 「嫌なの?」
最近は、優聖が野球する姿が私の励みになっていた。
優聖「嫌じゃないよ。むしろ、俺の力を見せられるから嬉しいよ」
まさか、そんな返答が返ってくるなんて思っていなかった。
私 「相変わらず凄い自信だな」
優聖「じゃなきゃ、辞めないよ」
部活動を辞めたことを後悔していないみたいだ。
私 「せっかく健太郎も来てたんだから、活躍しないと許さないからね」
優聖「任してくれ」
健太郎が来てくれたのは、私たちにとっては大きい。中途半端にはしてほしくない。
私 「じゃあ、明日はどれだけ打つの?」
優聖「ヒット3本」
私 「ほぼヒット打たないといけないね」
大体1試合数、打席は3から4くらい。3打席しかなかったら、全打席ヒット打たなければならない。
優聖「明日、17時だから」
私 「ナイターなの?」
どんなところで優聖は、野球をしているのだろうか?あんまりイメージがわかなかった。
優聖「ああ。俺たちのグラウンドは、設備整ってるからな」
私 「へぇー。そんなになんだ」
優聖は、お風呂へと向かったみたいだった。




