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3月6日 覚悟2

 3月6日。木々の蕾が膨らんでいた。春は、もうここにあり、桜の開花速報もされていた。今日の空は、晴れ渡り、太陽の光がまぶしく輝いているように感じたのだった。今日は、河川敷に来ていたのだった。この河川敷は、何か悩んでいる時によく来ていたのだ。しかし、最近は、慌ただしくそれどころではなかった。 

 河川敷をゆっくり歩いていると、八分咲きの桜が見えたのだった。鮮やかなピンク色の桜は、鳥のさえずりととても調和しており、私を楽しませてくれたのだった。風も心地よく吹いており、爽やかで、とても気持ちの良かった。しばらく歩いていると、そこに男性が立っていた。男性は、ボールを壁に向かって投げている。野球かぁ。ボールのスピードは、とてもゆっくりだった。男性は、高校生くらいみたいだったが、ボールのスピードは小学生くらいみたいだ。  

 アップで軽く投げているのかと思ったが、ボールのスピードは、一向に速くならなかった。私は、少し離れたところにあるベンチに座り、男性を見続けた。帽子を被ってはおらず、顔も綺麗に見える。ボールを投げる男性は、真面目そのものだった。私が来てから、もう20分くらい経つだろうか?それでも、黙々とボールは投げていく。私は、ゆっくりと立ち上がり、帰ることにした。そう言えば、ここって明日花がよく来るところだったよな?明日花のことを思い出した。

 昨日、健太郎は、本当に私たちに連絡を送ってきた。真波からは返信が来ていないみたいだったが、明日花はちゃんと連絡を送ってきていた。集まるのは、3月15日の予定だった。実咲と美優には、明日花から連絡する流れになっていた。本当にみんなが来るのか?それはわからない。しかし、みんなと会う前に私はやることがあった。それは、矢田颯希と会うことだ。私のクラスにいた矢田は、私のことをずっと気にしていた。しかし、今まで受験勉強に専念していたから会えなかった。

 この前、矢田とは3月12日に会う約束をしたのだ。矢田は、どうやら東京に行くらしく、遊ぶのは最初で最後になると思っていた。彼女は、どう思っているのだろうか?私たちの関係を。矢田と篠木。この二人としっかり話をつけないと、この先どんなことが起きても、また昔のことを思い出して怖じけづいてしまうんじゃないんだろうか。4月までの約25日の間になんとかしないといけない。それができたら、私は変われるんだ。覚悟を決めた。

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