3月4日 嘘
明日花「もうバイト始めたの?」
私 「うん。最近ね」
明日花も手術してから、少しずつ体力が戻ってきているみたいだ。
明日花「楽しい?」
私 「んー。普通かな」
体力が戻れば、バイトもしてみたいと言っていた。たしかに、できればいい。そういうのも。けど、明日花には、自信がなくなってほしくなかった。
明日花「そう言えば、今日何しにきたの?」
私 「今日は、集まりのこと聞きたくて」
明日花「何それ?」
首を傾げた。
私 「聞いてない?」
明日花「まったく。何なの?」
どういうことだろうか?この前言っていた健太郎の話と違うな。
私 「なんか、いつもの五人で集まるって聞いて。でも、私聞いてないから。それが聞きたかったんだよ」
素直に伝えた。
明日花「えー、私も全く知らないな」
私 「じゃあ、健太郎が言ってたこと嘘なのかな?」
明日花「健太郎がそんなこと言ってたんだ」
私も明日花も健太郎への信頼度は高い。
私 「うん。やっぱり嘘かな?」
明日花「うーん。どうだろね?」
私 「どう思う?」
もうよくわからなくなっていた。
明日花「嘘なんだったら、なんで嘘ついたかが気になるかな」
私 「たしかに、そうだよね」
明日花「健太郎にメリットはなさそうだけどね」
私 「そうだよね」
健太郎は、真面目だからあんまり変なことはしないイメージだった。
明日花「もし、あるとしたら、、、、」
私 「あるとしたら?」
なんだ?
明日花「頼まれたとか?」
私 「頼まれた?誰に?」
明日花「真波だよ」
私 「えっ、どうして?」
真波が健太郎にかぁ。
明日花「それは、わからないよ」
私 「真波が健太郎に頼むのかぁ」
明日花「わからないよ。もしもの話だよ」
もしもって言われてもな。
私 「でも、健太郎は、真波とも話せるし可能性はあると思うよ」
明日花「でも、真波がわざわざそんな話を健太郎にするかはわからないよ」
その通りだ。
私 「まぁ、言いにくかったんじゃないの?」
明日花「だったら、私でも実咲でもよかったと思うよ。他にも聞く方法なんてたくさんあるのに」
私 「そうだよね」
必死に健太郎である必要性を考えた。
明日花「どうしても、健太郎がいい理由なんて逆に難しいでしょ」
私 「んー。なんかあるんじゃないの?」
明日花「なんだろうな」
二人で考えたが、なかなか答えがでなかった。




