2月28日 怪しい
健太郎「おう、元気か?」
私 「まぁね」
健太郎「昨日、聞いたよ。優聖から」
健太郎から、会いたいと連絡があった。
私 「あー、昨日来てたんだ」
健太郎「うん。アイツらしくて笑ったよ」
私 「ごめんね、せっかくいろいろしてくれたのに」
健太郎「いいよ、別に。それよりもアイツが楽しそうにしてるからよかったんじゃねぇの」
相変わらず優しいな、健太郎は。
私 「姉としては、心配だよ」
健太郎「まぁ、いいじゃない。そういうのも」
私 「どうだろうね」
健太郎「てか、今度お前ら集まるんだろ?」
何の話だろうか?
私 「お前ら?」
健太郎「うん。瀬戸とか」
私 「ん?全然知らないけど」
何を言っているか理解できない。
健太郎「そうなの?」
私 「うん。誰から聞いたの?」
健太郎「高田だよ」
高田真波。なんで?
私 「真波は、誰が来るって言ってたの?」
健太郎「五十嵐とかいつものメンバーじゃない?」
私 「そうなんだ」
今年会ってもめた。あれから、私は明日花以外の人に連絡が送れないでいた。
健太郎「知らなかったの?」
私 「うん」
健太郎「最近、高田とかと会ってないの?」
私 「会ってないな」
健太郎は、どこまで私たちのことを知っているのだろうか?
健太郎「へぇー。意外だな」
私 「そう?」
健太郎「だって、中学校の時すごかったじゃん」
たしかに、中学校の頃はよく会っていた。けど、それは昔のことだ。
私 「あの時はね、いろいろあったし」
健太郎「そうなの?」
私 「うん。健太郎が知らないだけでいろいろあるのよ」
健太郎「へぇー。そうなんだ。知らないな」
怪しいな。この感じ。
私 「中学校の時はよく集まっていたんだけどね」
健太郎「何があったの?」
私 「あんまり言えないけど、明日花が病気になってからいろいろ変わったの」
健太郎「そっかぁ」
本当に知らないのか?わからない。
私 「でも、また集まれるのはチャンスだけど」
健太郎「そうなのか?」
私 「うん。この前会った時はよくなかったら」
健太郎「そうなんだ」
健太郎の表情に注目していた。
私 「意外に見える?」
健太郎「うん」
私 「待ってたら連絡くるのかな?」
健太郎「来るでしょ?」
私 「なんで?」
何も知らない健太郎だったけど、どこか信頼してしまう自分がいた。




