表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/80

2月26日 終わり

 ありきたり毎日が終わりを告げようとしていた。


 私 「どう、元気?」

 優聖「ああ。スッキリしているよ」


 昨日あたりから、モヤモヤがなくなったように見えた。


 私 「この前、健太郎来たのよ」

 優聖「そうなの?」


 スマホを置いて私の方を見た。


 私 「うん。辞めないでほしかったんじゃない?」

 優聖「優しいね、健太郎さんは」


 優聖も健太郎には、相当お世話になっていた。


 私 「私も最初は優聖に戻って欲しかったけど、優聖がそうしたいならいいかなって私も思ったよ」

 優聖「そうなの?ありがとう」


 素直だった。


 私 「健太郎には申し訳ないけどね」

 優聖「健太郎さんにはお世話になったし、直接言うよ」


 珍しい、そこまでするなんて。


 私 「そっかぁ。じゃあ、健太郎によろしく言っといて」

 優聖「わかった。ねえちゃんは、どうするの?」

 私 「なにが?」


 私?


 優聖「これからだよ」

 私 「あー、これからね。大学に行くよ」


 そう言えば、優聖に詳しく説明していなかった気がする。


 優聖「一人暮らしするの?」

 私 「しないよ。ここから通うかな」

 優聖「そうなんだ。じゃあ、大変だな」

 私 「なんで?」


 なんで大変なんだろう。私には、わからなかった。


 優聖「だって一人暮らしの方が楽しいじゃん」

 私 「まぁ、そうだけど」

 優聖「俺だったら、早くしたいよ」


 たしかに、優聖は昔から一人に憧れていた。


 私 「まぁね。優聖は、どうやって野球するの?」

 優聖「少し遠いけど野球クラブがあって、そこでしようかなと思うの」

 私 「そんなところあるんだ」


 自分でそういうところを見つけられたのが姉としては嬉しかった。


 優聖「うん。この前調べてたら、海見学園の人もいて」

 私 「そうなんだ。じゃあ、まだやりやすいね」

 優聖「うん。早く行きたいんだよね」

 私 「あんま焦らないでよ」


 私は、釘を刺した。


 優聖「わかってるよ」

 私 「じゃあ、私はバイト探しに行くわ」

 優聖「そうなの?」

 私 「うん、友だちから紹介されたんだよ」


 時刻は、13時を過ぎようとしていた。


 優聖「へぇー、そうなんだ」

 私 「うん」

 優聖「ねえちゃんも頑張って」


 私も負けてられないな。


 私 「そうね、頑張らないとね」

 優聖「俺も今からバット振りに行くよ」

 私 「じゃあ、私も行くわ」

 優聖「うん」


 そう告げて、優聖の部屋から出て行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ