2月26日 終わり
ありきたり毎日が終わりを告げようとしていた。
私 「どう、元気?」
優聖「ああ。スッキリしているよ」
昨日あたりから、モヤモヤがなくなったように見えた。
私 「この前、健太郎来たのよ」
優聖「そうなの?」
スマホを置いて私の方を見た。
私 「うん。辞めないでほしかったんじゃない?」
優聖「優しいね、健太郎さんは」
優聖も健太郎には、相当お世話になっていた。
私 「私も最初は優聖に戻って欲しかったけど、優聖がそうしたいならいいかなって私も思ったよ」
優聖「そうなの?ありがとう」
素直だった。
私 「健太郎には申し訳ないけどね」
優聖「健太郎さんにはお世話になったし、直接言うよ」
珍しい、そこまでするなんて。
私 「そっかぁ。じゃあ、健太郎によろしく言っといて」
優聖「わかった。ねえちゃんは、どうするの?」
私 「なにが?」
私?
優聖「これからだよ」
私 「あー、これからね。大学に行くよ」
そう言えば、優聖に詳しく説明していなかった気がする。
優聖「一人暮らしするの?」
私 「しないよ。ここから通うかな」
優聖「そうなんだ。じゃあ、大変だな」
私 「なんで?」
なんで大変なんだろう。私には、わからなかった。
優聖「だって一人暮らしの方が楽しいじゃん」
私 「まぁ、そうだけど」
優聖「俺だったら、早くしたいよ」
たしかに、優聖は昔から一人に憧れていた。
私 「まぁね。優聖は、どうやって野球するの?」
優聖「少し遠いけど野球クラブがあって、そこでしようかなと思うの」
私 「そんなところあるんだ」
自分でそういうところを見つけられたのが姉としては嬉しかった。
優聖「うん。この前調べてたら、海見学園の人もいて」
私 「そうなんだ。じゃあ、まだやりやすいね」
優聖「うん。早く行きたいんだよね」
私 「あんま焦らないでよ」
私は、釘を刺した。
優聖「わかってるよ」
私 「じゃあ、私はバイト探しに行くわ」
優聖「そうなの?」
私 「うん、友だちから紹介されたんだよ」
時刻は、13時を過ぎようとしていた。
優聖「へぇー、そうなんだ」
私 「うん」
優聖「ねえちゃんも頑張って」
私も負けてられないな。
私 「そうね、頑張らないとね」
優聖「俺も今からバット振りに行くよ」
私 「じゃあ、私も行くわ」
優聖「うん」
そう告げて、優聖の部屋から出て行った。




