2月19日 これから2
弟の説得は、あっけなく終わってしまった。とは言えなかった。
私 「っていうことで無理でした」
健太郎「たしかに、あいつ頑固だからな」
優聖が頑固なのは、みんな知っているみたいだ。
私 「そうなのよねー、」
健太郎「お前とよく似てるよな」
私 「似てないわよ。どこでそう思うのよ」
頑固に思われているのか私も。自分でも自覚はあんだけど、言われるとな。
健太郎「ハハハハ。まぁ、気にすんなって」
私 「気にするよ」
目にかかった髪の毛をよけた。
健太郎「今、優聖って外出てるのか?」
私 「バット振ったり、壁当てとかはしてるみたいだけどね」
優聖は、野球を嫌いになったわけではなかった。むしろ、部活をしなくなってからさらにバットを振るようになった。
健太郎「そっかぁ。じゃあ、そこ行ってみようかな」
私 「いいの?」
健太郎「まぁ、心配だしな」
健太郎と優聖が話しているのは、全然見ていない。もともと、二人は仲も悪くなかったはず。
私 「そうしてもらえると助かるよ」
健太郎「どこ行ってるの?」
たしかに、ここらへんは公園もないへんぴな場所だ。
私 「なんかね、ここから上に上がっていったところにあるのよ。そこいいることが多いかな」
健太郎「おっけぇ。ひと段落したら行ってみるわ」
私 「ありがとう。それで、勉強の方は大丈夫なの?」
健太郎「とりあえず、浪人するから。あとはこれから考えるよ」
私には、そんな余裕ないからすごいなぁ。
私 「予備校とか行くの?」
健太郎「うーん。それも迷ってるかな」
私 「そっかぁ」
迷ってるってもな、、、、、、。
健太郎「行っても行かなくても変わらなさうとも、思うしね」
私 「そのあたりは、私にはわかんないや」
健太郎は、私の方をまっすぐ見つめていた。
健太郎「優衣は、大学を楽しめばいいさ」
私 「うん、そうだね」
この前も書いたような気がした。
健太郎「そういや、バイトとか一人暮らしとかどうするの?」
私 「全く決めてないよ」
健太郎「えー。もったいないね。せっかくなのに」
そうだ。早くこれからのことも考えないと。
私 「優聖もあるしね。なかなかなー」
健太郎「まぁ、頑張れよ」
優聖のこともあるけど、私のことも考えないと。




