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2月18日 戻って


 私 「優聖!!」

 優聖「ん?」


 急に部屋に入ってこられたからだろうか?いつもより機嫌が悪いみたいだ。


 私 「そろそろ部活行かないの?」

 優聖「行かねぇよ」


 即答だった。こんなに早く答えるとはな。


 私 「なんで行かないのよ」

 優聖「もう、いいだろ」


 さっきより、さらにイラついているみたいだ。


 私 「このままでいいの?」

 優聖「うるさいな。さっさと部屋戻れよ」


 あんまり野球の話題には触れてほしくないみたいだ。


 私 「あんたが部活に行けば戻るわよ」

 優聖「あんなところ戻るかよ、クソが」


 何がそんなに気にならないのか?


 私 「いいの?このまま卒業しても」

 優聖「別に部活に入らなくても野球できるし」


 やっぱり野球は、やりたいみたいだ。


 私 「ちょっとモメたくらいでしょ?」

 優聖「‥‥」


 何も言い返してこない。


 私 「そんなんで野球辞める必要ないでしょ」

 優聖「俺にとっては大きいんだよ」


 それだけ大きいのか?


 私 「そんなプライド捨てなよ?」

 優聖「うるさいな。あの監督が悪いんだよ」

 私 「私は、優聖が悪いと思うよ」


 優聖には、共感することはできなかった。


 優聖「姉ちゃんにはわからないだろうが」

 私 「わからないよ。でも、嫌だったら結果で示さないと」


 まるで、自分に言い聞かせているようだった。


 優聖「そんなもんじゃねぇだろ」


 何が嫌なのか。そんなものは、本人しかわからない。


 私 「健太郎言ってたよ。優聖は、エースになれる力はあるって。でも、投げすぎたら怪我するからって」


 健太郎の言葉を嘘だとは思わない。


 優聖「そうかもしれないけど、、、」

 私 「ちゃんとやれば試合に出れるんでしょ?だったら行きなよ」


 そんな簡単なものじゃないことすら私でもわかる。


 優聖「うるせぇよ」

 私 「もぅ、どこ行くのよ?」


 優聖は、自分の部屋から出ていく。


 優聖「外だよ」

 私 「何しに行くの」


 優聖の後を追った。


 優聖「なんでもいいだろ」

 私 「さっきの話、終わってないよ」

 優聖「うるせぇ。ほっとけ」


 今日のところは無理だ。また、今度しかない。


 私 「もぅ」

 優聖「もう、やめてくれよ。その話は」


 まだ、納得はしていないみたいだけど、優聖にはいつか野球部に戻ってほしい思いでいっぱいだった。


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