表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/80

2月17日 田中優聖

 弟の優聖が部活動に行かなくなった理由は、監督とのいざこざと野球部との揉め事だった。ピッチャーとショートを兼任している優聖は、ピッチャーの練習メニューをしていたらしい。しかし、監督からは、野手陣と同じメニューをするように指示されたとか。それが気に入らなかった優聖は、「投手メニューをさせてくれるまで、練習にはいきません」と宣言してしまったのだ。

 今の聖徳高校野球部エースは、2年生の鳥居だった。新チームになるまでは、あまり試合すら出ていない選手だったらしい。優聖としては、自分の方がエースにふさわしいと思っているらしい。私は、野球に詳しくはないが、健太郎から見ても優聖がエースであってもおかしくないと言っていた。

 しかし、優聖は、まだ2年生だ。キャプテンや監督に物申すほど結果は残せていなかった。初めて出た夏の大会では、8打数2安打。ピッチャーとしても、6回2失点。新チームになってからの秋季大会は、10打数2安打。ピッチャーとしては、9回4失点。バッターとしてもピッチャーとしても決して活躍してるとまでは言い難い。

 練習試合では、そこそこ活躍しているのかもしれないけど周囲を納得させるに言っていないということは誰しもわかることだろう。健太郎曰く、このままだと優聖が野球を辞めてしまうんじゃないかと心配しているらしい。たしかに、健太郎の言うことも一理あった。今みたいに、長期間野球から離れた生活を送るのは始めてのことだった。

 私も健太郎の言うように、弟が野球を辞めてしまう確率はかなり高いんじゃないかと思ってしまう。その一番の理由は、対人関係だった。私と同じように、コミュニケーションが得意な方ではなかった。その上、他の人には偉そうなことを言う。

 私ほど感情の起伏は少ないけど、一度言ったことは曲げないし、頑固だ。昔から野球でつなかっていた友だちがほとんどだから、野球をとってしまった優聖には何も残らないんじゃないかと姉として悲しくなってしまう。弟が決めたことだからと割り切ることもできたけど、こうして健太郎もわざわざ来てくれているだけに簡単に見逃すことはどうしてもできなかった。

 姉として自分にできることはないのだろうか?それも、弟の成長につながるのだろうか?お母さんやお父さんはと言うと、ほぼ放置した状態だった。やりたければやればらいいし、やめたければやめればいいといあ自由な家だった。そんな自由な家だからこそ、自分のよくないところは注意されてこなかったんだと自覚してしまつまたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ