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2月15日 手渡し

 今日は、久しぶりに学校に来た。バレンタインは、昨日だったが、とりあえず来ている子にはチョコを渡そうと思っていた。クラスにいる屋久保や村上たちに配ったのだ。まだ、チョコが残っている。渡したい人があと一人。そいつが今日来ているかどうかはわからなかった。

 寒空の下、私はそいつがいるであろう部室に向かって歩くことにした。廊下の窓から漏れる温かな光が、私の頭上にある街路灯と切り替わって、暗がりを照らしていた。私は、こんなことをしていいのだろうか?なんかよくわからないでいた。大学には受かり、進学することは可能になった。

 この時期の教室はいつもより、暗く見える。前に歩けば歩くほどなんだか卒業するんだと実感が湧いてきた。クラスの卒業制作も大まかにできてきたみたいだった。すると、私は体育館近くまできた。ここは、恋人たちが密やかに会うために集まる場所だった。今日は、2年の後輩たちのカップルがいるみたいだ。

 煌々と輝くライトの下にいる二人は、とても青春のような気持ちになった。私は、全く経験したものではなかったけど。私は前を向いて進み、体育館を後にした。今日は、他の生徒が全然歩いていない。だから、いつもより部室までの道のりのが見えやすい。

 すると、部室の前に話し声で盛り上がっているのが見えた。うわぁ。どうしよう。こんな中、割って入っていけないな。これ以上、進めない。気がついたら、足が止まっていた。できるだけ、顔が合わないように、端によった。あー。ここにいたバレる。私は恥ずかしさで顔が火照ってしまう。顔を触りながら、確認した。すると、向こうから声が聞こえる。やばい。

 向こうにいた健太郎は、私の存在に気がついて、笑顔を浮かべた。私は、なんとか笑みを浮かべるので精一杯だった。だんだん、私のところに近づいていく健太郎。とりあえず、リュックからチョコを取り出すことにした。健太郎は、キョどりながら私の方を見ていた。そして、黒色の箱で整えたチョコを健太郎に渡した。「これチョコ。私が作ったんだ。もし、よかったら食べたよ」。照れながら、喜んでくれたみたいだった。〈ありがとう、これ美味しそうだね〉。バレンタインって本来、恋人への贈り物を渡すような文化なのだろうか?健太郎は、もらったチョコを笑顔で部室に持ち帰っていく姿は可愛いかった。勉強しなくて大丈夫なのだろうか?相変わらず心配になってしまう自分がいた。

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