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2月13日 責任

 今日は、朝から机と向き合っていた。緑色したシャーペンをはしらせながら、名前と住所を書いていく。どうしてこうも多いんだろうか?あまりにも書く量が多くて、だんだんテキトウになっていく。資料が入った封筒を時折、見ながら書き進めていく。あっ、、、、。十分、資料に目を通していなかった。

 一番下に書かれた文言に目を奪われた。資料には、"すべてボールペンで記入してください"と記されている。あぁ!!いらいらが頭の中でいっぱいになっていた。

 長野経済大学。ここが私が決めた進学先だった。最初は、もう一つの大学にしようかと思っていた。しかし、一人暮らしということがとても引っかかった。このまま、選択してしまうと後悔しか残らないんじゃないかという想いがあったのだ。

 最初は、一人暮らしもいいかなと考えていたけど、やっぱりこのままここに残って通える大学に決めた。いろいろ悩んだが、どうせ大学なんて行ってみないとわからない気がする。だったら、大学の中身で決めることはやめた。長野経済大学だったら、家から1時間ほどで通えるし問題ない。明日花にも会えるし。問題は、これからどうしようか。

 お母さんやお父さんは、好きにしていいとずっと言われていた。最後の最後で大学変えることになったが、進学した大学で頑張ったらいいと言われていた。私は、大学よりも就職する時の方が心配だった。

 弟の優聖は、スポーツ推薦で大学を目指している。実際、昨年の夏の大会で既に2校から声をかけられているらしい。明後日から始まるの春の大会では、投手兼内野手で1年生ながら試合に出ているらしい。

 おそらく、私立の野球が強い大学に行き、一人暮らしをするだろう。お金もそれなりにかかるけど、私の両親は、共働きだし、そこまでお金に困っていないから問題にはならないだろう。しかし、私が家を出て、弟も家を出て行くなんてことになると寂しくなるだろう。せっかくここまで育ててくれたということもあるから、私は少しでも長く残ってあげたいと思っていた。

 そうしたことを親には全く話していないけど、ずっと健康にいることは無理だと思っている。まだ、50代だし問題はないけど、いずれ出ていく時までなんとかしたい。それが本心だった。両親は、出て行ってほしいことも言わないし残ってほしいとも言わない。大学進学と同じ。よくも悪くも誰かのせいにすることはできず、責任を自分でとらないといけなかった。

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