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2月11日 恋愛

 明日花「やっと試験終わったんだ」

 私  「そうなの」


 明日花は、ストレッチをしながら私の話を聞いていた。


 明日花「これから、どうするの?」

 私  「明日、もう一つの大学の合否がわかるから。それからかな」


 今日も、明日花の家でゆっくり話をしていた。もう、この部屋に来るのも何度目のことだろうか?


 明日花「そうなんだ。受かりそうなの?」

 私  「どうだろ?」

 明日花「落ちても受かってるところに行く感じ?」

 私  「そうだよ。明日花は、大学勉強始めてるの?」


 自分のことをあまり聞かれたくないこともあり、すぐ話題を変えた。


 明日花「うん。リハビリも大まかに落ち着いたしね」

 私  「この前言ってた子は、大学も受かってるんだよね?」

 明日花「ああ、野球の子?」

 私  「うん」


 春風未來。この名前もずいぶんと聞いた。


 明日花「そうだよ。大学に行くよ。3月でお別れだ」

 私  「寂しいの?」

 明日花「そりゃあ、寂しいよ」


 ストレッチをしていて顔は見れなかったが、本当に寂しいということが声でわかった。


 私  「好きなの?」

 明日花「そんなのはないよ。優衣は、そういうの好きだね」


 明日花は、驚いた様子で私を見てきた。


 私  「女子と言えば恋バナでしょ」

 明日花「私は、誰かと恋するほど余裕ないよ」


 たしかに、私も恋愛は久しくしていない。橋本くんが真波と付き合っているという噂を聞いてから何もかもやる気が起きなかった。


 私  「そうなのー?」

 明日花「当たり前でしょ。優衣は、橋本くんから誰か変わったの?」

 私  「結局、誰もできなかったよ」


 髪の毛をかきわけた。


 明日花「そうでしょ。恋愛なんてそんなもんでしょ」

 私  「じゃあ、明日花は、今でも好きなの?」

 明日花「誰のこと?」

 私  「林くんだよ」


 林真威人。明日花が中学校時代、付き合っていた人だ。


 明日花「ああ、真威人ね。もう、中学校別れてから、連絡すらとってないよ」

 私  「それでも、好きだったりしないの?」

 明日花「ないよ。今、何してるかすら知らないし」


 今の発言が本当かどうかはわからない。でも、明日花は、私と同じで嘘をつくのは得意ではなかった。


 私  「たしかに。私も知らないな。高校は?」

 明日花「どこ行ったのかも知らないよ」


 真っ直ぐな明日花の目はあの頃と変わることはなかった。

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