2月9日 封筒
今日は、再び勉強をしていた。
ー2月8日ー
カランカラン。ドアの鈴が鳴った。
寺崎「ごめん、遅くなって」
真波「いいよー、別に」
ちょうど、私たちがコーヒーを飲もうとしていた頃だった。
寺崎「ごめんね、田中さん」
私 「あっ、大丈夫だよ」
返事をしなかった私に、寺崎は気にしたみたいだった。
真波「どうして遅れたの?ただ、遅れたとかじゃなさそうだけど?」
席に着くなり、寺崎を攻める。
寺崎「そうなのよ。聞いてよ」
それにノルかのように寺崎は話し始めた。
寺崎「今日、来る途中、七海と颯希がいたんだよ」
真波「七海と颯希が?」
篠木七海。矢田颯希。なんでこの二人が?
寺崎「うん。で、どこ行くのって聞いたら、病院行くって言ってて」
真波「病院?」
"病院"。これは、BIG3の前では、一種の禁句なのかもしれない。
寺崎「そうなのよ。なんの病院って言っても答えてくれなくて」
どうやら、二人と会っていて遅れたようだ。
真波「それって私に言ってよかったの?」
寺崎「さぁね、ハハハハ」
わざと言ったのか、たまたま言ってしまったのか?こういう時の寺崎が一番わかりにくい。本心が見えにくいと言った方がいいのだろうか。
真波「なんの病院なんだろうね」
真波は、気になっているみたいだった。
寺崎「私にはわからないよ。BIG3のことはね」
真波の方を触れながら、コーヒーを買いに行った。
真波「なんだろうな」
私 「知ってるの、真波は?」
私は、コーヒーを飲みながら真波の表情を見ていた。
真波「ううん。全然知らないよ」
興味ない返事はしていたけど、実際は、気になってるんだろうな。さえない表情は、真波には似合っていなかった。
私 「これ、どう?」
真波「なにこれ?」
私もこれが何かはわからない。ただ、今日真波に会うことを明日花に伝えたら渡してほしいとこれを受け取った。
私 「明日花からだよ」
真波「明日花から?」
驚いた表情を見せながら渡した封筒を見つめていた。
私 「うん。最近会ってないんじゃないの?」
真波「会ってないな」
真波だけでなく、他の実咲や陽菜乃とも会えていないらしい。
私 「早く会いたいって」
真波は、どこか嬉しそうだった。




