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1月13日 迷い

 今日も、冴えない一日が始まった。私は、何をしているんだろうと何回も思ってしまっていた。朝から登校するも、勉強地獄だった。教室の進路状況としては、6割くらいが進路が決まっており、残りと4割が決まっていなかった。

 私は、いつものように屋久保と村上を話していた。屋久保は、長野恒星大学、村上は信条大学へと進学が決まっていた。一緒にいるものの、大学への進学に決まっていない私は、ひたすら勉強をしていた。私も部活動に入っていたら、推薦で大学にもいけていたのだろうか。そうしたら、このクラスではなかったかもしれない。

 なぜ、このクラスに入ってしまったのだろう。私には理解できない。いつ、私にあった環境は、来るのだろうか?私にはわからない。どこにいても、生きた心地がしない。この学校の中での小さなストーリー。廊下ですれ違う全ての人が他人。廊下の端を歩く私。交わる廊下を笑顔で通ることができたらな。 

 なぜ、コイツと友だちになったのだろう。なぜ、矢田や皆川たちと仲良くなれないのだろう。迷った先が、屋久保や村上だった。夢を追いかけ走った先がこれでいいのだろうか。たくさん勉強して入った高校生活で、このありさまだ。こんな友だちがこの先になんになるんだろう。

 屋久保には、笑われ、村上には同情される。心許せなくなり、苛立ち、憤りすら感じていた。私の支えは、中学校生活にともに過ごした仲間になっていた。明日花は、いつも優しくしてくれる。真波は、ケンカしても真っ正面からぶつかってくれた。そんなみんなが大好きだった。でも、今はいない。この学校の中で、私はどうしたらいいのだろうか。

 中学生の頃には、頭の中にみんなが毎日のように浮かんできた。いつでもみんなで笑い合ったあの廊下の場所で。知らない誰かがこないように丸まっていた。今では、ほこりだらけの廊下を歩く。もしも昔に戻れるのなら、何も知らない頃の私のまま連れ去ってほしい。思い出をそのままもちながら。

 最近は、明日花や真波と会って、勉強へのモチベーションを上げていた。明日花にも真波にも今の気持ちをしっかりと伝えたかった。明日花は、闘病生活を送りながら、来年大学に行く。真波は、大学に行かず、これからの人生について深く考えていた。でも、自分は、何も決まらないまま、ただ受験勉強をしていたのだった。

 二人のことを考えていると、実咲や陽菜乃にも会いたくなっていた。受験終わりに五人で集まるので、それまで頑張るしかなかった。

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