2月7日 想像
私 「明日花は、リハビリどうなの?」
明日花「まぁまぁだよ。楽しさもあるし」
一年前の明日花とは、本当に別人だ。たった一年でこうも変わるかと思えば不思議だった。
私 「れいの野球部は、どうなの?」
明日花「ああ、れいの人ねかぁ」
れいの人とな、海美高校野球部の春風未來だった。明日花は、同じリハビリ病棟で出会ったらしい。春風は、プロ注目の投手でもあった。弟の優聖も名前を知っていたぐらいだから、相当なんだろうな。
私も野球は好きだからよく見ている。高校野球に関しては、あまり知らないが名門校相手にも凄いピッチングをしており、それがプロの目に留まっていたらしい。当然、春以降は怪我で野球ができなくなったこともあり、ドラフトに指名されることはなかったが、大学でも野球を続けることを望んでいるらしい。
明日花も順調に回復してきており、この調子だと来年夏頃には、リハビリもやめれるくらいまできているらしい。
私 「もう、その野球部は、リハビリ終了したの?」
明日花「いや、3月までするらしいよ」
3月までリハビリしてたら、本格的に野球の練習がでできるのは、夏以降か。試合とか考えたら、1年先かもしれないな。
私 「それまでは、何してるの?」
明日花「普通にリハビリだけだよ」
私も明日花みたいに変われるのだろうか?
私 「野球の練習しないの?」
明日花「しないみたいよ」
私が想像していた人とはどうも違うみたいだ。
私 「てっきり、もうやってるのかと思った」
明日花「意外と慎重なんだよ」
明日花だけの話だと、そうとう面白い子なんだろうな。
私 「でも、大学で野球やるんでしょ?」
明日花「そうだよ。しかも、またピッチャーするらしい」
ピッチャーするなんて。実戦まではまだまだかかるんじゃないか。
私 「今度、その人会わせてよ」
明日花「えー。なんで?」
驚きながらも、笑っていた。
私 「だって、明日花の話聞いてたら興味湧くじゃん」
明日花「そう?まぁ、聞くのは全然するよ」
やっぱり、明日花はすぐにしてくれる。誰よりも懐が広い。何に対しても否定せず、受け止めてくれる。
私 「やったぁ。楽しみだなぁ」
明日花「でも、相当偏屈だから、気をつけたほうがいいよ」
私たちは、笑顔で笑い合った。




