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2月4日 寺崎美桜

 試験から2日が経過した。明後日は、再び試験があるので、勉強をしていた。勉強をしていたが、どこか身が入らない。昨日、寺崎と小野田と話をしていたせいもあるのだろうか?私は、必死にシャープペンを動かして過去問を解いていた。

 私たちは、夜の20時まで一緒にいた。小野田は、今日帰るらしく、おそらく、まだ寺崎といるだろう。昨日は、本当に不思議な時間だった。普段なら、絶対いない寺崎と話をしていたからだ。思うように問題が解けない。長文読解に必要な文構造が理解できない。

 思ったよりも、寺崎は、普通の女の子だった。話す前までは、もっと、完璧でストイックなイメージだっただけに、驚いたというのが本音だ。一番は、"BIG3"に対する感覚が一致していたこと。寺崎は、高校2年生の時、3人と同じクラスだっただけに、3人の凄さを感じていたのだろう。思うように文章が解けず、イライラしてしまった。

 寺崎は、いつもBIG3の横にいるからか、ナンバー2のイメージが多い。2年の時も、BIG3に頻繁に絡んでいくのは、寺崎ぐらいだったとか。一方で、BIG3をあまり好まない宮城、渡邉、入江、林、西野たちをまとめているのは彼女だった。彼女からすれば、どうでもいいことらしい。BIG3も好まないし、その他の生徒と何とも思わない。中学校6年間、ずっと自分に合う人を探していると。

 それだけ、小野田がすごいのか、たまたま寺崎とフィットしたのか?小野田の一番いいところとして、彼女が挙げたのは、"自分の信念を貫くところ"だそう。可愛らしい顔をしてるけど、その裏には、とても頑固な性格があるとか。

 私たちの話を聞いてた小野田は、同じ小学校だった篠木のことを凄いと思ったことはないと一喝していたのが面白かった。それは、今の篠木のことを知らないからそう言えるのかもしれないけど、知っていてもそう言いそうな雰囲気だった。私は、長文読解ができず、諦めてシャーペンを置いた。

 こらからの進学先についても話をした。小野田は、大学では法律の勉強がしたいらしい。その先に、起業も考えるとか。たった18歳でそんなことが考えるなんて、すごいとしか言いようがなかった。だから、私と一緒に受けた大学には、行く気はないらしい。寺崎同様、東京の大学進学を希望していた。たしかに、彼女らしさは、この大学には合っていない。自分との差を感じてしまった。

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