2月2日 校門
私は、試験が終わり、大学の校門をくぐり抜けた。校門前は、他の大学生でごった返ししていた。今日の大学入試試験は、思いの外、難しかった。国語では、漢字だけでなく、現代文の問題も解けなかった。後の英語と社会は、ボチボチのできだった。私は、スマホをとり、お母さんに帰りの時間帯を連絡していた。
女の子「あのー、すいません」
私 「ん?」
私の横から声をかけてきたのは、ショートカットの女の子だった。
女の子「もしかして、聖徳高校の方ですか?」
私 「そうですよ。どちらさんですか?」
なぜ、聖徳高校だとわかったのだろうか?知り合いか?
女の子「私、東京から来ました小野田っていいます」
私 「‥‥。はい。」
誰だ?この子?
女の子「寺崎って子、知ってますか?」
寺崎美桜。3年4組の生徒だ。この子は、何者だろうか?
私 「すいません、個人情報なんで」
とっさに答えようとしたが、慌てて言い直した。
女の子「あっ、警戒させてしまいましたかね?」
バックから、黒のスマートフォンを取り出した。
女の子「私、美桜の友達なんですよ。見ます、これ?」
女の子は、私にスマホの連絡先を見せてきた。たしかに、このアイコンは、寺崎のだ。呼び名も下の名前だったし。寺崎の友だちで間違いないだろう。
私 「知り合いなんですか?」
女の子「そうなんです。昔、私もこっちに住んでた時があって」
昔、、、。いつのことだ?
私 「あっ、そうなんですね」
女の子「私、八代北小学校です。どこでした?」
八代北と言えば、篠木や諏訪たちかぁ、、、。
私 「えっと、八代南です」
女の子「南かぁ、、。接点ないですね」
この言い方だと、小学校も東西南北全てあることが知っている様子だ。
私 「ですね」
女の子「もし、よかったら、明日来ますか?」
私 「えっ?」
なんだ、この展開?
女の子「明日、美桜と会う約束してるんですよ」
急に言われてもな。
私 「そうなんですね、でも、私は、、、」
女の子「いいじゃん。来なよ、せっかくだし」
私 「いや、そう言われても」
いつもなら、会話の主導権を握る私が、この女の子に圧倒されていた。
女の子「ねぇ、いいでしょ?」
この女の子の圧力に私は、負けてしまった。




