1月31日 瀬戸明日花
大学入試試験まで、残り2日となった今日は、昼から明日花の家に来ていた。
明日花「頑張ってよね」
私 「まぁ、頑張らなくてもっていう感じではあるんだけどね」
頑張り方がよくわからない。
明日花「ほんと?」
私 「うん。ハハハ」
明日花「でも、わかんないじゃん?」
私 「それは、そうだね。明日花は、体調どう?」
これ以上、勉強の話をしたくない私は、話題を変えた。
明日花「少しずつだけど、よくなってきてるよ。いつもありがとね」
私 「そんなこと言われると照れるな」
そんなつもりで言ったわけではなかったから心が痛い。
明日花「ハハハ」
私 「明日花は、今何してるの?」
机の上には、参考書がたくさん積んでいた。その横には、私たち5人の写真も飾られていた。
明日花「今は、リハビリしながら、勉強してるよ」
私 「行きたい大学あるの?」
明日花「大学はないけど、経済学で勉強したいこと見たかってね」
明日花は、昔から熱中しやすい性格だから、受験も長続きしそうだ。
私 「へぇー、すごいね」
明日花「優衣もテキトウに生きない方がいいよ」
私 「えっ、どういうこと?」
部屋からランダムで流れた曲は、堀隆史の『stay』という応援ソングだった。
明日花「もう18でしょ?」
私 「もうっていうか、まだまだあるよ」
明日花にしてみたら、そうなのか?言ってしまった後に後悔してしまう。
明日花「そんなことないよ。同じ歳は、二度と来ないんだから。もっと、わがままになってもっと遊んだらいいのに」
流れてくる曲に合わせるように、話してきた。
私 「でも、この前は、0か100になりきらない方がいいって言われたよ」
明日花「それはさ、優衣が0にも100にもなっていないんじゃないかな?」
私 「どういうこと?」
強い口調で聞き返した。
明日花「0か100になってる人って突き抜けてる人だと思うんだよね。優衣は、0にいると思ってたけど、いつのまにか10のところにいたりするんだよね」
彼女の気持ちは、わからない。私たちには、経験できないことを彼女はたくさんしてきた。ここまでの道のりは、くるしかっただろうけど、明日花は、そんなのとを言い訳にすることはしない。私も、明日花みたいになりたいけど、、。




