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1月29日 尾藤舞・柳沢瑠夏

 1月も、もうすぐ終わる。あっという間に、過ぎ去っていく毎日に嫌気がさしていた。一方、受験まで残り3日となっていたが、なかなか集中することもなかった。気になることが多すぎてそれどころではなかった。過去問を解きながら、いろいろ考えることが多かった。

 前回の模試で私の志望校の合格率は、85%と出ていたから、心の余裕はあった。ただ、もっと高いところを目指すべきなのではないかという葛藤もどこかであった。でも、みんなも受かってるしな、、、、。

 私の最も意識する相手は、"BIG3"だった。絶対敵う相手ではないのに心のどこかで思うところがあるのだろう。心と頭が一致していないから、自分でももどかしかった。

 BIG3の中でも、真波の存在は大きい。超えたいけど、超えられない存在。昔からそうだった。勉強でスポーツでも恋愛でも。何をやっても、、、、。これ以上の言葉を言ってしまうと、自分自身が壊れていくんじゃないかととすら思ってしまう。

 それにしても、あの日の出来事が私の全てを変えてしまった。だから、これからは何かに依存しない生き方をしないと自分自身変わらないんだろうと思っていた。明日花や真波、実咲や陽菜乃も素敵な友だち。でも、彼女たちとずっと一緒の人生なんてない。そのことを理解しないと、私はいつまでも、、、。

 もしかしたら、彼女たちと出会ったことは幸せなのでなかったのかもしれない。出会わなければ、もっと別の子たちと話せていたのかもしれない。中でも、特に思うのが尾藤舞と柳沢瑠夏だ。

 二人とは、中学校の2.3年で同じクラスになって話をした以来、関わりは薄れていた。二人とも、私が他の人と仲がいいことを知っていたから積極的に遊びに誘われることはなかった。でも、今の高校生と比べると、本当に仲がよかったように思う。今は、見かけだけの友だちだけど、当時は、本当の友だちであると実感していた。

 楽しいことがあれば、笑顔で笑い合い、嫌なことや泣いてしまうことことがあったら悲しみ合う。当たり前なんだろうけど、そういう関係になれる人って意外と貴重なんだと感じる。特に、今の私たち5人の関係を見るとまさにそうだ。

 近くにいなくなった明日花、何もかも差ができてしまった真波、新しい友だちができた実咲、勉強に打ちこんだ陽菜乃。みんな大好きだけど、もう近くにいない。

 時刻は、17時20分を過ぎたところだった。英語の過去問を解き終えた私は、そっとシャーペンを閉じた。

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