1月27日 取引
私は、勇気をふりしぼり、中川と会っていた。ここは、どこだろう?知らないところに連れて行かれて、どこか不安になっていた。さらに、目の前には、よくわからない中川。何がしたいのかわからなかった。
私 「来たんだから、教えてよ」
中川「そうね、ちょっとだけならね」
私 「なんで、ちょっとだけなのよ」
中川がスマホを見ながら、答えたことに苛ついた。
中川「アンタ、いつから私より偉くなったの?」
私 「は?そっちが来たらって言ったんでしょ」
中川「嫌なら今から帰っていいんだよ?」
イライラが止まらない。
私 「もう、話にならない。帰るよ」
中川「ふっ。ハハハ」
私 「何よ?」
中川「だから、嫌われてるのよ、アンタ」
今、一番言われたくないことを口に出されて、怒りが最高潮に達した。
私 「うるさい!」
机をドンと叩いた。
中川「早く帰りなよ、どうせ帰っても、あの日のことは変わらないけどね」
私に対する煽りは、止まない。
私 「さっきから聞いてたら、偉そうに」
中川「そう思うなら、早く帰りなよ」
話をしていても平行線のままで、進まない。
私 「はいはい、帰るわよ」
私は、手に持っていたスマホをスカートのポケットに入れて立ち上がろうとした。
中川「うん、その方がいいわ。颯希には、私からいろいろ言っといてあげるから」
私 「はぁ、何言うのよ?」
中川「えっ、あることないこと言っといてあげる」
どういうこと?中川は、颯希と友だちなの?
私 「ふざけんな、てきとうなこと言わないで」
中川「早く帰りなよ」
私 「いいかげんなこと言わないでよ」
帰れる状況ではなくなってきていた。
中川「知らないよ。信じるか信じないかは颯希しだいなんだから」
私 「はぁ?」
中川「てか、早く帰りなよ」
私 「そんなこと言われて帰れるわけないでしょ」
中川「もう、一旦帰るって言ったんだから、残ったって何も言わないよ」
まるで、私をもて遊ぶようにしていた。
私 「なんで、そうなるのよ」
中川「ねぇ、聞く姿勢ってあるよね?」
私は、唇を噛み締めた。
中川「教えてくださいでしょ?」
私 「教えて、、ください」
中川「じゃあ、アンタの仲のいい友だち教えて」
私 「えっ?」
この時、なぜ、この質問をされているのか理解ができなかった。




