1月26日 中川楓
結局、昨日の数学の時間に宿題を提出することができなかった。それに伴って、私は、居残りとなってしまった。そこで、まさか、あんなことが起きるなんて、、、。
ー1月25日ー
数学の宿題ができなかったこともあり、掃除が終わった放課後に問題を解いていた。すると、中川が私の元へやってきた。
中川「田中さん」
私 「どうしたの?」
中川「田中さんって、あの日のこと覚えてる?」
"あの日"。最も私が嫌な言葉だ。
私 「あの日っていつ?」
中川「中学校の時にあった、陸上競技大会」
私 「あぁ、知ってるよ」
平静を装ったが、内心びっくりしていた。まさか、中川もあの日いたのか?そんなことがあるのか?
中川「私もあの時いたんだよね」
中川楓。普段は大人しい性格で一人でいることが多い。どこか掴めないところがあり、ミステリアスな人間だ。彼女は、どこの中学校だったのだろうか?
私 「そうなんだ」
中川「田中さんってさ、今、大変でしょ?」
私 「えっ、何が?」
先ほどから、中川は、私の嫌なところをついてくる。
中川「いや、言いたくなかったらいいんだけどね」
私 「どういうこと?」
中川「この前、颯希といるところいたんだよね」
私 「どこまで聞いたの?」
つい語気が荒くなってしまった。
中川「少しだけだよ。あの日のこと話してから」
私 「そっかぁ」
私は、天を仰いだ。どのみち、あの日のことを知っているのであれば仕方ないかぁ。
中川「私さ、田中さんが知らないことしってるんだよね」
何が言いたいのかわからない。知ってるからなんなんだ!
私 「あの日のこと?」
中川「うん」
私 「何それ、教えてよ」
中川「うーん。ただで教えるのはダメだよ」
中川は、全く教えようとしなかった。私が最もコミュニケーションが取りにくいと感じるタイプの話し方だ。
私 「何よ、それ」
中川「あの日のことは、それだけ根深いってことよ」
つまり、中川も関与しているということか?私が知っているのは、あくまでも一側面ということなのか?
私 「どういう意味?」
中川「どういう意味だろうね、フフフ」
私 「教えてよ」
中川「ここでは無理だけど、カフェとかならいいよ」
そう言って、中川は、教室を後にした。ここから、"あの日"の出来事が大きく変わることになることとは、、、。




