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1月20日 八代南中学校

 中学校時代も何もなかったはず。なのに、なんであんなに充実していたんだろう?


 〈八代南中学校〉

  ・瀬戸明日花

  ・高田真波

  ・最上柚月

  ・尾藤舞

  ・酒井唯香

  ・辰巳慎之介

  ・定本健太郎

  ・山里侑大

  ・和田宏太

  ・浜田祐二


 高校生活は、思い描いて通りには、いかなかった。中学校時代に仲がよかった真波とは、仲が悪くなり、明日花も病気になって会えなくなっていた。

 最も誤算だったのは、他の中学校から来た人と上手くやりとりできなかったことだった。高校1年生では、寺崎、入江。2年生では、渡邉、諏訪、3年生では、矢田、宮城。今の聖徳高校女子の中心となるメンバーと同じクラスになっていた。しかし、それぞれと話をしても、話が合わなかった。なんなんだろう?テンポ感なのか?話題なのか?

 中学校時代は、明日花や真波だけでなく、柚月や舞とも仲が良かった。今、思うと自分は、他校の女子にも負けていないというどこかプライド的なものもあったのかもしれない。その象徴が、"辰巳"だった。

 辰巳慎之介。スポーツ万能で学力も高い。中学校からずっとサッカー部に所属していた。中学生では珍しいセンターわけの髪型で、顔もカッコいい。時々、学校をサボって遊ぶヤンチャさも人気だった。そんな"辰巳"は、私の中学校時代の元カレだった。中学校卒業を機に別れたが、高校に行っても、彼の人気ぶりは変わらなかった。

 彼が人気なのは嬉しかったが、私の苦手だった諏訪と付き合ったことは本当にショックだった。苦手だったということに加えて、諏訪は、篠木と仲がよいメンバーの一人ということも影響していた。諏訪の背後に篠木がいるような気がして、ただ嫌いというだけでなく、どこかで嫌われてる気持ちや後ろめたさの気持ちも感じざるをえなかった。

 さらに、同時期に、真波とのケンカがあった。あの時は、真波さえ来てくれれば、5人で集まることができた。ただ、真波は、全く来ようとしなかった。まるで、私たちといた過去は捨てたように。

 あの頃は、精神的にもしんどかった。なによりも、相談できる相手が、学校内にいなかったこも自分を苦しめていた。誰かと話しても、全てが嘘くさく思えてしまう。ただの雑談。私が欲しかったのは、嘘偽りなく自分を話せる相手。そんな相手がいない現状を嘆き、失望し、避ける毎日にへと変わっていってしまった。

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