1月11日 高田真波
今日は、真波と会う日だった。真波とケンカしてから、約1年が経過しようとしていた。真波とは、高田真波のこと。中学校の時に仲良くなり、いろいろ話をしていた。しかし、私たちが高校2年生の時、問題が起きた。
ケンカの理由は、真波が私たちの集まりに来なかったからという些細なものだった。集まりに来る来ないなんて些細なものかもしれないが、私にとっては大きなものだった。というのも、集まりに来る日は、明日花の誕生日だったからだ。
ただ、真波にも来なかった事情があった。それが、あんな理由だなんてわからなかった。というか、その理由にすら気づかない私は、とんでもなくバカだった。
そんなことを考えていると、真波が待ち合わせの場所に来た。真波は、少し、走りながらやってきた。
私 「元気?」
真波「うん、優衣は?」
真波は、いつもよりスッキリした顔をしていた。
私 「受験勉強疲れたよぉ」
真波「そうだよねぇ。どこ受けるの?」
私 「んーと、光華女子大学」
真波「そうなんだあ」
私 「真波は、どこ受けるの?」
真波「私は、受験しないよ」
私 「えっ‥‥?」
真波の発言に驚いた。
真波「ふふふ」
私 「どういうこと?」
真波「そんなに深い意味はないよ」
私 「受けないんだったら、何するの?」
真波「したいこと探すの」
私 「えっ、どういう意味?」
真波の言っていることがよくわからなかった。
真波「だから、したいこと探してるの」
私 「働いたりするの?」
真波「うーん?どうだろ?」
私 「‥‥」
真波「したいと思ったらするし、したくなかったらしないかな」
大学に行くわけでも就職をするわけでもないが、真波は、とても輝いて見えた。12月頃までは、どこか迷っている様子にも見えたが、なにか踏ん切りがついた様だった。
私 「そうなんだぁ。なんか、真波って昔と変わったね」
真波「そう?」
私 「うん。今までの真波だったら、そんなことしなさそうじゃん」
真波「どうかなぁー」
私 「変わったよ。なんか、あった?」
真波「変わったのかなぁー。自分では自覚ないけど」
真波は、窓の外を見ながら答えた。仲直りしてからも、真波は、私たちに対して少し距離をとっていた。
私 「昔は、尖ってる感じあったけど、だんだん丸くなってきたよ」
真波「そうなんだね」
少し、照れくさそうにしていた。
私 「うん」
真波「やっぱり、颯希と七海の影響かな」
私 「あの二人ね」
真波「結構、影響受けちゃってるからねぇ」
真波にとって、颯希と七海は、とても大きい存在だった。中学校の時にずっと一緒にいた私たちよりも影響力が大きく、私は嫉妬していた。
今日は、真波と2時間ほど話をして、別れた。私は、もうすぐ試験があるということもあり、帰って再び勉強を始めたのだった。