表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/11

紫のアイツ

「ねえ、見てみてこの情報誌に書いてるけど。コブさん魔王倒したんだって、大勇者になったらしいって。」




「それは嬉しいな、もしかしたらこの店の客も増えるんじゃないか。」




喜ばしいことでは疑問がある。


ここ一体を支配している魔王の城はここからかなり遠い。


彼が剣を購入してからまだ1週間も経っていなかった。




敵を薙ぎ倒し、前へ進むには相当時間がかかる。


そんな力があるようには見えなかった。




まあ深く考えることはやめよう。


彼のおかげで、うちの宣伝ができた。


今日もしくは明日には忙しくなるのかなあという淡い期待を抱いた。




「ねえ、サエナギさん、みて色違いのスライム、見つけた。」




「いや、スライムも別に一色じゃないから」




「でも大体青だよ。これ真紫色だよ。」




確かにこんなに目がチカチカするようなスライムは見たことがなかった。




「飼ってもいい?」




「やめとけ、お前ちゃんと世話できないだろ。」




俺は手をバッテンにして、彼女の意見を否定する。




「ちゃんと育てるし、スライムにスラちゃんって名前つけて愛でてあげるし」




ケリーの決意は堅いように見えた。


しかも、ここは俺の家ではない。


そもそも口出しできる立場になかった。




「でもさ、スライムって何を食べるか知ってるか?」




「えっ知らない、バナナとかキャベツとか?」




俺は、首を横に振り窓の外を眺めた。




「うさぎの肉、だよ。」




「ムーーン」




ケリーの表情は一気に曇り、真紫スライムを外に返した。




「スライムって肉食なんだね、へえそうなんだあ」




棒セリフだ。


それから数日、彼女は棒セリフだった。


「キャベツ、ナマ、オイシイ」


最後までご覧いただきありがとうございます。


この作品を気に入っていただけた方は、


ブックマークと、下欄にある☆☆☆☆☆をタップして、評価の方をお願いします。


評価をしていただくと良し悪しがはっきり分かり反省し次に繋げることができます。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ