プロローグ
今日も太陽が地を照らしていた。
雲一つない空は、とてもすがすがしかった。
「最高の農業日和だな。」
背伸びしながらつぶやいた。
「サエナギさん、いませんか。一緒に武器屋しましょう。」
まーたあいつがきた。
頭を地面の中に突っ込んでケツしか見えてないやつに勧誘されて、はいOKですというやつがどこにいるだろうか。
心配になったので引っこ抜いてやった。
なんで、俺が人間を収穫しないといけないのだろうか。
「大きな女の子が土から、採れたぞ、わーい。」
棒よみで、彼女の来客を祝福してあげた。
金髪のショートカットで紙にピン止めをして、肌が白い。
それなのに、おしゃれさのみじんもない服装が残念さを醸し出している。
彼女の名前はケリー、俺の家の近所で武器屋を営んでいる。
「あっ、今日は地上にいたんですね。失礼しました。」
この子は俺を、モグラか何かと勘違いをしているのか。
「一緒に武器屋しましょう。」
「だから、何度も言っているだろ。俺はもう剣は研げないんだ。すまんが他のやつを当たってくれ。」
「いやです。私、サエナギさんの刀を見て感動したんです。今日は私の店の刀を見せに来ました。すごすぎて、おののかないでね。」
ケリーは、俺に剣を差し出した。
どうせ褒めておけばさっさと帰ってくれるだろうと思いはいはいと2つ返事をしようと考えていたが、絶句した。
なんだ、このクソみたいな剣…。
試しに一度それを振ってみた。
「パキッ」
真っ二つに折れた。
こんな品物を市場に出してるなんて。
「それで、このガラクタはいくらなんだ。」
「ひどい、私が魂込めて作ったのに。価格は金貨10枚です。」
少しふくれっ面でもじもじしながら、発言したが、高すぎる。
こんな店に来ようとするもの好きなんていないだろう。
「まあ、その剣のいろはだけ教えるためだけなら、いいかな。」
「ということは、うちの店で働いてくれるのですか?」
「まあその、ちょっとだけならな。」
いや、こんな状態で野放しにできるわけないだろ。
武器を作っていたものとしてのプライドが沸き上がってきた。
しかし、まだ少しこの業界に戻ることに不安があった。
父さん…
「というわけで私の店にレッツゴーって、隣なんだけどね。」
ケリーはお調子者だ。
トラブルメーカーで、一緒にいると気が置けない。
でもなぜだか、彼女といるときだけ自分の抱えているモノがなくなっていく感じがした。
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