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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

犬系男装少女と滅茶苦茶な日々

女だとバレたけど特に問題はなかったよ!

作者: 走不 歩
掲載日:2021/02/10

 オレの名前はルイ! 本当の名前はルウだけど、今は弟と入れ替わってんだ。だから今の名前はルイなの。まあ、たったの一文字違いだし、大したことないからどっちでもいいんだけどね。ようはオレが呼ばれているかどうか分かればいいんだし。弟にそれ言ったら「姉さん、違うよ。ぼくの名前を取らないで」と呆れた様子で言われたけど、まあいいや!


 そんなオレは今、全寮制の役人育成学校に通っている。生徒は男しかいないんだ。


 なんで女であるオレがそんなところに通っているかといえば、オレの方が弟より能力的にこの学校に向いているし、弟の方がオレより料理や裁縫も上手いし、美人だから、ぼくらが世話になっていた宿屋に貢献できると思ったからだ。


 弟とオレは同じ顔っちゃあ同じ顔なんだけど、栗色の髪に茶色の目に童顔、色合いは詰まんねぇかもしれねぇけど、宿屋のおじさんも兄貴も顔整ってるって言ってた。でもオレには右ほおに傷があるから。女の子の顔に傷があると価値が下がるんだってさ。女であろうと男であろうと傷が痛いのは同じなのに、残ったとき扱いが変わるのは不思議。


 まあ、この傷は自分でつけたんだけどさ。

 昔、「お前は女の子だからその内、お嫁いっちまうのか……」って兄貴が悲しそうに言うもんだから、自分で顔に傷つけて「これでいけないから大丈夫!」と言ったのだ。兄貴は大号泣。オレは嬉しかったんかなと思ったんだけど、弟には違うと全力で頭を横に振られた。兄貴も顔とか腕とかに傷があるから、お揃いでオレは嬉しかったんだけどな。兄貴、元気にしてるかなぁ?


 そんなこんなで、女の子として生きていくには不利だし、自分の能力的にはこっちの方が向いてると思って弟と入れ替わることにしたんだ。弟も最初は反対してたけど、最後に「ソウダネ。姉さんなら、なんとかなる気がする」って諦めてくれた。だけど、その後「女の子ってバレないようにね」と散々言い聞かされた。流石に分かってるってば。


 で、なんでこんなこと今、思い出しているかと言えば。


「ルイ、前から気になってはいたけど、君、女の子なの?」

「違うよ!」


 体調が悪くて、お父さんがお医者さんで医学分野に詳しい同学年のザビンに相談したところ急にそんなこと言われてオレは慌てて否定する。


「でも、お腹痛くて、その……股から血が出てんだよね?」

「うん。これどうすればいいの? オレ、死んじゃうのかなぁ……」


 朝起きたら服やシーツが真っ赤で驚いた。オレ、最近怪我した覚えがないから多分、病気なんだろう。どうしよう、あと余命一か月ですとか言われたら。


「うおう……」


 ザビンがそう頭を抱えだすものだから、オレはますます不安になる。ザビンはめっちゃいい奴で、オレが入学式の時、不安そうにしていた時に声をかけてくれてから、ずっと何かと助けてくれる。そんな優しいザビンがこんなになるなんてよっぽど大変なことだろう。


「え、そんなにヤバいの? どうしよう? オレ、先生とかに聞いた方がいいのかな?」

「ちがっ、ちょ、待ちなさい!」

「ぐえっ」


 立ち上がって部屋から出ていこうとするのを襟首をつかまれて止められる。く、苦しい。


 そんなところに、「なぁ、ザビン。ルイどこに居んのか知らないか? あいつの部屋、血だらけで――って、ルイ! ここにいたのか!」と金髪碧眼のニールが部屋に入ってきた。


 ニールはオレらの学年で一番発言力のある奴で、親切な奴だ。

 入学したての頃は「お前、筆記試験、ボクを差し置いて一番取ったんだな」って褒めてくれたし、その次の日から「貧乏人にはお似合いだろ」と古いパンをオレに投げてくれるようになった。

 彼の言うように貧乏なオレはあんまりにも嬉しくてお礼言ってたら、なんと段々パンが新しくなってきて、最近は流行りのフルーツパンっていうめっちゃ高いパンをくれるようになった。型崩れを心配してか「なんか、いままで、その意地悪して悪かった。これからは普通にパンやるよ」と言ってくれたが、オレは投げられるパンを落ちる前に取るのが楽しいから投げてくれるようお願いしたらやってくれた。


 見ているみんなも最近は感化されたのか「ナイスキャッチ!」とか「ルイ君、飴玉あるけどいる?」「ちゃんとキャッチできるし、いつも一番取ってえらいな~、よーしよしよし」とか言って、たくさん食べ物とかくれるし、頭撫でたり褒めたりしてくれるようになった。


 弟への手紙にそれ書いたら「それは犬あつ――何でもないです。姉さんが楽しそうで何よりです。お友達がたくさんできたようでぼくは嬉しいです」と喜んでくれた。


 つまり、ニールはご飯くれるし、オレをみんなになじませてくれた大恩人ってことだ。めっちゃいい奴!


「あ、ニール! あのなオレ股から血が出てんだけど、これ先生とかに相談した方がいいのかな?」

「なに? それは大変だ! 医者を呼ぼう!」

「あー! あー! 待ちなさい、そこのおバカ二人!」


 ニールがそんな風に慌てて部屋の外に出ようとしたら、ザビンが叫んで止める。オレはよく「勉強できるけど、究極のバカだよな」とか言われるけど、ニールがバカだなんて言われるのは珍しいな。


「ボクはこいつと違ってバカじゃない!」

「分かったから、今それやっている暇無いから。二人とも座って。今から大事なことを教えます」


 ――十数分後


「つまり、病気じゃないんだ!」

「そうだね」


 ほっとしてそう言えば、ザビンは優しく微笑んでくれる。


「ふん、ボ、ボクは知ってたけどな」

「良かった、死んじゃったりするもんじゃなくて」


 朝すっごいびっくりしたけど、ザビンにきいて良かったぁ。


「うん、良かったね。だけどね、ルイ。これって女性しかならないものなんだ」

「「え?」」


 オレとニールの声が重なる。


 ちょ、ちょっと待って。今、ザビンってば何を言った? 女性しかならない? つまり、ということは……オレが女ってことバレた?


「もう一度聞くよ、ルイは女の子?」


 ザビンの灰色の瞳がメガネの奥できらりと光る。いつも穏やかで優しいザビンにこうも真剣に聞かれてしまえば、オレは嘘を吐けなかった。肯定のために頷けば「そっか」と言われる。


 ここに入れるのはたぶん男だけだ。それでオレは女だってことがバレてしまった。


「オレ、もうここには、いれない?」

「……難しいだろうね。僕だけじゃなくてニールにも知られちゃったから。大方、他にもさっきみたいに探す時に部屋が血だらけとか言ってるだろうし」


 ザビンの優しい声がオレの心に深く突き刺さる。目頭が一瞬で熱くなったかと思えば、どんどん涙が溢れてくる。視界の隅でニールが申し訳なさそうに俯いた。


「ぅぅ、知らなかったんだもん。知ってれば言わなかったもん。部屋もなんとかしたもん」


 言い訳のようなオレの言葉にザビンは「そっか、ごめんね。部屋は騒いだニールが悪いからね」と優しく頭を撫でてくれる。


 そこに扉がまた勢いよく、開かれる。


「おいザビン、ルイ何処にいるか知らねぇか? ニールが部屋が血だらけだとか何とか――って、ルイ⁉ お前、どうしたんだ、そんなに泣いて! 目ん玉溶けちまうぞ! ちょ、みんな来い! ルイが腹黒陰険眼鏡とガキ大将に虐められてる!」


 そう入ってきた人物が叫べば、同学年のみんなが集まってくる。ザビンとニールが何か反論するように言い放ったがオレは色々とパニックになっていてよく分からない。


「わ、ほんとだ。ルイが泣いてる」

「どうしたんだ? ルイ、大丈夫か?」


 狭い室内に入りきらないくらい集まってきて、そんなにみんなオレのことを心配してくれたんだなぁっていう思いと、そんな優しいみんなと会えなくなっちゃうっていう悲しみでますます涙腺が緩む。


「ぅぅ、オレみんなと一緒にもっと居たいよー! 勉強もしたいよー!」

「どうしたどうした、二人に意地悪な事でも言われたんか? 気にすんなこいつらのことなんて」


 わざわざ中腰をして目線を合わせて安心させるように笑ってくれるみんなの優しさが嬉しいけれど、ちょっと勘違いしてるからそれは訂正しないと。


「ずびっ……ううん、二人ともめっちゃ優しい。そうじゃなくて、そうじゃなくてね、オレここにはもういれないんだ」

「どうしてだ? ルイは良い子だし、成績も良いじゃないか。金が無いならそこのニールにたかればいいんだし」

「おい」


 出てくる鼻水をすすりながら訂正すると、今度はお金のことで心配される。

 オレが貧乏ってこと知ってるからだけど、最近はお昼ご飯はニールが毎回パンくれるし、ノートとか服ははザビンが「買いすぎたから」とか「小さくてもう着られないから」って譲ってくれるからそこまで困ってない。学費は一番取ってるから免除だし。


「お金は、今は平気。でもでも、オレはダメなの……ぅぅ」

「よーしよしよし、ルイ君大丈夫だから。おれらがなんとかしてやるからな~。おい、ザビン、要領を得ないから、お前に説明求めるわ」

「ルイ、実は女の子、以上」


 すっごい短い説明だけど。流石、ザビンだ。的確に今の状況を示してる。オレ、説明下手だし、パニックで全然伝えられなかっただろうな。涙がどんどん出てくる。


「何だそんなことか――って、ええ⁉」

「うるさい……ああ、ルイに言ったんじゃないから無理に泣くのやめなくていいんだよ。こっちおいで」


 そう言われたので、オレは椅子から立ってザビンのとこまで行く。


「可愛いとは思ってたけど、まさか女の子」

「ルイ君女の子? 女の子⁉」

「なるほど、確かにそれは大問題だなぁ」

「一番取れるし、良い子なのになぁ……」

「女の子をわんこ扱いしてたって知られたら母ちゃんに怒られるけど、ルイ君圧倒的にわんこなんだよなぁ……」

「みんなの弟のルイが女の子? となるとみんなの妹ってなるのか?」

「ルイは犬でもないし、弟でもないし、そもそもお前らのではないだろ。強いて言えば、ぼ、ボクのだろう」

「ニールのでもねぇよ!」

「ちなみに犬扱い始まったのはお前が元凶だからな」

「げ、元凶ってボクは犬扱いなんて」

「はん、どこの口が言うんだか」


 内容は入り混じってよく分かんねぇけど、みんなオレが女って知って、パニックに陥っちゃったってのは分かる。弟がバレないようにって言ってたのは、女だと役人育成学校に通えないっていうのもあるだろうけど、こういうことにならないようにってのもあるんだろうな。オレはあんま性別とか言われなきゃ意識しないけど、他のみんなにとってはすっげぇショックみたいで、みんな、オレの所為で困ってる。


「ぅぅ、ごめんなさい」


 どうすればいいのか分かんなくて、そんななかで謝罪が口から漏れ出る。


「大丈夫だよ、ルイ。何があっても僕が守ってあげるから」

「ザビン、オレの兄ちゃんなの?」

「お兄さんは嫌かな」


 ふわりと抱きしめられてから慰められて、ほっとしてそんなことを言えば、笑顔で拒否されてショックを受ける。


「ぅぅ、やっぱオレみたいな奴邪魔だもんな」

「いつもの呆れるほどの前向き姿勢はどこに置いてったの? 別に邪魔じゃないよ。そうだ、妹じゃないけど、僕の家族になればみんなはいないけど、僕はいるし、君が望むなら本とか買って勉強させてあげるよ」

「妹じゃないとなると、オレはザビンの姉ちゃんになるの? 確かにオレの方が誕生日早いもんな」


 オレは夏生まれで、ザビンは冬生まれだもんな。順番的にオレの方が姉ちゃんだった。でも、ザビンって兄ちゃんって感じなんだもん。


「それでもないかな。まぁ、これはもう少し僕らが大人になったらなんだけどね。僕と――」

「別にザビンの家である必要ないだろ。ボクの家の使用人とかどうだ?」


 ザビンはオレを離すと、結構真剣な顔をする。灰色の瞳に黒髪に、眼鏡の彼がそう言った顔をするとすっごく決まるなぁなんて思ってたら、ニールがなんか言ってきた。


「ニール! 内容はともかくタイミングは最高だ! 危うくルイ君が毒牙にかかるとこだ「毒牙ってなんのこと?」ひゃっ」

「よく分からんが、内容も最高だろ! ボクの家の使用人ならおやつも出るぞ、ルイ、この前のフルーツパン気に入ってたしな!」

「うん、美味しかった! でもね……」


 ザビンが今なにか言おうとしてたからそっち先に聞くって言おうと思ったけど、ザビンがタイミング最高って言ってた人のこと見てるから、もう別に用はないみたいだからいいや。


「いやそれより、おれの実家のパン屋を手伝うってのはどうだ? 一つ下のおれの妹とも仲良くできると思うんだ。それが嫌ならおれの村の村長のじいさんが一人で寂しがってたからルイが来れば喜ぶし、可愛がって貰えると思うぞ。あと、ニールみたいに意地悪な提案でも、ザビンみたいに腹黒い提案でもない。あとそっちは危険だからこっちに来なさい」

「? 二人とも優しいよ?」


 床が腐っているのでも発見したのかなと、言われた通りに自分のいたところから離れ、呼ばれたところに行く。あとついでに「意地悪」と「腹黒い」ってのがニールやザビンと繋がらないのでそう言っとく。


「ぼくの故郷も人手が無くて困っているし、どうだ? 年中雪が降って楽しいぞ、実家の犬達もルイ君がいれば妹が出来たと喜ぶ!」

「あんな僻地に行って、ルイ君凍え死んだらどうすんだって! それより俺の親父が営んでる宿屋はどうだ? 暖かいし、海があるし、観光客もたくさん来るぞ」

「誰の故郷が僻地だって? というか、観光客がたくさんってルイ君が飴玉でつられて誘拐されたらどうすんだよ!」

「いや、それより――」


 なんか、みんな次々とオレがここに居られなくなった時に、どうするか提案していってくれる。みんな、優しいな。だけど、その点についてはオレ大丈夫だから安心して欲しいな。


「みんな心配してくれて、ありがとう。でも、弟がいる宿屋があるから大丈夫」

「「「ゑ?」」」


 みんな変な声出してどうしたんだろ。あ、そういえばオレら入れ替わってるから、今まで弟じゃなくて妹って言ってたんだ。


「オレら入れ替わってるから、兄弟は妹じゃなくて弟ね。めっちゃ美人さんなんだ!」


 ここに来てから会ってないけど、弟のことだからますます綺麗になってるだろう。

 あっ、そうだ。さっきの誘拐犯で思いついたんだけど、わざと誘拐されて誘拐犯のルートで兄貴のこと探してもらうっていうのはどうかなって提案してみよっかな。オレ、ここ卒業できないから役人になれないから他の兄貴に出会う方法必要だし。


「だから、みんなにはもう会えなくなっちゃうかもしれないけど。元気でね」

 とっても残念だけど、性別バレたらいられないよって弟が言ってたからそうなんだろう。みんなも混乱しちゃったしね。


「ルイ、何処の宿屋か教えてくれない?」


 ザビンがこっちに歩み寄ってから、オレと視線を合わせる為に少し中腰になる。ザビンはオレより遅く生まれた筈なのに、なんでこんなに背が高いんだろう? まぁでも、オレってば小さいから同学年のみんなおっきく見えるけどね。


「ザビンってば会いに来てくれるの? えっとね確かね――」

「宿屋なんかよりボクの家の方が待遇良いぞ。弟と一緒に来ればいい」

「ありがとう、ニール。でも、宿屋のおじさんには恩返ししたいからいいや」

「なっ」

「そっかそっか、ルイ君は良い子だな~。おれらがお客さんになれば繁盛するな!」


 腕を引っ張られて引き寄せられてから、頭を撫でられる。ぐしゃぐしゃと髪をかき混ぜられるこの感覚は兄貴にやられた時と同じでなんだか嬉しい。


「そうだね! みんなにも会えるし!」

「行く」

「絶対に行く」

「今年の休み、実家に帰らずそっち行く」

「ルイ君の弟にも会ってみたいなー! ちっこいの二人で癒されそう」


 みんなオレがここにいられなくなっても、オレに会いに来てくれるといってくれるもんだから、嬉しくて心はあったかいし、ほおが緩む。


 そんなやり取りをわいわいやっていると、ふと人ごみの中の誰かがこんなことを言う。


「………………思ったんだけどさ。そんなみんなルイ君と会いたくて、ルイ君も勉強したくて、みんなと一緒に居たいならさ、おれらがルイ君の性別について黙って、このまま学校にルイ君が通えばいい話じゃね?」

「「「それだ‼」」」


 ***


『姉さんへ

 この前のお手紙見てぼくは数日間寝込みました。

 性別がバレたってだけでももう頭痛いのに、姉さんがわざわざ丁寧に書いて下さった、バレてから、そのままそこに残ることになった流れを見たらカオスすぎるその内容に脳が破壊されるかと思いました。姉さんが追伸で書いて下さった誘拐についての話がトドメです。絶対、あれは却下ですからね。

 バレた理由についてはそのような体の機能があることを知らなかったぼくの落ち度です。申し訳ありません。姉さんが女性について知っている訳ないのにも関わらず、ぼくが積極的に調べなかったのがいけなかった。

 昔から神様はぼくと姉さんの能力配分を酔っ払いながらしたに違いないと思っていましたが、酔っ払いどころじゃなくて神様は薬をキメていらしたに違いありません。でもまぁ、そのキメた結果、姉さんが幸せで尚且つ無事なら、ぼくは耐えて見せますよ。姉さんが元気でいることが一番です。

 ですが、くれぐれも注意を怠らないで下さい。言っても無駄であるとは分かっていますが、それでも注意して下さい。


 追伸

 襲われそうになったら、容赦なく急所を攻撃すること!          』



 弟からの手紙を見て、オレは「うーん」と唸る。

 本文を読んで色々と心配かけたなぁと思うものの、オレが唸っているのはそれが理由じゃない。追伸の文章だ。ここって街中だから熊とか狼とか出るとは思えないから、盗賊とかここら辺に出た噂でも聞いたんかなって思ったけど、最近そんな噂聞いてない。


「おー、ルイ君ってばどうしたんだよ、珍しく考え込んでる顔してよっ」

「弟の手紙の返信の追伸によく分かんないことが書いてあって、前半は寝込んだって書いてあるけどさ」


 要約しすぎだけど、でも実際そんな感じだもの。弟は心配性だから手紙の度にオレのことで悩んでたり、考え込んでたりするのが良く伝わる。そんだけ家族思いの優しい弟なのだ。


「あー、あの手紙か。どうやって説明すればいいか分かんないって相談されて、ニールがやり取り全部書けばいいだろって冗談交じりに言って、ガチでお前が事細かく書いた、あの文字がびっしり詰まった手紙。記憶力すごくてびっくりしたわ」

「昔から暗記は得意なんだ!」

「すごいな~、ルイ君は。飴玉いるか?」

「いるっ! ありがとう。でねでね、追伸で『襲われそうになったら、容赦なく急所を攻撃すること!』ってあって、ここら辺、獣とか熊とか盗賊とか出るかなって」


 そんなことを言った後、貰った飴玉を口に含んで、がりがりと噛み砕いて食べる。弟の前でこの食べ方すると「勿体ない」って言われちゃうんだよな。楽しいのに。


「あー……襲われそうになったらね。うーんと、それは」

「盗賊の事ならお前、普段からしつこいくらい聞いてきてここら辺は警備隊が凄いから近寄らないぞとよくボクがいってるじゃないか」

「ニール!」


 頭の上に何か乗せられて、落ちる前に両手で掴んで見てみればサンドイッチだった。最近はパンを投げるんじゃなくて、ボール投げてその後にパンくれる感じになった。ボールの方が投げやすいんだってさ。


「珍しく外にいないかと思えば、教室で手紙読んでたのか」


 椅子を引っ張て来てニールが真ん前に座る。


「サンドイッチありがとう! うん、弟からこの前の返信」

「いつもの所にいないから、いらないのかと思ったぞ」


 青色の瞳でじっと見られる。綺麗だな、昔兄貴が見せてくれた盗品の宝石よりも綺麗だ。


「いるいる! ニールってばわざわざ探してくれて優しいね!」

「別に探してなんかないぞ。偶然見つけただけだ。食べなくてそれ以上お前が小さくなったら見つけられなくなるからな」

「視認できなくなるまで、人間は縮まないと思うよ? じゃあ盗賊は出ないのは分かったけど、熊とか獣は出る?」


 あのことがあってから、人の体についての本をザビンから借りて読み漁ったから自信ある。


「あんま来ないと思うぞ。お前の弟にどちらも来ないから安心しとけと書いとけばいい」

「そっかぁ、じゃあそうする」

「それはますます危機感の無さを実感して心配するやつ……あー、ちょっとルイ君、まってて」


 ニールと話していると、いつも飴玉くれる同級生がそう言い出す。


「よく分かんないけど、いいよ!」

「よし、あいつはいないな……」


 何故か、周りを確認してからノートを取り出して何か書き始めた彼に、オレとニールは首を傾げる。

 でもお腹空いたので貰ったサンドイッチを食べることにすぐ切り替えた。


「このサンドイッチ美味しい!」

「そうなのか」

「食べれば分かると思うよ」


 そう自分の持っていたサンドイッチをニールの前に差し出せば、彼の頬がカッと赤く染まる。


「た、食べかけを渡すんじゃない! 行儀悪いぞ!」


 お、怒られた。


「え、あう、ごめん。弟や兄貴によくやってたし、ザビンにもこの前やったけどなんも言われなかったから、駄目だって知らなかった」


 何ならザビンは「ここのも頂戴」って頬っぺたについたソースまで舐めて持ってたしな。「猫みたいだ」って言ったら「……君専用の猫だよ。ニャー」て笑ってた。ザビンが猫だったらシュッとした黒猫だろな。


「なっ、あいつはお前の非常識を面白がってわざと放置することがあるから気をつけろ! 家族には……もうそろそろ止めた方がいいな」

「う、うん分かった。これから気を付ける」

 

 弟にもやっちゃいけないのか……。兄貴はあの時、弟と放り出されてから会ってないし、これからも会えるか分かんないからそういうの気にする機会が無いだろうな……兄貴、どうしてんだろう? 会いたいなぁ。


「これ、弟君への手紙に同封しといてくれる?」


 差し出された、切り離されたノートには『基本的に皆、保護を意識している。蛇はいるが割と慎重、対象が無垢なので懐柔が心配だがその前に周囲が気づく。狼も一匹いるが無自覚で奥手。万が一、害をなそうとする輩が出ようと、蛇と狼が攻撃するので問題なし』と書かれている。


 なんだこれ? 

 でもこれはお願い事だし、もしかして弟と彼の間では伝わることなのかもしれないので、頷いて同封することにした。



 ***


 ――数年後、


 色々あったけど、オレは無事、この学校にいられたし、無事に役人になれそうだ。さっき、先生に配属先のことについて「お前の出来ならもっといい所にも行けるぞ」って散々言われたけど、オレはこの配属先は自分も希望していたところで惰性で引き受けたわけじゃないから良いんだって必死に説明したら、渋々「それならいい」って話が終わった。


 他のみんなもそろそろ行き先決めるんだろうなって感じ。オレは結構早めに目当ての場所の人が学園視察の時に誘ってくれたから楽に済んだんだ。


「「ルイ!」」

「ん?」


 声を掛けられたので、振り向けばニールとザビンがいた。二人とも走ってきたのか肩で息をしている。廊下は走っちゃ駄目って言われるけど、オレ含めみんな割と守らないよね。


「どうしたの二人とも?」


 割と二人とも大きな声だったから、めっちゃみんなの視線集まってるなーと呑気に思う。


「お前、帝都からもいくつか誘い来てたけど、どれ引き受けるんだ? ボクは西側の方だが」

「僕は君のことだからお堅い所より商業地帯とかを選ぶかと思って東側にするつもりなんだけど、君がどこにするのか確認したくてね」


 ……なんで二人ともオレが帝都配属を引き受けたって勘違いしたんだろう?


「確かに帝都からもいくつか誘いが来たけど、オレ、帝都じゃないとこ引き受けたよ?」


 そう告げれば、二人の目が落っこちちゃうんじゃないかって程、見開かれる。まわりのみんなもざわっとした。


「ちょ、ちょちょ何やってんのルイ? 帝都が一番待遇が良いんだよ!」


 珍しくザビンが荒っぽい手つきでオレの肩を掴んでがくがくと揺さぶってくる。


「そうだぞ! 学年トップが帝都以外に就職なんて前代未聞だぞ!」


 ニールの言葉で、成る程だから二人とも興奮しているのかと納得する。視界の端で他のみんなも口をポカンと開けていることから相当おかしなことをしたんだと更に実感する。


「オレ、生活に困らなければいいから役人になれた時点でそういう待遇は満足だもの」


 役人になれば飢えも凍えもしないですむもんね。弟や兄貴だって養おうと思えば養える。


「で、でも帝都の方が知り合いに会える可能性が高いぞ」

「あー、それは確かにそうだね。なんか今の感じだとニールもザビンも帝都にする感じみたいだし」


 確かにそう考えると帝都っていい配属先だ! でも、それを知ってもオレは今のとこにすんだろうな。


「今からでも変えることは不可能じゃないと思うよ」

「大丈夫だよザビン、オレ変えないから!」


 そう言い切れば、二人そろって崩れ落ちた。どうしたんだろ?


 

 夕食の後、談話室にてオレは同学年のみんなに囲まれていた。いつも飴くれる彼が夕食後に話そうなって言ってたから来たんだけど、みんないるんだけど何事?


「で、ルイ配属先はどこにしたの?」


 飴玉を渡されながらそう聞かれたので地名を答える。


「帝都から遠っ!」

「ここからも遠いじゃん」

「田舎じゃん! めっちゃ田舎じゃん!」

「でも最近あそこ領主の改革が凄くて、軌道にのってるらしいぞ」

「なるほど、ルイ君は発展していくことが見たいのか!」

「俺初めて自分の成績の悪さに感謝した。僻地だけど、ルイ君に会いやすい! 癒し補給できる!」

「ふざけんなっ! 罰としてお前は会うたびに様子をみんなに手紙で報告しろ!」

「がってんしょうち!」

「そういえばあそこの領主若くてイケメンで独身って有名じゃなかったっけ?」

「ルイ君が捕まる⁉」

「んな訳ねぇだろ馬鹿。ルイはその手の方向は神回避し続けてるから、大丈夫だろ」

「今回避できてるからっていつまでも続くとは限んねぇだろ馬鹿野郎!」


 わーお、みんなオレの配属先でなんか騒いでる。でも、なんか近い人もいたみたいで嬉しいな。あ、飴玉葡萄味だ!


「どうしてそこにしたの」


 ザビンがそう聞いてきた。なんか今のザビンの言葉って質問って感じより、謎の圧を感じるんだけど、どうしたんだろ?


「兄貴の故郷なの」

「兄貴の故郷ってことはお前の故郷じゃないのか? 生まれた場所が違うのか?」

「そりゃ違うよ。兄貴とは血が繋がってないし」

「………………え? 血、繋がってないって、その養子とかでどっちかが家族になったの?」


 ザビンのたどたどしい質問の仕方で、そう言えばオレあんま兄貴に関して話したこと無かったなーと思い出す。そりゃあ、みんなびっくりするか。


「ううん、兄貴は孤児で死にそうだったオレらを助けてくれた盗賊の兄ちゃん。盗賊で強面だけどめっちゃ優しい人なの」


 そんでもってオレが知っている中で、一番盗賊に向いてない人。お人好しで優しい人だから幼馴染が放っておけないって言う理由で盗賊をやって、でも罪悪感でよく盗みが終わった後に泣き崩れているような繊細な人。


「え? じゃ、その、ルイ君は元盗賊なの?」

「よく分かんない。弟と一緒に料理とか、計算とかそういう仕事はしてたけど、盗み自体はやらされる前に兄貴が追い出してくれたから」


 当時のオレは「お前らはもういらない」なんて言われて追い出されてショックで泣き喚いていたけど、弟は人の機微に敏感だから兄貴がオレらを悪い道に引き込まないように、治安の良い街でおいていってくれたんだとちゃんと理解して説明してくれた。兄貴はきっとオレらの悪者になってでも自分のことを忘れて幸せになってくれと願ってくれたんだろう。

 でも、オレは嫁に行ったりして兄貴と離れりしたくないから顔傷つけて兄貴と一緒だって笑うくらい、弟と同じくらい家族だって、大好きだって思ってるから、また会いたいんだ。


「こ、孤児って、引き取ってくれる人とかいなかったのか? お前、勉強できるし」

「オレも弟も教会にいたっちゃあいたけど、あんま良くない所で逃げ出したら死にかけて拾われた。勉強は、盗品の本を兄貴が見せてくれたのがきっかけで始めたからなー」

「なるほどね。で、どうしてその人の故郷を選んだの?」

「この国ってさ、犯罪者って捕まったら戸籍の所属するところに収容されるでしょ。だから、兄貴が捕まった時に兄貴の故郷の役所で働けば会えるなって」

「犯罪者にあってどうすんだ?」

「会ってね。『ありがとう』って言うの。兄貴は悪いことをしてきたけど、オレや弟みたいに幸せにして貰った人もいるんだよって。そんで刑期が終わったら一緒に暮らすんだ」


 オレと弟と兄貴で暮らすんだ。贅沢じゃなくていいんだ。飢えず凍えず盗まずで大切な人と暮らしていければ幸せだもの。


「一緒に暮らすって、おまっ、そのっ、兄貴って奴がその、好きなのか……?」


 ニールがそう恐る恐る聞いてくる。相変わらずニールの髪はキラキラしてて目立つなぁ。


「うん、大好きだよ」


 だって家族だもの。


「そっか、ルイ君会えるといいな」

 そう飴をくれる彼が、オレの口に棒付きキャンディーを突っ込んで頭を撫でてくる。


「頑張れよ、ルイ君。手紙送るからな」

「働いてて情報入ったら報告すっからな」

「元気でやれよ」

「ニール、ザビン、元気出せよ」

「はは、ここで引くのは間違いだよ。まだ明言されてない」

「ザビン、往生際悪いぞー。ニールの潔さを見習え」


 みんなオレを応援してくれる。優しいなぁ。ザビンとニールが落ち込んでいるのはオレが帝都から遠い場所だからなかなか会えないからかな? 確かに残念だけど、手紙たくさん送るよって言っとくか。


「ね、ルイ、君はどういう意味でその兄貴のことが好きなの?」

「どういう意味って? 好きに種類があるの?」


 ザビンが眼鏡を掛け直しながらそんなことを聞いてくるもんだから、棒付きのキャンディーを口から取り出して、そう聞き返す。棒付きキャンディーって噛み砕くと食べられない棒があるから、これに関しては舐めて食べるんだよな。


「………………恋愛小説って読んだことある?」

「ない! 読もうとしたことあるけど、兄貴に止められた」


 オレ、本って歴史とか生物とか法律とか数式とかそういう関係のは読んだことあるけど、物語ってのはミステリーしか読んだことないんだよな。あ、ファンタジーは読んだことあるか。でも、恋愛小説は一度もない。


「君の兄貴って最高だと思うよ」

「だろ! 血は繋がってないけど、自慢の兄ちゃんなの!」


 大好きな友人に大好きな家族のこと褒めて貰えて嬉しいな。


「しゃっ!」

「? なんでガッツポーズ?」


 オレならともかくザビンがしてるし、今日はなんかザビンがあんまらしくないことばっかりするなぁ。


 ***


「んな感じでね、オレ、女だとバレたけど特に問題なかったよ!」

「色々と問題点しかなかったけど、姉さんが無事で気づいてないなら問題ないでいいや」


 学校入ってから遠くて全然会ってなかった弟に、手紙だけでは分からないから話すように言われたから、オレが女だってバレてもこんなにみんなよくしてくれたし、上手くいったんだよって話を何日もかけてした。顔がそっくりな弟は呻きながらもそれを聞いて、最後にそうため息を吐いた後に笑った。


「っち、蛇め。深追いしてくれやがって。気付かず沈めばいいものを」

「どうしたの? そんな怖い顔して何かぶつぶつ言って」

「何でもないよ姉さん。あ、そのパン美味しそうだね頂戴」

「買ってくる!」


 そう財布を引っ掴んで外のパン屋に行こうとすれば腕を掴まれる。


「いや、勿体ないからそれくれればいいよ」

「ニールが食いかけ渡すのは行儀悪いって。ザビンにやって平気だから大丈夫だと思ったんだけど、常識外で家族でも止めた方がいいって」

「狼ぃっ! 坊ちゃん思考を押し付けるなと言いたいが、蛇から守ったのは褒めてやるっ」

「どうしたの情緒不安定だね」

「ううん、何でもないよ姉さん」


 何でもないよって弟が言うならいいや。にっこりと笑う弟は綺麗だなぁ。


「そっか、でルイはさ本当についてくんの?」

「ぼくはもう姉さんの安否で心臓バクバクの日々は嫌だ」


 そっか。一緒に暮らせるのはオレとしては嬉しいし、宿屋のおじさんも「もう充分、ルイ君には助けられたよ」って言ってたからオレについてくんのもいいとは思うけどさ、一つ問題があるんだよね。


「でもさ、オレはルイとして生活してるからさ。ルイがいるとあれ? ルイが2人いるってなっちゃうよ?」

「あ。いやでもぼくが女装すれば」


 となるとルイはオレとして暮らす訳か。


「ザビンに貸してもらった人体の本で、男女には体の違いがあってそれは大人になると分かりやすくなるんだってさ。んで、男の子の特徴、もうルイには結構あるからルイにはもう誤魔化すの無理だよ」

「ねぇ、その発言ブーメランってこと姉さん気づいてる?」


 茶色の目でじっと見られる。そん中にルイと同じ顔だけで右ほおに傷があるオレの顔が映っている。


「オレは大丈夫だよ。今回で分かったんだけど、馴染んだ後にバレれば何とかなるんだって」

「謎の自信がついてしまってる⁉ クソイレギュラーなパターンだってこと気づいて姉さん。でも姉さんならなんとかなりそうな気がするのが怖いよ」

「じゃあなんとかなるよ」


 学校に入るときも弟が何とかなる気がするって言ってて何とかなったし。


「ならない場合はどうするの姉さん」

「なってから考える。大丈夫だよ、その内兄貴も見つかって3人で暮らせるから!」

「どこから来るのその自信⁉ やっぱ神の野郎、薬キメてハイになってやがっただろ!」


 弟はよく周りに大人しいとか、落ち着いているとか、穏やかとか言われるけど、そんなことないんだよな。めっちゃ、動揺するし、元気な子だよ。あ、机思いっきり叩いて突っ伏した。


 ***


 数年後には女とバレたけど問題なく働き続けられたし、兄貴にも会えたし、学校のみんなもなんか集まってオレに会いに来てくれた。職場の仲間も家族も学友も揃って集まった時、オレは大好きな人たちが集まっているって喜んでたけど弟には「姉さん、ここは戦場だから」と真剣な顔で言われた。戦時中でもないのに変なの。


ルイ(ルウ)

 勉強は出来るけど、究極のバカ。純粋。精神年齢が低い。かなりの幸運の持ち主。アホの子。

 孤児で盗賊に拾われたことがあるけれど、悪いことさせられる前に兄貴が追い出してくれた。それから親切な宿屋のおじさんのとこで世話になって、その後首席で授業料免除で役人の学校に入学。

 女性と関わる機会が極端に少ない上、周りが過保護なせいであんなことになった。

 男でないといけないから女ってばれないようにしているけれど、そもそも性別に対しての認識が希薄なので、元から割とあんな感じ。恋とか全く分からん。右ほおに傷がある。


ザビン

 医者の息子。視力が悪い。優秀な役人になって、国の中枢に入り込んで国を動かすのが夢だった。腹黒い。

 割と早い時点で既にルイが女ではないかと疑い始めていた。

 就職先を同じにしないかと誘おうとしたが、残念。でも、諦めてないのでニールと手を組む。


ニール

 父が高官で、実家が金持ち。また、本人も成績がいいので、割と調子にのりがちだし、実際力もある。

 ルイのことは最初は気に食わねぇから、虐めてやろうとしていたが、ルイがくじけるどころかむしろ大喜びだったので、混乱のちに馬鹿らしくなってやめた。

 就職先を同じにしないかと誘おうとしたが撃沈。それでも諦めない。もっとルイの興味を惹けるものがないか捜索中。


他の同学年

 ルイを兄弟的な意味だったり、犬的な意味だったり、で気に入っている。女としては見ていない。女の子と知っても「あれはルイという生き物」として認識している。

 嬉しそうなのはいいが、地方であのルイ君が一人でやっていけるかかなり心配している。

 なので、ザビンとニールが何かし出すようなら、それに乗じるつもり。


 シスコン。双子の弟。勉強は出来ないが、人の機微を察することや生活能力は高い。手紙を開けるのが怖い。


兄貴

 優しい盗賊のお兄さん。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 神様薬キメてたというパワーワード。 …うん、確かにこれは薬キメてるわ…神様自重しろ(´・ω・`) 最終的に、そういう生き物として愛されてる犬系アホの子が幸せそうで何より。
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