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狂った女神が歌う世界で、僕は魔女に恋をした。  作者: 絶華 望(たちばな のぞむ)
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登頂者の街バビロン

 守護者の塔は遠くから見ても頂上が見えない不思議な白い塔だった。直径1キロメートルの純白の円筒は汚れ一つなかった。だが、その塔を清掃している者は居ない。太古から神の魔法によって、その姿を保っているという。

 守護者の塔を囲むようにして出来上がった街バビロン。その街は古代から存在していたという。塔を登るものをサポートするための街だった。

 武器屋、防具屋、スキル屋、魔法屋、道具屋、宿屋、教会、訓練場、酒場、冒険者ギルドがあった。冒険者ギルド以外は、多種多様な店があった。ある武器屋では剣を専門に扱っていたり、弓だけの専門店もあったり、逆に色んな種類の武器を幅広く扱っている店もあった。

 道行く人々も多人種だった。人間、森人エルフ鉱人ドワーフ、竜人、猫人ねこびと犬人いぬびと虎人とらびと兎人うさぎびとと様々な人種が集まっていた。

 僕は一通り店を見て回ったが、自分の手持ちの武具とスキルでチャレンジするつもりだった。塔を攻略出来なかったら再度考えればいい。

 塔への入場制限はなく、冒険者ギルドに登録すれば誰でも何度でも挑戦できるのだった。そして、守護者の塔の最大の特徴が、塔の内部で死んでも生き返れるというものだった。

 だから、とりあえず挑戦して、失敗したら対策を考えれば良いと思っていた。決して無一文になったから何も買えないという情けない理由からではない。トーナメントに勝った後で、今までの賞金は没収すると言われた。

 僕の雇い主からの連絡だった。僕が奴隷から解放される為の金額は1千万ゴールドだった。だが、1年間で稼げたのは五百万ゴールドだった。僕は、そのお金が僕のものになると思っていたが、そうはならなかった。

 守護者の塔への挑戦者、選抜トーナメントのお陰で奴隷からは解放されるが、今まで稼いだ賞金は雇い主の取り分とされた。手に入れたスキルや武具は保護されたが、スキルを売らなければ無一文だった。

 そして、スキルは売りたくなかった。苦労して手に入れたもの、師匠からもらったもの、それぞれ売りたくない程に優秀なスキルたちだった。このスキルがあったから僕は、闘技場で勝利を重ねてこれたのだ。

 という訳で、無一文ながら塔の中で何が待ち構えているのかを知りたかったので、塔の前まで来てみた。

 塔の入り口は挑戦者で溢れかえっていた。みな順番に塔に入っていく、塔の横には大きな石碑があり、そこには一階から百階までの情報が表示されていた。


   1階から 10階 人ノ宮ひとのみや

  11階から 20階 獣ノ宮けもののみや

  21階から 30階 火ノ宮ひのみや

  31階から 40階 水ノ宮みずのみや

  41階から 50階 土ノ宮つちのみや

  51階から 60階 風ノ宮かぜのみや

  61階から 70階 闇ノ宮やみのみや

  71階から 80階 光ノ宮ひかりのみや

  81階から 90階 竜ノ宮りゅうのみや

  91階から 99階 天ノ宮てんのみや

 100階       神ノ間かみのま


 人ノ宮のその文字の横には『人としての限界を超えよ!』と書かれていた。そして、1階の情報には「光刺す天使達に勝て」と書かれていた。意味は理解できなかったが、光という言葉から、光属性の耐性は持っていたほうが良いなと思った。

 塔を見た後で、僕は冒険者ギルドに向かった。


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