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狂った女神が歌う世界で、僕は魔女に恋をした。  作者: 絶華 望(たちばな のぞむ)
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狂った女神

 この世の者とは思えない美しい女性が居た。金髪碧眼の端整な顔立ちの豊満な肉付きの美女は女神だった。ただし、『狂った女神』だ。彼女はずっと歌っていた。

「滅べ滅べ人の子よ。殺し合いを愛するものよ。私の願いを聞かぬ者よ。私に矛盾を願う者よ。等しく苦しみ死んで逝け」

 彼女はケタケタと笑いながら嬉しそうに歌っていた。その歌声で、天変地異が起こっていた。竜巻、地震、噴火、干ばつ、蝗害、疫病と人類を滅亡させるために、あらゆる災害が発生していた。

 その中でも最悪なものが空から落ちてきていた。それは巨大な隕石だった。一年前は小さな黒い点だった。それはゆっくりと大きくなり、今では空を覆うほど巨大な隕石だった。

 それが落ちた時、世界は滅亡する。だから、彼女を殺すべく四人の冒険者が、守護者の塔の最上階、神の間で『狂った女神』と対峙していた。

「アラン。魔法の詠唱が終わるまで時間を稼いで」

 黒目黒髪長髪の美少女、魔女ミリア・クリシェラルが言った。そして、詠唱を開始する。発動しようとしているのは闇魔法の『ブラックホール』だった。『ブラックホール』は強制的に生命力を十分の一に減らす上に、即死耐性が無い敵に対して五十パーセントの確率で即死を与える魔法だった。

「分かった」

 黒装束、黒目黒髪の忍者アラン・シェードが答えた。『狂った女神』が魔法の詠唱を始めていた。『厄災』と呼ばれる闇魔法だった。『厄災』は全ての状態異常付与と、闇属性の固定ダメージを与える魔法だった。受ければ四人は窮地に陥る最悪の魔法だった。

 アランは自身の武器『闇の刀』で居合切りを放ち狂った女神を攻撃した。スキル『詠唱中断』の効果で狂った女神の詠唱は中断された。

「さすがね」

 ミリアが、アランを褒めた。

「カイン、二人を守ってくれ」

 アランはカインに要請した。

「任せておけ、俺は二人を守る」

 純白の鎧に身を包んだ金髪碧眼のイケメン、聖騎士カイン・ジャスティスがアランの要請に応え、必殺技『完全守護者』を発動した。『完全守護者』は全体攻撃を含むあらゆる攻撃を肩代わりする必殺技だった。

「じゃあ、私も攻撃魔法を使うわ」

 カインが完全守護者を発動したのを受けて、金髪碧眼の美少女、聖女マリア・クリシェラルが光魔法の『スーパーノヴァ』の詠唱を開始した。『スーパーノヴァ』は、盲目の状態異常と大ダメージを与える魔法だった。

 詠唱を中断された女神は、マリア・クリシェラルに素手で直接攻撃をしたが、カインが立ちはだかり、攻撃を受け止める。

 狂った女神の攻撃は、盾と鎧に阻まれカインにダメージを与える事は出来なかった。

 アランが狂った女神に、直接攻撃を仕掛けた。『闇の刀』はあらゆる状態異常を付与する刀だが、狂った女神には状態異常が効かなかった。だが、攻撃のダメージは通った。

 しかし、瞬時に狂った女神の生命力が回復する。狂った女神を倒すには圧倒的火力が必要だった。ゆえに、ミリアとマリアの魔法に合わせて、カインとアランが攻撃を畳みかける必要があった。

 それは、四人全員が認識していた。だから、ミリアの『ブラックホール』が発動してからが勝負だった。

 狂った女神は笑いながら、攻撃してきた。狙いはアランだった。アランは、狂った女神の拳撃を躱し、反撃で『闇の刀』を一閃した。狂った女神はその攻撃を躱した。

 ケタケタと笑う狂った女神に、ミリアの『ブラックホール』が発動した。


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