表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/56

7. 沼津

 23時43分、沼津駅に到着。やっと、着いた・・・。

 足、いってぇ・・・。肩、めっちゃ凝った・・・。腹、減った・・・。


 久々に大きな駅に来た。ここなら、コンビニもあるだろう。遅くなった晩飯と、宿が素泊まりでしか取れなかったので朝食も買わねば。ホテルの場所は電車の中で確認しておいた。南口から出て、最初の信号を左!

 一緒に電車を降りた人もこんなにたくさん・・・! これなら、職務質問されることはあっても通報されることはないだろう。ぶっちゃけ、大磯・早川・根府川では、通り魔や野犬に襲われることよりも通報されることの方が怖かった。


 沼津駅・南口に到着。正面になんかホイールのオブジェ的なのがあって、えっと、コンビニは・・・? ほぼ真右の方にあった。よかった・・・! あなたは、私のコンビどころじゃない。救世主だ。



 買い物を済ませ、ホテルへと向かう。さっきのホイール的なやつの近くも通ったのだが、”ホイール”はあながち間違っておらず、電車の車輪のオブジェだった。沼津機関区略史なる石碑がある。明治19年に、ここ沼津に機関庫が開設されたらしい。

 ホイールの隣には、母子(?)の真っ白な像。こちらも石碑に文字が刻まれており、原子力より大きい力があるとするなら、それは愛だという。愛。それは、どんなものにも負けない強大な力。もちろん私も、心に大いなる愛を持っている。自分しか愛せないけど。歪んでるんじゃないかって・・・? 自分を愛する心に、歪みなどないのです。



 さて、根府川の次が沼津になった訳だが、本心を言うと熱海に当選して欲しかった。乗換えなしで熱海を跨ごうとすると、電車が限られるからだ。だが、東京から沼津行きが出ている以上、熱海を下車必須とする訳にはいかない。

 結果、根府川の次は沼津となり、沼津行きを狙って乗ることになった。根府川からだと沼津行きが朝と夕方5時以降にしかないために沼津で宿を取ったのだが、辻堂にいる間に5時過ぎちゃったから意味なかったね。


 なお、沼津に割り当てられた23番を引いたのは4つ目のクジだったので、


 ・残り1枠になった時点で熱海~沼津間が当選していなければ、その枠は熱海~沼津間で抽選する


 の可能性は早々になくなった。

 このルールが付いた理由は、熱海の1つ手前、湯河原から乗っても沼津行きまでしかないためである。熱海から先では豊橋行きが登場する。熱海が始発駅となるため、青春18きっぷプレイヤーの中では熱海乗換えが主流になっているようだ。私は53回降りるという目的があるためそれには参加できないが、東京から京都までの移動だけを考えた時に各駅停車の旅をする勇気はない。



 前回降りた根府川は神奈川県だったが、ここで静岡県に突入。新幹線での素通りを除き、静岡に訪れたのはこれで2回目である。1回目は伊豆半島の下田だった。

 特急踊り子号で行ったのだが、この踊り子号が中々に曲者で、伊豆急行線が単線区間であるために結構な頻度で行き違い待ち停車をする。行き違い相手が各駅停車でも待っちゃう。でも誰にでも優しいのが踊り子。その優しさに免じて許しちゃう。

 私の地元を走る特急かもめ号もよく行き違い停車をするので、勝手ながら親近感を覚えた。踊り子さん、踊り子さん、お仲間ですね。今度一緒に踊りませんか?


 さて沼津駅から外に出るのだが、まずは宿へのチェックインだ。当選駅が出揃った時点で沼津への到着が日没後になるのは決まっていたので、宿は既に確保してある。駅近くのビジネスホテルだ。

 私は少し前までは旅行サイトを使っていたのだが、最近は反骨精神が芽生え公式サイトを使うようになりつつある。ただ気になるのは、「沼津 ホテル」で調べるとズラリと並ぶ旅行サイト・・・。やむなく旅行サイトをクリックし、並んでいる中から気になったところをネット検索して公式サイトに辿り着いている。ホテル名で調べても旅行サイトがトップに来るのは何なの・・・。これに共感いただける皆様、今度一緒に踊りませんか? 沼津で。


 気付かずに目的地を通り越して引き返すなんてことがありながらも、ホテルに到着。今となってはもう慣れたもので、ほとんど事務的に済ませてしまう。

 ビジネスホテルなるものを始めて使ったのは高3の秋、企業の採用試験を受けに来た時だ。ワタワタした態度で会社名出したり採用試験がどうとか言ったりしてたなぁ・・・。笑わずに親切に対応してくれたフロントさん、ありがとうございました。

 そして今日も、こんな時間でも対応してくれるフロントさん、本当にありがとうございます。



 部屋に着くなり、荷物を下ろし、コートも脱いで、メシを食う! 旨辛肉まん、想像以上にかっれえぇ。


 それにしても、相当に時間が掛かってしまった。この旅が終わったら地元の長崎に帰るつもりだが、年内はもう無理だな。1月2日か、3日に帰れればいいだろう。1月5日に長崎から羽田への飛行機を取ってあるが、最悪はそれさえもキャンセルして家族にも友人にもゴメン☆って言おう。


 少し休憩して、早川と、根府川の分を更新して、2時になってしまったが、寝よう。風呂はもう明日でいいや。目覚ましを8時半にセットして、横になる。体力を振り絞ったためか、目が冴えてなかなか寝付けなかった・・・。



 --------------------------------



 12月27日。起床。まだ8時過ぎで、目覚ましには勝った。

 昨日の疲れは多少残っているが、だいぶ回復した。テンション上げていきましょう! おはようにゃ~ん!!


 ・・・・・・。


 ・・・はい、自分でドン引きしました。もう「にゃ~ん」なんて言わない・・・てかここにこの黒歴史を残すのか・・・!? バックスペース3秒ぐらい押したい・・・でも押さない! じゃあ押せばいいじゃんと思ったみなさま、ここで押さないのが私です。


 10時ギリギリまで休憩させていただいて、地図を求めて駅へと向かった。



 駅のロータリーで、「國旗を愛しましょう」と書かれた石碑を発見。もちろん、日の丸もある。こちらとしても愛したいんですけどね・・・。

 昨日の白の母子像といい、沼津は愛にこだわりがあるのか、「愛の生演奏」を意味するアニメとのコラボもやっているようだ。舞台が沼津なのだろうか。


 駅に着くと、地図どころか観光案内所があった。深海水族館も御用邸記念公園も気になるが、バスで15分か・・・。今回の旅において東海道線以外の乗り物に乗るつもりはないので、敬遠せざるを得ない。駅の南側で徒歩圏内にあるのは、公園だけのようだ。


 線路を越えて北口に行こうかと、2階に上がる。昨日は閉まってた商業施設は開いており、2階にも観光案内所があった。こちらは売店のようで、色々とグッズがあるのと、なぜか既に終わっているマラソン大会のポスターも置いてあった。「愛の生演奏」、押してきますねえ。そんなに広い売店ではないが、お客さんはそこそこいるようで何よりだった。


 奥に進むと、改札だった。あれ、線路越えれないの・・・? 1階に戻り、地図を見ると、南北間移動用の橋は有料と書いてあった。つまり、駅の入場料か。青春18きっぷあるけど、ここは公道で行きますか。「あまねガード」というらしい。


「あまねガード」で線路をくぐったところで、プラザヴェルデなるものを示す標識が出現。文化会館的なやつだろうか。この他は商業施設しかなさそうなので、プラザヴェルデに行ってみよう。


 その道中、駅の北口の前に沼津市全体の地図があった。逆「く」の字型をしており、駿河湾の北東部を独占している。駿河湾、おぉ、駿河湾。静岡県に来たって感じがしますね。



 プラザヴェルデは、展示場「キラメッセぬまづ」などがある交流施設のようだった。オリンピック関連の動画がBGMとなる中、案内図で観光情報コーナーとなっている場所に行ってみる。そこは台の上にコンサートのチラシが並んでいるだけだったが、周囲のテーブルでは若者たちがお勉強中。こういう場所も、必要だよね。


 展示場やホールには入れないようなので、5階の屋上庭園とやらへ。エレベーターを出たばかりの部屋がなんか暑いのと、ガラスの向こうでは庭園の中でダンスの練習をする2人組。


 外に出ると、沼津駅北側の街並みが見えたのと、もちろん庭園もある。道は2本あったので、ダンスの2人組がいない方をチョイス。で、庭園の方だが・・・誇大広告をする訳にはいかないのでハッキリ言うが、「頑張りましょう」の評価になってしまう。風で倒れた草や枯れたタンポポのようなものも放置されている。でも、ダンスの練習をするには良い場所だと思う。鏡はないけど。


 庭園を渡り終えると、東海道線の線路と、南側の街並み。椅子とテーブルがあり、ファミリーが休憩していた。駅のそばにはこういうのは無かったので、休憩するにも良い場所だと思う。


 このプラザヴェルデには1階に食堂と2階にカフェもあったが、食堂はまだ開いてないのと、昼食は次の駅にするつもりなので、申し訳ないと思いつつも撤収。そろそろ、東海道線に乗ろう。



 駅の連絡橋で、ICカードに関する注意書きがあった。JR東海管轄(函南から西)とJR東日本管轄(熱海から東)をまたいで使うことはできないらしい。さすがに定期は上手く通れるようになってるだろうけど、近隣住民のみなさん、不便してないのだろうか。


 電車が来た。さあ、西へ行こうか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ