40. 笠寺
22時47分、笠寺駅に到着。名古屋市南区。この周辺で、年越しを過ごすことになる。
ただ1つの改札に向かうと目に入って来たのは、碍子 (がいし)メーカーの名を冠したスポーツプラザの看板。左にあるらしい。
出口は二手に分かれているが、右の小さな方は東口、左は表示が見当たらないが・・・構内図によると西口だった。駅周辺の地図は見当たらないので、ホテルに行ってから調べよう。
外に出ても、この辺りにはスポーツプラザしかないのではないかという感じで暗かったが、ホテルのある方向は街の気配があった。
チェックイン後、「笠寺駅」で地図検索。周囲には、ちょっとした公園はあるものの、わざわざそこで年越しを過ごすかといったものが多かった。拡大や縮小を繰り返しながら地図を眺め、最終的に辿り着いた結論は・・・、
スポーツプラザの、ド真ん中の交差点。
このスポーツプラザは「田」の字の左上を除いた3区画に分かれており、十字路は公道のようなのでその中心に行くことができる。「名古屋南高校東」交差点だ。そこにしよう。地図を見ていると、このタイミングに笠寺にいるのだからスポーツプラザで年を越せと言われている気がしてきた。なので、それに従う。
ちなみに、プラザの公式ホームページによると、「田」の字の左上の区画が名古屋南高校のようだ。
時間潰しに、併設の温泉施設を覗いてみた。ゲームセンターや卓球場で遊ぶ人、フードコートで夜食にしている人、ソファーや床に座ってまったりと年越しの瞬間を待つ人などがいた。
時間が迫ってきたので、出発。ホテルを出て大通りにぶつかるまで東、その大通りを北、さらにコンビニの交差点で東へ。目的地の交差点に向かって行く車の姿もあり、確かに通れるようだ。
その道を歩いていると、思っていたよりも車が通る。プラザが完全に休業状態の中で、ここを通り道にしているのだろう。静かな年越しにはならなさそうだ。
23時49分、「名古屋南高校東」交差点に到着。あとは、ここでその時を待つだけだ。そこそこ車の通る交差点のド真ん中には行けないので、プラザ内の「ホール」のある方に渡り、階段に座って「アリーナ」のある対角側を見る。街灯があって交差点は明るいが、建物の方は照らされておらず、暗い。
結構なテンポで変わる信号機から鳴る鳥のさえずりの電子音を聞きながら、待ち続ける。たまに歩行者や自転車が通ると、いつも以上に通報される怖さを感じた。
そして・・・、
・・・・・・・・・。
2020年、1月1日、午前0時。
歩行者用信号の光が突然消え、車両用信号の方も、東西は黄色、南北は赤の点滅になった。今が特別なのか、毎日こうなのかは分からない。ちょうど今はこの交差点を通る車がない状態で、遠くを走る車の音だけが聞こえてくる。
さて、もうここにいる必要はない。帰ろう。
沈黙する歩行者用信号を渡り、ホテルに向かって歩いた。
新年を迎えた。また一歩、時代が進んだ気がした。去年は、元号が変わった。今年は、この国でオリンピックがある。もちろん、それだけではない。去年が色々あったように、今年も色々あるだろう。日本は、世界は、これからどうなっていくのだろうか。そんなことを考えながら、歩き続けた。
さよなら、2019年。おはよう、2020年。




