表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/56

30. 愛知御津

 15時12分、愛知御津駅に到着。「あいちみと」と読み、ここは豊川市。

 豊橋・名古屋間の移動は電車が豊富にあると思っていたのだが、各駅停車に絞ると30分に1本なので、ここでの滞在も1時間にしようと思う。時間が気になるという本音もあるが、足の疲れも無視できない。20分で行ける所まで行くという制限を設けよう。雨が上がっているのが幸いだ。


 久々にホームの案内板が登場し、徒歩20分で御津山遊園地なるものがあるらしい。1時間あれば往復はできそうだが、この案内板の精度は微妙(実体験です)なので、ネットでも調べてみよう。


 駅舎内の地図、屋外の地図を写真で撮り、地図サイトもオープン。確かに20分で行けそうな距離にはあるが、いかんせん最後は上り坂。そして車道だと山の裏手に回り込むルートになるので、まず20分では着かない。唯一屋外地図に載っていた、赤い点線で書いてある遊歩道を信じるしかない。



 まずは地図サイトの地図を頼りに山の麓まで行こう。これもタブレットの画面もカメラで撮った。特に困らないからといつまでもスマホに変えずガラケーを持ち続けているのだが、この旅、スマホがないと不便だったかも。


 最初は、線路沿いをひたすら左。しばらく進むと線路をまたぐ高架の車道が現れるのでそれをくぐり、その先にあるY差路を右前方へ。


 続いて橋を渡る。駅から御津山を最短ルートで目指すには、どうあってもこの橋に行き着く。川を越える道が近くにこれしかないためである。横を見ると、川に下りる階段や、下にも石ブロックが並んでいたりしたが、それで渡れるようにもなってないので、帰りもこの橋を渡らざるを得ない。


 もう山は目の前で後は上るだけだ。それにしても分かれ道が多い・・・。おそらくは、ちょっと先にあるY差路を右前方が車道ルートだと思われるが、これまで歩いて来た道のりと地図からして、山の裏手まで回ってほぼUターンで手前に戻るというのは、今から20分以上かかりそうだ。足ももちそうにない。


 ここで、遊歩道が示してある駅前の地図に交替。方角的には右にある長い階段だが、その先で民家が構えてるぞ・・・? 1つ先にあるY差路まで行ってみたが、それっぽいのはナシ。民宿の看板が多く、御津山を訪れる人が一定数いることが伺えるが、特に遊歩道を示す標識もない。山登りを目的に訪れる人たちは、敢えて遠回りに挑戦する人もいるだろうけど。


 ここはやはり、さっきの階段に賭けてみるしかないだろう。少し進んだところにあるとされる、「多聞閣」というお寺が目印だ。もう既に10分以上経っているし、両足とも親指の側面にマメができそうだから、どこまで行けるか。この階段の上の民家で行き止まりなら、それまでにしよう。


 上がってみると、そこは確かに民家だったが、左右に道が繋がっていた。それと、後ろを見ると街も見える。山の上に展望台があれば、この豊川の街を一望できるだろう。


 地図の赤い点線では「多聞閣」のある突き当たりを左折に見えるのだが、突き当たりに来た一方で「多聞閣」の姿は見えない。左は下り坂のようだから、右に行ってみよう。

 すると、その先の左直角カーブで、さらに階段が見えた。・・・この地図、矢印が2本微妙にずれて縦に並んでて、その間に「御津山自然遊歩道入口」と書いてあるが、この文字の部分に本来は右矢印があるのか。だったら矢印を書いてくれ・・・。


 その階段を上がると、前にさらに階段で、その上に「多聞閣」と思われる木造の建物。なお、左に小さな駐車場で右に道もあるので、ここまで車でここから歩くというルートも可能なようだ。

 ここで振り返ると、そこそこの見晴らしで街が見えた。すぐそばの民家のアンテナに高さで負けてしまっているが・・・それでも、豊川の街を眺めるには十分と言える。


 階段を上がると、木造の建物には「多聞閣毘沙門天」と書かれていた。これで確実に正解ルートに来れたのだが、もうそろそろ20分になりそうで、体力的にもこれ以上は厳しい。

 少しだけ進んでみたが、山の内側に入り込んで行き、木で遮られてしまうので頂上に着くまではこれ以上の見晴らしは望めそうにない。悔しいが、ここまでにしよう。御津山、あなたには敗北だ。


 豊川の街を眺めながら階段を下り、次は頂上まで行ってやると思いながら駅へと引き返した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ