19. 掛川
18時13分、掛川駅に到着。新幹線も停まる駅で、そのお陰で難なく宿を確保することができた。この旅で初となる3駅連続当選だ。5駅すっ飛ばされることもあれば3駅連続で降りることもある、それが東海道線五十三次だ。
地下道で、掛川城というお城があることを知った。他に何もなければ、そこかなあ。でも開いてるのだろうか。後で確認してみよう。
ホテルに着いて調べると、掛川城は年中無休のようだった。ただ、その近くに、ステンドグラス美術館なるものがあることを知る。この年末年始は休まず営業だそうだ。・・・掛川城には悪いけど、こっちにしよう。本当にすぐそばだから、外から見るぐらいのことはできる。
小腹が空いたので、ホテルのパンフレットにあったラーメン屋に行き、ホテル適当に予約したら素泊まりだったので、見かけた業務スーパーでパンとチーズを調達した。駅前の大通りには、「ひかりのオブジェ展」とされる作品がいくつも並んでおり、街灯と共に道を照らしていた。
風呂から上がり、執筆作業開始。今日は日付が変わる前に寝れるかなあ。
・・・・・・無理でした。
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12月29日。7時前に起床。
昨日はすんなり寝付くことができて、7時半にセットしていた目覚ましに勝った。バタバタせずに過ごせそうだ。掛川城を外から見て、9時の開館に合わせてステンドグラス美術館に行こう。
8時20分頃に出発。駅前の大通りを北へ。「ひかりのオブジェ展」、結構凝った作品が多い。
文字が剥がれてるが「連雀西」っぽい交差点の先は、城下町風の街並みになっている。普通に居酒屋とかが並んでいるようだ。車道も薄いグレーのレンガ模様に変わり真ん中を歩きたくもなるが、こちらも普通に車道なので無理だ。
のぼり旗で、「祝・王将戦開催」とあった。将棋の王将戦だろうかと思ったら「将棋のまち掛川」ののぼり旗も。
橋の手前の信号で、左前方に掛川城が見えた。他に高い建物がないので目立つ。そして橋を渡った先に城への入口。門を通り、奥へ。開館前から、天守閣下の本丸広場まで来れた。かわいい小人(?)の人形と、お花畑が出迎えてくれる。
もう十分にお城が近いが、階段が上がれそうなので行ってみる。さすがに天守閣前の門は閉ざされていたが、かなり近くまで来ることができた。お金がかかるのは、城の中に入ることだけだな。
階段を下りようと後ろを見ると、掛川の街が一望できた。高層マンションの類は少なく、街がよく見える。左下には掛川城御殿の姿も。
ステンドグラス美術館への方向に合ってそうなので、御殿への矢印標識に合わせて細い道へVターン。城のすぐ真下を通ることができる。その道の先で階段を下り、御殿の前で左へ。二の丸茶室(庭は自由に見れる)に、二の丸美術館もあり、ステンドグラス美術館も併せて、城の他にも色々と楽しめるようになっている。
この二の丸美術館の裏手に、ステンドグラス美術館はあった。まだ9時まで5分あるが、開館中の看板があって実際に入れた。
扉を開けた先では、マリアさまが出迎えてくれた。説明文によると、聖マグダラのマリア、とのこと。支払いを済ませ、順路へ。聖母さまや王さま、聖職者の肖像画のようなものから、洗礼や受胎告知などのワンシーンがステンドグラスの絵になっている。
幅1メートル高さ3メートルほどの作品が何十枚も並んでおり、絵も全て教会にありそうなもので、これらに囲まれていると、心が洗われるような気分になる。なお、作品に触れるのは厳禁だが、写真撮影はOKだ。
一番奥には、円形パネルが中心プラスその周囲に八方という配置で並んでいるのと、その下には3枚の長方形パネル。
長方形のパネルは、上の円形パネル群を人々が見上げる形になっているが、説明文によると作品自体としては上下で独立しているようで、この長方形の方は、キリストの昇天を見上げる弟子たちだそう。
9枚の円形パネルは、聖母マリアの生涯を9枚に分けて描かれたもの。一番上のものがスタートで、時計回りに進んで中心がラスト。幼いマリアが神殿に上がるシーンから死後に祝福を受けるところまで、とのことだ。
最後は売店。レジは基本無人で、買うものを決めたらスタッフを呼ぶシステム。クリアファイルや本のしおり、キーホルダーなどがある。フランス製アンティークガラスのパネルもあり、これの売り上げは全額ノートルダム大聖堂のステンドグラス修復に回されるらしい。
ここの観覧にかかる時間は、人それぞれで桁違いのものになるだろう。じっくり見入る人は30分はかかるだろうし、興味ない人は3分で終わる。個人的には、非常に見応えがあった。ステンドグラスに囲まれる機会なんてそうそうない。
淡い色のついた窓の扉を開け、外へ。掛川城の西側へ回り、来た時とは違う道で駅に向かった。




