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12. 蒲原

 17時33分、蒲原駅に到着。「かんばら」と読む。

 もう、日は完全に暮れてしまった。富士駅と富士川駅で、想定外に歩いてしまったからな。ここではまず、夕食と宿屋の確保をしよう。足も限界に近いので休憩したい。


 ただ、ホームに降り立った感じ、近くに飲食店があるか怪しい。東田子の浦同様に名所案内の看板があるも、北に3キロの大丸山 (おおまるやま)のみ。わーお。


 ただ嬉しいのが、ベンチがガラガラなことである。東京では駅のベンチには座れないことの方が多い。改札を通過し、ベンチに座って調査開始。近くに飲食店が2件。これまた名前だけで決めた。コンビニも近くにあるようで、旅の者にも優しい設計となっている。



 駅を出た。結果的にはあの信号の所まで行けばコンビニは見えるのだが、ここから見るだけだと何も分からないな。現代のスーパーテクノロジー・インターネットに改めて感謝。飲食店が何時まで開いてるかもわからないし、早く行こう。


 無事に営業中だった。定食屋かと思いきやラーメン系メニューが多い。定食もあるにはあったが、カツカレーを選択。

 さて、待っている間に宿探しだ。まず、ここ蒲原駅周辺。「蒲原駅 ホテル」で調べるも、もはや隣駅と言える領域だった。という訳で次の下車予定駅。民宿が3件見つかった。公式サイトはないので電話番号を控え、カツカレーが届いたので後で電話することにした。


 カレーは、ボリュームはもう少しほしかったが、味は文句なかった。誇大広告はしたくないので「絶品」とまでは言えないが、素朴な味がして美味しかった。

 年の瀬の最後の金曜日で、おそらく家庭内で団らんする文化であろうこの地に、私の他に4組のお客さんがいるのだから、やりくりもそんなに困ってないのではないかと思う。地元のみなさんと同じ空間で食べるカレー、美味しかったです。



 食事を終えて外に出て、次の下車駅から近い宿屋の順に電話だ! 1件目、駅のすぐそばの所で空きがあった。オッケー・・・! ただ、早めに来て欲しいと言われたので、次の電車は厳しいが、その次ので行くことにした。


 だがその反面、ここ蒲原駅の周辺を散策する時間がない。飲食店探しの時に目に付いた、駅のそばにある「はまかぜ公園」に行く時間ぐらいしかないだろう。ちょっと、蒲原駅には申し訳ないことをしてしまったな。



 はまかぜ公園に到着。周りの街灯で照らされているも、暗く、人はいない。

 六角形の屋根付きベンチに滑り台などの遊具、それから、ホームベースをひっくり返して縦に伸ばした形の3~4メートルほどの高さの四重の骨組み。言ってしまえば、どこにでもあるような公園だ。


 今回はゆっくりする時間はないが、たまには誰もいない夜の公園で涼むのもいいんじゃないかと思えた。普段は、公園なんて見向きもしないからな。



 はまかぜ公園に別れを告げ、駅へ。JR東海はホームの駅名表示に地名を併記するようで、ここは静岡市清水区だ。政令指定都市でも、このような静かな住宅街があるのだな。


 それと、これといった観光地がない所の魅力を伝えるの、難しい。でも敢えて蒲原の魅力を伝えるとするならば、他の観光客がいない状態で地域のみなさんと一緒に食事ができることだろうか。それができる場所はいくらでもあるだろうが、蒲原の人たちと食事ができる場所は、蒲原だけだ。


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