表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/56

8. 片浜

 11時18分、片浜駅に到着。

 電車は3両編成だった。東海道線にも、そういう区間があるのだな。ここ片浜は沼津駅の1つ隣なのだがほぼ住宅街で、20分に一本の3両編成で椅子に空きができる乗車率なら、ここはもう車社会だろう。


 改札は1つで、出口は南北に分かれていた。窓から覗き込み、立体駐車場が見えた北から出た。商工案内業を負っている会社が作ったと思われる地図を発見。一番デカいのがパチンコ屋なのだが、確かに町工場が多いようだ。近くに中華料理屋が2件あり、完全に店名の好みだけで決定。



 中華料理屋は、無事に営業していた。入ってみると、なんとテーブル席と座敷だけ。回転重視タイプが苦手な自分は、こういうお店が大好きだ。ラーメンや焼きそばもあったが、コンビニ飯が続いたので定食を・・・よし、酢豚にしよう。


 待ち時間の間に、散策場所の調査をしよう。地図サイトを開き、「片浜駅」で検索。お、沼津駅よりも海が近い。よし、駿河湾を見に行こう。


 酢豚は、顔を近づけると鼻にツーンとくる程お酢が効いていた。味も私の好みで、大きめカット野菜と棒状ブロック肉の食べ応えも良かった。



 お店を出て、駿河湾のある南に行こうと思ったが、すぐ北に大通りがあるのが見えた。ちょっと行ってみるか。


 その大通りの手前に川が並行していて、「一級河川・沼川」の文字。川の名前に「沼」って・・・。真っ黒の大きな鯉と、5~6羽の鴨さんがいた。


 大通りの方は、コンビニ、ホームセンター、車の販売店などがあり、駅周辺よりも明らかに色々あった。やはり車社会のようだ。


 道路標識には、東京まで133kmの表示。てか、ここ1号線かよ! 再会しました、国道1号。一緒に、京都まで行こうね。反対側の標識には、名古屋まで234kmの表示。京都までは何kmだ・・・?



 国道1号との再会を誓い、南側に移動。途中で見かけた石材屋さんが、勝手ながらこういう所にはちょっと汚いイメージを持っていたのだが、綺麗だった。鳥やクモなどの動物が掘ってあるプレートやピラミッドのオブジェもお洒落だった。


 踏切を渡り、さらに南下し、スーパーや飲食店などがあるショッピングモールも抜けた先で、謎の林が行く手を阻んだ。なんだ、これ・・・? 車道の先に謎の林が広がっている状態である。

 黄色い看板があり、見ると、静岡県が管理する防風林とのことだった。海から来る風を、これで凌いでいるのか。ということは、海が近い。左の方に横断歩道があり、さらに林を抜けるための歩道もあり、進んだ先で堤防の上に上がると・・・、



 駿河湾が、目に飛び込んできた。



 この旅で初めて見る、明るい海だ。これには、感無量である。沼津市の逆「く」の字型を表すように、左も右も海岸線が内側に曲がってきている。海岸には立ち入り禁止のようで、左は植樹が並んで少々見づらいが、右は「つ」の字にも見える海岸線がはっきりと見える。来た甲斐が、あった・・・! こういうのを見るために、旅をしているのだなという気分になれる。


 この海岸に名前はないのか、それを示すような看板は見当たらない。片浜駅南の名も無き海岸に満足して、風から街を守る林を通って駅を目指した。


 後に改めて調べてみると、地図ではしっかりと「片浜海岸」や「今沢海岸」という名前が付いていました。ですがその時には気付かなかったので、本文は変更しないことにします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ