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殺人ゲーム  作者: クロユリ
2/3

第1話 日常を失う日

「なぁ、奏!見てくれよこの漫画!」

「ん?どんな話なんだ??」

後ろから唐突に声を掛けられた青年は、まるでその話に興味があるような表情をしながら振り向いた。

「女の子がある日突然、異世界に行く話なんだ!」

男なら興味あるだろう?とでも言いたげな顔をしてくるその人に対して、申し訳ないような顔を作りながら奏はこう返した。

「うーん、悪い。そういう話は好きじゃないんだ。」

「そうか、まぁ気が向いたら読んでくれ!」

「あぁ、悪い。もう行かないと」


あー、めんどくさい。っていうか誰なんだこいつは……異世界とか本当に信じてんのかよ。まぁいいや、とっとと家に帰ってゲームでもするか、あと少しでクリアだしな。そんなことを考えながら奏は帰宅路についた。


いつもと違うことに気がついたのは、家に着いてからだった。いつもは何も入っていない郵便受けに、赤い封筒が入っていた、差出人は無記名で表に唯一「招待状」とだけ書かれた不気味な封筒だった。当然のことだが、奏にはそんな物を送ってくるような友人も知人もいない。しばらく開けるのを迷ったあと、奏はそれを開けることにして中の紙が破れないようにそれを開いき、内容に目を通してとても驚いた。なぜなら、そこに書かれていたのはとんでもなく普通ではないことだったからだ。


「拝啓 音原奏様

この度は貴方様が殺人ゲーム参加者に選ばれましたことを心よりお喜び申し上げます。つきましては、このゲームのルール及び注意点をご説明させていただきます。

なお、このゲームへの参加を拒否することは出来ませんので御理解ください。

では、まず本ゲームについてご説明させていただきます。本ゲームは……」


そこまで読んだ所で続きがあるにも関わらず、奏はその紙を燃やした。そうしてまるでつまらないとでも言うように、いつも通りの生活に戻ることにした。


現実的に考えて、そんなゲームは存在しない。ただの嫌がらせかドッキリだろうと、その時は本当にそう思っていた。そうして、それからしばらく経って手紙を最後まで読まなかったことを後悔するとも思わずに……


ー注意ー

この手紙を最後まで読まずに破棄した場合、貴方様の身に何が起きようとも運営側は一切の責任も取りませんので、悪しからず。


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