神様、嫌いな人2
「ルシエラの感知ネックレスも千切れちゃったよな…今の内に新しいの作ろうか」
元に戻る前に髪の毛を一本抜いてから戻る。
「どうするんですか?それ?」
不思議そうに見てる。
「あれ?前に造った時に見てなかったか?」
ルシエラはきょとんとして、
「あ、はい。あまり見てませんでした…」
ふーん…とロキは思いながら作業をする。
「そうか。あ、ルシエラの髪の毛も一本貰うな?」
ふたつの髪の毛を絡めながら円を作り括る。水晶の小玉を収納袋から取り出し魔力で融解してふわふわと浮かせる。髪の毛を真ん中に行くようにし水晶を再度固める。
細めの白金の腕輪の基盤を出しルシエラサイズにする。ネックレスだとまた千切れたら大変だしな。中央の台座に水晶を嵌め込んで出来上がり。
「出来たよ?」
ん?とルシエラを見ると目を輝かせているルシエラ。
「凄い!凄いです!!」
とても嬉しそうで良かった。
懐中時計を見るともうすぐ1時間か経つか…まだ起きないだろなアレ。掃除も半分くらいか。
「ルシエラ…何か欲しいモノあるか?」
何となく聞いてみた。顔を赤らめてルシエラは…
「一番は…赤ちゃん」
ぶはっと吹いてしまった。
「モノだからな?モノ」
と慌てて言うと、
「では、何かペアのモノが欲しいです」
ペアかぁ…無難に指輪?いやまだ早いか?
「ロキ様はそんなにジャラジャラ付けてるんですから何かペアがあってもおかしくない筈です!」
あー…これ全部魔力抑える魔装具なんだけどなぁ。
「ルシエラ薬指出して?」
「はい」
「コレ一応言うと魔力抑える魔装具だからあんまり渡せないけど俺の小指のダブルリングの上のピンクシルバーの部分ルシエラの薬指に合うんじゃないか?」
と嵌めてみる。ピッタリだった。
「…っ!!可愛い!!」
うん。
凄く喜んでるのは嬉しいけど…多分魔力の10分の1は抑えられてると思うけどなぁ。
ルシエラは俺の最高傑作の強い子だけどやっぱり俺よりかは下なんだよね。魔力封じてる俺と同等くらいかなぁ?てレベル。
「ルシエラ?その状態で飛んでみて?」
「あ…はい。あれ?」
うーん…やっぱりかぁ。
「バランス取りにくいだろ?多分そのリングだけで魔力の10分の1は抑えられてるから色々と感覚ズレるんだよ。取り敢えず慣れろな?」
そう言うと、
笑顔で「はい!」と返されてしまった。
取り敢えずルシエラの空中浮遊の手伝いをしていたら更に1時間経っていた。
放置していた掃除ゴーレムが戻ってきた。分解して収納する。先に戻って来てた小型ゴーレムの部品は既に収納している。
起きねーかなアイツ…って思いながら小石を当て続けていたら152個目でやっと起きた。
本人は暴れた時の記憶が無いようだった。
「起きたかクズの木偶の棒。お前が反応したってことはルシエラは女の兆しがあるんだな?それだけ言え」
「ろっくんたらひ〜ど〜い〜!!そうね〜。そうみたいね〜」
無駄にウザい。
「後さ…俺の顔に興奮すんのマジで辞めてくんねぇ?」
暴走モードの時に確実にルシエラではなく俺の事を見て突進して来たからな。
「だって〜…ろっくん神の中でも屈指のイケメンじゃない〜理性吹っ飛んでたんだから無理よ〜」
コレだからミーハーは困る…こいつこんな面でも面食いらしいからな。すると、その話を聞いてとても驚いたのかルシエラが反応した。
「ロキ様ってそんなに素晴らしい方だったんですか?!神の中でも屈指って…神様沢山居ますよね!!そんなにカッコイイ方と私なんかが一緒に居て良いのですか?!」
温室育ちにしちゃったから色んな情報分かんないよねー。
「うん。ルシエラ?誤解してない?俺はこんなクソと違ってミーハーでも遊び人でもないからな?付き合った女はルシエラだけだからな?」
はぁ、経験不足発言しちまったよ…大丈夫か?昔からモテていたが、どうせ顔とか力目当てのヤツばかりだったし興味が無かった。初めてルシエラが産まれた時は嬉しかったんだよ本当に。
「うし。聞くこと聞いたから帰るかルシエラ?」
「え?でも私の鞄は…あれ?」
ちゃんと手元にある。
「掃除ゴーレムが持って来てくれた。帰るぞ」
俺はひょいと階段を飛び降りる。
ルシエラも続いて飛んでくる。やっと安定感のある飛び方のコツを掴んだ様だ。
「あ〜ん…!!ろっくん〜!!」
最後だけだな役に立ったの。
そう思いながらヴィーナス邸の玄関の前に、前持って呼んだペガサス馬車が来ていた。流石仕事が早いな…呼んだの5分前なのに。これからも懇意にさせて頂こう。
帰りの馬車で俺は寝ずにルシエラが俺は何の仕事してるかを聞いてきたから教えていたらいつの間にか屋敷に着いていたので話の続きは屋敷でする事にした。