神様、決着
ロキは目隠ししてるのでファントム達の視界を頼りに情報を得ている。シトリーは瓶詰めにされた恋の妙薬を使おうとしているがそう上手くは行かない。
鼻歌交じりにコチラに足を進めるシトリー。嬉しいのか頬が紅潮している。
「ロキ様?お待たせしました!ボクの真心籠ったお手製のお薬で…す」
そう言い終わる頃には意識が反転しているシトリー。ファントムが後ろに回り意識を削ぎ、テレサが視界を削いだのでシトリーは何が起こったのかすら分からず深い眠りについているのだ。
「ありがとなファントム、テレサ」
カモフラージュの拘束と目隠しを取り礼を言う。
「「勿体ないお言葉」」
跪く2人。
「取り敢えずどのくらい意識を失うんだコレ?」
床に倒れているシトリーを指す。
「2時間程です旦那様」
「それならOK」
『ルシエラー?視てたか?』
ルシエラに思念伝達で語りかける。
『勿論『視ていました』!ファントムさんとテレサさん凄いですね!』
『本気出したらもっと凄いよこの2人』
『そうなんですか?!』
『音も無く殺しちゃうから』
『素晴らしいですね!』
『取り敢えず今サタン待ち。また終えて帰る前に連絡するよ』
『分かりました』
ソファに腰掛けてサタンを待っていたら予定より4分程早く着いたようだ。
「サタン予想以上に早かったな」
「いや、ロキの緊急事態に呑気にしてられないから!?それでシトリーは?」
「ココ」
とんと足を鳴らすとソファの傍で意識を失っているシトリー。
「はぁ、ロキの専属の暗殺部隊が本気を出してないとしても仕事が早いよー。この子どの位目を覚まさないの?」
「2時間だってさ」
「そっか♪それならもうこのまま闇の狭間に放り込まない?」
「そう言うと思った」
くつくつと笑うロキ。
「ウィル、出てきて」
影に向かい指示を出すサタン。
「かかかか、サタンよワシはそっちじゃ無いぞ」
笑いながらファントムの影から出てきたウィル・オ・ウィスプ。
「だから主イジメは辞めなさいとアナタは…」
ファントムが溜め息を吐く。豪快に笑うウィル・オ・ウィスプ。
「いやいや、すまんすまん。そやつこの前の奴の本体か…ふむ。微妙に存在が違うの」
まじまじと観察するウィル・オ・ウィスプ。ファントムが溜め息を吐きながら、
「それではこの者の意識が戻る前に狭間に飛ばしますよ」
「友の願いとあらばOKさ」
2人から闇の力が解放されて、
「「闇の終焉空間」」
以前よりも濃い暗闇が口を開けている。サタンが闇の狭間に放り込む前にシトリーを見る。
「もう悪い事しないでねー?」
ポツリと呟きバイバイと言いたげに見つめるサタン。瞬く間にシトリーが闇の狭間に取り込まれ空間は閉まった。
「ふぅ、お疲れ様ロキ」
「サタンもお疲れ様」
「って言っても、オレはウィル連れてきただけだけどね?」
「それ含めありがとな。今度何か贈り物でも贈るわ」
「え?いいの?」
「もち。俺セレクトでも良いんだろ?」
「それは勿論!」
ルシエラにも連絡する。
『ルシエラー?俺等そろそろ帰るぞー?』
『ロキ様!やっと終わりましたね!』
嬉しそうなルシエラ。
『ルシエラ気にやんでたのか?』
『それはまぁ…』
『まぁ、心配の種も無くなった事だし平穏になるぞ』
『そうですね!お茶の用意しておきます!テレサさんがそちらなのでイヴさん辺りにでも言って用意して待ってますね』
『それならセーレにも報告したいからそのお茶会にセーレも誘っておいて』
『分かりましたー』
「サタン?俺等用も済んだし帰るぞ?」
「分かったー」
「セーレ連れて帰る時に手土産に持って来るわ贈り物」
「分かった!楽しみにしておくねー?」
「へいへい。ファントム、テレサ戻るぞ」
「「畏まりました」」
サタンに別れを告げて転移魔法で天界に戻る。疲れた。