神様、遊戯
意見交換は滞りなく進んだし書類もそこそこ片付けれたのでファントムに指示を出しその場を離れ精神不安定期突入してるであろうミアとノイアーの部屋行く事にした。2人の共同部屋に着き一応コンコンとノックする。返答はない。ドアノブをガチャリと開けると布団を被って寄り添う2人が居た。
「ミア、ノイアー?俺が分かるか?」
虚ろな目でコチラを見る2人。
「「旦那様…?旦那様ぁーーー!!」」
ぶわっと泣き出しながら抱き着いて来た2人。相当参ってたみたいだな。
「悪ぃ…遅くなったな。今治してやるから安心しろ」
「「ごめんなさい…ぐす…ひっく…2人で対処出来なかったんです…ぐす」」
双子だからハモるなぁ。取り敢えず魔眼で診察。
「悪い悪い。ミアは診る感じ情緒不安定気味だな…このペンダントを付けてみてくれ。ノイアーは診た感じだと感情の起伏が激しい情緒不安定か…このブレスレット付けてみろ」
2人はアクセサリーを受け取るとチャリンと付けた。すると気が落ち着いたのかハイライトの無い虚ろな眼から普通の眼に戻った。効果はあったようだな。
「ミア、ノイアー?気分はどうだ?」
ミアが応える。
「ぐすん…さっきまで重たかった感じが取れて行く気がします…ずび」
ノイアーも応える。
「旦那様が来なかったらどうしようって不安が少し和らいだ気がします…ぐず」
あーあ、涙と鼻水だらけじゃねーかよ。ポケットから2つのハンカチを出す。
「ミア?ノイアー?顔がぐしゃぐしゃだぞ、先ずハンカチで涙と鼻水を拭け」
「「畏まりました…ぐす」」
この2人はかなり素直だから言う事はちゃんと聞く。
「ん、綺麗になったな。目と鼻が赤いのは治しておくわ『治癒』」
「「ありがとうございます旦那様!!」」
抱きついてくる2人。一言言っておくか…
「ミアとノイアー良く聞くんだ…不調を起こしそう又は起こしたならちゃんと言え。対応が遅くなったら限界突破してしまうんだぞ?そうなったら直せるか分からないんだ…手は尽くすけどもしもの時は…って考えると怖ぇんだよ俺も」
「「旦那様ごめんなさい…」」
シュンとするミアとノイアー。
「今回は良く耐えてくれた…何かご褒美あげようか?」
「「それでしたら旦那様と遊びたいです」」
「俺と?」
ミアが応える。
「旦那様とですよ」
ノイアーも応える。
「旦那様に勝てないから勝てるまで帰さないって言うのは嘘ですけど楽しみたいんです」
「「ねー?」」
見つめ合うミアとノイアー。まぁストレス発散にもなるしアクセサリーの効果も診れるから良いとしますか。今日は作業が出来なさそうだな…ミアとノイアーに付きっきりになりそうだ。取り敢えずこのまま部屋でゲームをすることになった。勿論ファントムには既に連絡済みだ。
ゲーム内容は大罪ジャッジメントと言うシンプルなカードゲームだ。7大罪のカードでジョーカーを5枚集めたら負けって言うちょっと変わったゲーム。ミアとノイアーだからアーケードゲームをすると思ってたんだけどな。
「ミア、ノイアー。気分は落ち着いてきてるんだよな?」
「「旦那様のアクセサリーで不調はほぼ取り除かれて行ってます…ホントにありがとうございます…ぐす」」
「分かった分かった。取り敢えず泣きやもうな?」
「「はい!」」
ゴシゴシと袖で顔を拭くミアとノイアー。あー、そんなに擦ったら顔赤くなるぞ。案の定鼻っ柱と目頭が赤くなってる…折角治癒掛けたのに。
「ミア、ノイアー?また顔がぐちゃぐちゃだぞ」
あっ!と顔を見合わせるミアとノイアー。
「これも主の務めだなまた治してやるよ…『治癒』」
ミアとノイアーの顔が綺麗になった。ミアとノイアーは泣き虫なのが玉に傷なんだよな。
「んで大罪ジャッジメントで良いのか?」
「「はい!」」
偉く楽しそうな2人。アーケードの方が得意のハズなのにな?何でコレにしたんだろ?
「「旦那様を負かしてみます!」」
「俺多分勝つよ?」
ミアが言う。
「旦那様苦手そうなのがコレしか思い付かなかったんです」
ノイアーも言う。
「アーケードは不利なんですよ…アナログで正攻法で攻めてみます」
やる気満々の2人。俺コレ得意な方なんだけどな…言わない方がいいか?
「それなら始めるか」
カードをシャッフルして行く。手元には8枚のカード、ココに大罪系のカードがそろえば良いのだが…俺の元には6枚来た2枚はジョーカー。ミアとノイアーは顔を見合わせて「どう?」「いや、危ないかも」とヒソヒソと話してる。
「旦那様、山から引いてください」
ミアが言う。順番は俺→ミア→ノイアーの順。俺は山から1枚引いて憤怒のカードを引いた。次にミアがカードを引く。嫌そうな顔をしてる、ポーカーフェイス教えるべきかな?次ににノイアーの番、ノイアーも嫌そうな顔をしてる。
「2人共手札悪いだろ」
「「そ!そんなことないですよ!!」」
慌ててる時点で手札悪いんだろな。ハンデあげますか。
「俺一応ジョーカーあるよ?」
「「旦那様言ったら勝負になりませんーーー」」
「だって不利なんだろ2人共」
「「うぅ…そうですけど」」
カードとミアとノイアーが顔を合わせて作戦会議してる。俺多分勝つだろなぁー。まぁ2人の精神疾患収まって来てるぽいし大丈夫だろ。対戦を続けよう。
「もしかしたら負けるかな…」
「旦那様の手持ちがジョーカーあるっていう事しか分からないから何とも言えないよ」
そう呟いてるミアとノイアーを横目に俺はのほほんと待機してる。だって手札かなり変わったから。
「ミア?ノイアー?後2順で勝負付くけど良いのか?」
「「最後に賭けますーー」」
また涙目になってきてる。
「ミアとノイアー泣くなよ?」
「「泣きません!!」」
うぐぐぐと悩んでるミアとノイアー。大罪ジャッジメントは神のカードを引いたら逆転できる。
ミアが先ずカードを引いた。「あっ!」と声を漏らすミア。なんだ?神のカードでも引いたか?次にノイアーが引くノイアーも「あっ」と言うような顔をする。何?本当に賭けに勝ちそうなのか?俺が引く…あ。天使のチャンスカードが来た。コレは対象者の一番強いカードが貰えるチャンスカードだ。
「俺天使のチャンスカード引いたんだけど…」
と声を掛けると2人が身構えた。いや、そんなに警戒しないでくれよ。ショックだなぁ…カタカタ震えなくてもいいじゃんか。
「これ使わなくても良いぞ?」
「「え?」」
ミアとノイアーがハモる。
「旦那様…そんなに自信がおありなのですか?」
ミアが尋ねる。
「多分俺勝つぜって言ったろ?」
カタカタ震える2人。勝負は見えたかな…ラスト、俺がカードを引く、雑魚カードなので捨てる。次はミアが引く「クッ」と唸る。そしてラストノイアーの番「うぅ」と唸る。
「それじゃあカードオープンな?」
3人カードを開く。俺は大罪全コンプリートと天使のカード所持…ミアとノイアーが涙目になってる。
「「そんなにフルコンプしてる旦那様に勝てる訳ないじゃないですか!!」」
2人はダミーカードと大罪4つだった。
「「旦那様に勝てる気がしません…」」
「アーケードなら勝つ時あるじゃん」
「「それでも…」」
「まぁ、勝負はこれで終わりだな?」
「「完敗ですご主人様」」
「でも、頑張ったご褒美に何か褒美入らないか?」
悩む2人。うーんと唸ってる。2人であれはどう?いやこっちがとか言ってる。そんなに悩むのかね?
「決まるまでならアーケードで遊ぶか?」
ミアとノイアーは満面の笑みで応える。
「「シューティングか格ゲーしたいです!!」」
「おけおけ。なら少しアーケード置いてる遊戯室行くか」
トコトコと付いてくるミアとノイアー。遊戯室に着くなりミアが言う。
「このゲームがいいです!!」
指したアーケードゲームはレトロなシューティングゲームだ。ミアこれ好きだったけ?
「良いけどまた負けさせるぞ」
「「今度は頑張ります!!」」
気合万端なミアとノイアー。これ難易度変えるんだよな。
「ミア?ノイアー?設定何にする?」
「んー…ルナティックで!」
超ハードモードかよ…まぁ、取り敢えず始めますか。