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神で職人て変か?  作者: Sohki
遺跡編
50/85

神様、不可解な点

閻魔大王の話を要約するとこういう事。


・サタンが精神体(スピリチュアルボディ)になる間隔が短くなっていたことを察した閻魔大王


・それを抑制する魔結晶(オーブ)を開発。ついでに鬼姫(きき)屍鬼(しき)を貢ぎ物として贈る


・ただ渡すだけではつまらない。いっその事王としての資格があるだろうか試す


・但し迷宮(ダンジョン)の発動条件が合わず手遅れになるかもしれなかった


以上らしい。何だよこのオッサン…面倒臭ぇな。普通に渡せば良いのに試すとか…溜息しか出ねぇわ。


「取り敢えずあの魔結晶(オーブ)持っていたらサタンは精神体(スピリチュアルボディ)化になる事は無いって事だな?閻魔さんよ」


「『そうだとも。ワシに感謝せよ』」


うぜぇ。何でお偉いさんとかって威張ってて偉そうなの?腹立つんだが…


「つーか、何で鬼姫(きき)屍鬼(しき)を貢ぐ必要があったんだよ閻魔さん?」


それはだな…と話始める閻魔大王。


「『魔王サタンは色欲に塗れて人々を堕落(フォールン)させるだけで何もしないと聞いておったのでな…働き者の鬼姫(きき)屍鬼(しき)を送った迄じゃ。夜伽も難なくするし働き者だぞサタンよ』」


サタンが割って入ってくる。


「あのさー?俺にも好みがあるんですけどー?そこに居る神気バリバリのロキがどストライクなの。ロリコンじゃないよオレー?どんな目で見てんのさ大王」


そう。鬼姫(きき)屍鬼(しき)は見た目年齢10~13歳くらい。小さい子供にしか見えない。


「『生娘の身体のゴーレム体を選んだつもりなんじゃがダメだったのか?』」


鬼姫(きき)屍鬼(しき)はそれに気付いたのかこう切り出してきた。


「わっち達は神聖視されていたから交わろうとする輩があまり居なかったのでありんす…手取り足取り難なくこなす事は出来るのでありんすが…」


鬼姫(きき)屍鬼(しき)も続けて言う。


「わっち達は希少価値(プレミア)が付いててお茶するだけでも銀が底を尽きるくらいだったのでありんしたよ?」


よっぽど高待遇だったんだな。でも…


鬼姫(きき)屍鬼(しき)くらいだとまだ禿の世代じゃねぇの?てか、サタン?初物貰う気なのか?」


「ぶはっ!!やめてよー…オレでも無理だし、この子ら魔力量半端ないんだよ?精気持ってかれるよー?」


ふーん。取り敢えずパシリにするつもりなのかね?


「主…快楽を与えてくれないのでありんすか?」


鬼姫(きき)屍鬼(しき)も涙ぐみながら、


「わっち達のこの身体の初めてを貰ってくれると楽しみにしていたのでありんす…」


「あー、じゃなくて!!オレ初物とか滅多に貰わないの!!ロキは別だよ?」


「俺は断る」


「冷たいー!!」


「アスモデウス辺りに手ほどきして貰ってから貰えば良いんじゃね?」


「それは考えたケド…アスモデウスも別にロリコンて訳じゃないよ?」


どうするかな?取り敢えず閻魔大王に認められて精神体(スピリチュアルボディ)化からの難点も解けたし魔王城に戻りますかね。


「閻魔さんよ?他に伝える事無いんだよな?」


「『あ、待たれよ!この迷宮(ダンジョン)は魔王の素質も見れたから崩壊する。それ迄に出たまえ!それではまたのサタンよ』」


は?崩壊?!待てよ!!急に言うなよな…マジで溜息しか出ないわ。安全圏に行きますか。


「皆?手を取り合え」


皆は「?」としている。


「とにかく早く」


俺はルシエラの手をルシエラは鬼姫(きき)の手を鬼姫(きき)屍鬼(しき)の手を屍鬼(しき)はアモンの手をアモンはサタンの手をサタンは俺の手を…黒龍(ノア)老神龍(ラオ)は送還済み。では、飛びますか。


「魔法展開魔王城へ転移魔法展開(テレポート)


ふっとその場にから魔王城に到着。アモンは一瞬で飛べたのに驚きつつも一足先に次女達に祝いの言付けをしに行った。


今回の迷宮(ダンジョン)は普通に疲れたんですけど。サタンは黒龍(ノア)をお気に召した様ですごく楽しそうに召喚しては話をしていた。


次女達が慌ただしい。まぁ、魔王の誕生日だもんな。シトリーと言う権力者が消えた後に誕生日とか慌ただしさも倍増か…と、ルシエラを見るとどんな料理が出るのかワクワクしていた。ルシエラは平和だな。


「ルシエラ?今の内に湯浴みしとかねぇ?多分時間掛かるだろうからさ?」


「そうですね…そうしましょう!!」


「サタン?俺達部屋で待機しておくぜ?」


「あー…うん!いいよー?準備終わったら使いを向かわせるよ♪早く終わったしー何よりオレの誕生日プレゼントも気になるし?」


「まぁ、準備頑張れな?」


「分かってるってば!!」


膨れっ面のサタン。揶揄うのはこれくらいで部屋に戻るか。取り敢えずルシエラの手を取り部屋に瞬間魔法(テレポート)で移動する。


ルシエラはパタパタと着替えやらを取りに行ってから浴室に向かった。俺は気になった事を聞きたいのでファントムを喚ぶ。


「ファントム、居るか?」


すっと影からお辞儀をしながら現れるファントム。


「此処に。如何なされましたか?」


ファントムをじっと見つめる。ロキは気になっていたのだ…


「如何なさいましたか旦那様?」


「俺に嘘は吐くなよ?」


「仰っている意味が…」


ファントムがハッと気付く。そう、ロキは気にしていたのだ。魔族(デーモン)側にいた精霊であるファントムが古代文字を読まなかった事を…


「旦那様…決して騙していたりしていた訳ではありません」


「それなら何でだ?」


「文字は影ながらでも読めました…ですが私が出ては意味が無いと言うのが答えです」


「閻魔さんとは面識あったのか?」


「いいえ、私は補佐官殿としか面識はございません。昔の記憶で覚えていたので口出しが出来なかったのです」


「それって読むのも駄目だったのか?」


「私は手出しするなと言われていたので影に潜んでました…申し訳ございません」


ふーん。まぁ、理由があるなら仕方ないわな。


「所で彼処って俺とサタンが揃わなきゃ詰んでたよな?何であんな迷宮(ダンジョン)になったのだけ聞いてもいいか?」


「それは大王様が言ってた通り試す為の…言わば試験場だったのです。旦那様が居なければ無理なのは補佐官殿が旦那様をご存じで、更に魔王様とも親しい事を知っていたからでしょう」


え?俺面識あったっけ閻魔さんの補佐官と?


「旦那様は覚えていないかもしれませんがアトリエを開いた頃ぐらいに1度だけ補佐官殿は来ましたよ。旦那様の魔装具が集まる前なので神気に当てられていたようです」


そんな昔の客ねー…1度だけ?ん…待てよ?


「その補佐官て東洋の者にしては珍しいくらい肌が白い一角の鬼の男か?」


「左様です…流石旦那様。素晴らしい記憶力です」


あいつか今回の面倒臭い事仕込みやがったの…


そんな話をしていたらルシエラが浴室から出てきた…相変わらず濡れている。仕方ないヤツだな…取り敢えずルシエラ乾かすか、


「ルシエラー?何度も言うケド、ちゃんと乾かしてから出て来いよ?『乾燥(ドライ)』」


ふわりと温風がルシエラを包む。髪の毛から翼の先まで乾いたルシエラ。


「レベルアップしたんだからルシエラにも使えるんだぞ?」


「え?!そうだったんですか!!」


項垂れるルシエラ。ロキもシャワーを浴びて軽く身支度をしていた。いつものローブでは無く正装へと。ロキ特製の魔鉱糸で出来た見るからに高級スーツに…ルシエラにも専用のドレスを仕上げてきている。


「ロキ様?コレが私のドレスですか?」


若干青ざめているルシエラ…見ただけでも高級感漂う空気に当てられた様だ。


「ルシエラが着てくれないと俺悲しいなぁ…」


慌てふためくルシエラ。


「いえ!不満がある訳では無いんですよ!!ただ幾らなのか考えると怖くて…」


「気にすんな!」


フリルをふんだんにあしらわれた空色のドレスはルシエラに似合っていた。アクセントに緑と赤を取り入れている。


「ルシエラは小さいからミニスカタイプが似合うな」


「後ろは長めなので短く感じないですね」


着替えたルシエラがクルクルまわる。そして靴も用意していた。


「ルシエラは足も小さいよな…ほらコレ。コレにも疲労回復の効果あるぞ」


白のパンプスを履かせる。うん、似合ってる。可愛い。


「そういえば、ロキ様は誕生日プレゼントに何を持ってきたんですか?」


「俺?俺はコレだ」


ロキは収納袋からまた値段の想像が出来ないような箱詰めにされたスーツを出した。カッターシャツやカフスボタン、ネクタイピンもオマケに。するとふるふると震えていたルシエラが問い掛けてきた。


「ロキ様…コレ普通に買うと幾らくらいするんですか?」


「コレ?精々聖金貨50枚くらいだぞ?小物はサービスだ」


ガックリするルシエラ。なんか不味い事言った俺?


「ロキ様の感覚やっぱりおかしいですー!!私なんてコレですよ?!」


可愛くラッピングされた袋を収納袋から出すルシエラ。


「中身なんだ?」


「…黒ヤギの着ぐるみパジャマです」


「ぶふっ」


思わず吹き出してしまった。


「笑わないでくださいー!!」


ぽかぽかと叩いてくるルシエラ。いや、一応王様なんだし着ぐるみパジャマの発想は無かったわ。


「ルシエラぽくて良いんじゃね?多分他の奴らは装飾品とかだろうし」


むーっと膨れるルシエラ。


「でも、ロキ様私以外に服は作らないって言ってませんでした?」


「アレは伏線だよ。あー言ってたら貰えるとは思わねぇだろ?」


「確かに…」


「それに着ぐるみパジャマは思い付かなかったが俺も裏刺繍に黒ヤギの紋様入れてるよ?」


「あの御方黒ヤギさん好きですもんね」


そんな会話をしていたら扉をコンコンとノックする音が聞こえた。


「どーぞー?」


「失礼致します」


現れたのはマモンだった。宴の準備が終わったらしい。取り敢えずプレゼント持って行きますか。マモンが案内するらしく後ろからついて行く事にする。

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