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神で職人て変か?  作者: Sohki
遺跡編
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【閑話】サタン

魔界に王が君臨された…その名を魔王サタンと言う。


今まで闇に漂っていた原初の1柱(ひとり)でありながら他よりも早く受肉体を設けて、君臨した魔族(デーモン)である。


彼もまた天才の1柱(ひとり)であった。1の事から10の事を学んだ。


ある日。天界に居る神の纏め役である全能神ゼウスが杖と優秀と評判の孫のお披露目をすると言い、各地にお触れを出した。


「あのジジイに孫?そのお披露目も兼ねての杖披露だって?へー…何か興味惹かれるー♪」


そう言いながら魔王城の広間で封蝋を開けた手紙を読みながら侍従長に語り掛けるサタン。


侍従長のアモンは頭を抱えながら魔王に言う。


「主様…そんなに簡単に受けても宜しいのですか?」


「んー?イイんじゃない♪決められている聖戦も終わってるんだし?」


椅子に座りながらアモンに応える。


「ですが!」


「まぁまぁ…戦うんじゃなくてお披露目だから行ってもイイんでしょ?」


「でしたらスケジュールは調整致しますので構いませんよ」


「ありがとー♪アモン」


その3日後。サタンは天界へと飛び立つ。


「アモンがスケジュール調整してくれたのは良いんだケド…何で待たされなきゃなんないのー?」


ブツブツ文句を言いながら天界迄すいすいと飛んでいくサタン。初日はゼウスの孫のロキ…神童を一目見ようと詰め寄せる者が多かったらしい。てか何?神童って?神の子って他にも居るのにその子らは神童じゃないの?変なのー?飛びながら情報を纏める。


天界に着き人集りを掻き分けロキを一目見たサタンは異様なモノを目の当たりにした。そして惹かれた。


何アレ?何なのアレ?寿命おかしいじゃん!!てか、見た目ヤバい!!神々しいにも程があるでしょ!!何なんなのアレ!!


サタンは混乱した。とてつもなく混乱していた。


サタンは死神の目(エンドアイ)を持っていた。見たロキの寿命は無限。


どういう事?無限って何なのさ?!しかもあの見た目…創造されたどの神よりも見目麗しい姿。美しい、見ただけで全身がゾワッと震えた。鳥肌の立つ両腕を抱え込んで座り込むサタン。


「何あの子…一体何者?」


欲しい…手に入れたい。そう思った。


初めて手に入れたいと魔族(デーモン)の欲が出た。それと同時にあの子を見張らなくてはとも思った。サタンは困惑していたからかゼウスに挨拶も無しに魔王城へと戻っていた。


「アモン!!アモンは居る?!」


魔王城の扉を慌ただしく開けるサタンに次女達が驚く、そしてその声を聞いたアモンが飛び出してくる。


「如何なさいましたか主様!!」


「ゼウスの孫のロキについて調べて!!」


「ゼウス様の孫についてでございますか?何かありましたか?」


「今は分かんないケド…調べて!!」


「畏まりました」


慌ただしく出ていくアモン。私室に戻り椅子に深く座るサタン。


ふぅっと溜息を吐く。目に焼き付いて離れないあの姿。美しい白金の髪に美しい金銀妖瞳(ヘテロクロミア)の瞳。あんなに美しいモノ今まで見た事が無い。


この日、初めてサタンとロキは出逢った。そしてサタンの人生が変わった。ロキとルシエラに標的に(ロックオン)されたサタン。ロキに魅了(チャーム)されたサタン。


アモンが情報を持ってきた。ロキはゼウスに2年程前に拾われた事。後にゼウスのシンボルにもなる杖を造ったのがロキで、才能が他をずば抜いて素晴らしい事から神童と呼ばれたと言う事。物作りの才能、その他の能力が半端ない事。面白い…ニンマリ微笑むサタン。


手に入らなくても見ていたい。これから先ロキに関するものは集めよう…そう思ったサタンだった。


何度かロキの元へ通って幾許。サタンは自分の寿命の変化に気付いた。眼に映る余命は幾許か。神童の姿を見たい…欲が出た。病床で伏せっていたサタンだったがカウントダウンは始まっている。ロキに逢いたい…神童の姿を見れたら本望だ。


サタンは部屋から抜け出し天界へ飛び立った。最後に神童の姿を見たい。その一心で飛び立つサタン。まさかあんな事になるとは知れず。

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