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神で職人て変か?  作者: Sohki
魔界編
33/85

神様、彼等は今2

次はザガンの魔力を頼りに転移魔法(テレポート)を使う。他の人なら魔力を探って跳べるのにルシエラにはなんで感知ブレスレットを渡してるかって?


ルシエラは聖霊だから魔力が特殊で空気中の精霊と混じると分からなくなるから俺の魔力と併せたブレスレットで感知するんだよ。


魔力を探るとザガンは中庭らしき所で読書していた。


「よぉ、ザガン」


と声を掛けるとダンタリオン同様、驚いてからこちらを見る。


「あぁ、ロキ殿か…遺跡の方はどうしたのだ?」


「あぁ、魔族(デーモン)の古代文字が読めないから戻って来たんだよ。さっきまではダンタリオンにポーションとか魔力の応用を教えてたとこだ」


ザガンの目付きが若干変わる。


「先にダンタリオンから教えを乞うていたのか?」


「最初はサタンとセーレに逢ったぞ?」


「いや、そうではなくて!」


暫く沈黙が2人の間に流れる。なんだ?何か悪かったのか?


「いや、貴方は気にしなくて良い…ダンタリオンの方が出来が悪いから見たのであろう?」


「そういう事になるな」


「ならば納得だ。魔族(デーモン)は優先を気にする生き物でな…気位(プライド)が高いのだよ」


面倒だなそれ。


「まぁ、分かった。取り敢えず約束通り元素魔法を教えに来た訳だが…ん?それ俺が昔出した魔法の本じゃねぇの?」


ザガンの読んでいる本を指す。


「あぁ…復習してた所だ。だが書かれてる通りに出来る訳では無いのだ」


ひとつページを捲り書かれてる事しようとするザガン。遠くの物を手元にやる簡単な魔法だ。だが、ザガンには出来ないみたいだった。


「それ、そんなに難しくないぞ?」


「貴方にはそうでしょうが?私共には難しいものなのですよ」


「でも…これは2つ目に覚えた魔法だし」


「貴方は本当に凄い方だ」


「コツはイメージだな。イメージが固まってないと別の物を引き寄せる可能性がある」


ふむと考え込むザガン。手本でも見せてやるか?


「ザガン手本見せようか?」


「手本を見ても出来そうに無いのだが」


「あ?違う違う。前の思念伝達(テレパシー)と併用で教えるんだよ。手を貸せ」


左手を出すザガン。


「ザガン…ポーション作りの時もだったが、お前は左利きなのか?」


「良く分かりましたね?そうですよ」


きょとんとしているザガン。


「無意識かもしれないが手を出せって言うと利き手を出すものなんだよ。ザガンはポーション作りの時に魔力を流す時も左手を出しただろ?今も左手を出したから分かった事だ」


「なるほど。よく見てますね」


「記憶力だけには定評があるからな」


「いえ、貴方はその他にも優れた物を多々お持ちですよ。容姿、能力、記憶力…どれをとっても誰にも引きを寄せない」


そうなのかなぁ?


「まぁ、いいや。取り敢えず…何を引き寄せたい?」


「では少し悪戯心で…ダンタリオンの造ったポーションを」


「意地が悪いな」


くつくつと笑うロキ。脳内のイメージをザガンに繋げる。ロキの魔眼は千里眼にもなるで遠くの映像も観れる。


「おぉ!!凄い先程まで居た実験室だ…ダンタリオンめ、こんなにポーション造っていたのか」


なんか悔しそうな顔してるザガン。


「いや、飲み込みはザガンの方が上だったからな?ダンタリオンは引き篭もって、ひたすら造ってたからあの量なんだぞ?」


「それでもイヤなのですよ」


「そうか…どれを取るんだ?」


うーんと考えるザガン。


「では、手始めに全部」


「意地悪だな」


ロキはまたくつくつと笑ってしまう。


「一時預かるだけです。拝借しません」


ふむとロキは考えてダンタリオンに思念伝達(テレパシー)をする。


『ダンタリオン?今からザガンの魔法の練習にお前のポーションを全てこちらに引き寄せるから宜しくな』


「『っ?!』」


いきなり頭に響いたロキの声に驚くダンタリオン。


『お前は何も知らない振りで作業を続けておけ』


コクリと頷くダンタリオン。


「それじゃあ、やりますか」


「『反転移魔法(アンチテレポート)ダンタリオンのポーション全て』」


ダンタリオンの後ろに置かれてた30本程のポーションをイメージし唱えるとザガンの目の前にポーション30本が現れる。


「流石だ…」


視野をダンタリオンの方に向けるとダンタリオンの後ろにあったポーション全てがない。ダンタリオンも間を空けて後ろを振り返ると驚いている


「ザガン、何となく分かったか?」


「えぇ…と言っても何となくですが」


「じゃあ、試しにこの距離で引き寄せてみればいいんじゃね?」


ロキはザガンから15mくらい離れてポーションをひとつ置く。


「分かりました。先程のイメージ…イメージ…」


集中して左手を差し出す。するとしゅんとザガンの手にポーションが転移した。


「やるじゃん。それじゃあ、ポーション返しに行くか?」


「へ?」


きょとんとするザガン。


「前に転移魔法(テレポート)使ってた時に興味持ってただろ?アレ体験させてやるよ」


ザガンの左手を取ったままポーションを纏めて、


「『転移魔法(テレポート)ダンタリオンの元へ』」


ひょいと実験室に着く。ザガンは驚きのあまり放心している。


「ダンタリオンこれ」


ポーションを渡す。


「やはり貴殿は凄い方だ」


驚いたままのダンタリオン。


「先程の思念伝達(テレパシー)はいきなりでビックリしましたよ」


「あれか?一応圏外もあるみたいだから携帯のが良いかもだがな」


「いえ、緊急時には携帯等より優れているかと」


確かに携帯って電波繋がらないと不便な時あるな。


「ダンタリオンの方は順調みたいだな」


「えぇ。でもちょっと妬けますね」


「ん?何がだ?」


「ザガンが先に転移魔法(テレポート)を体験している事です」


「あぁ…ザガンが言っていたが、魔族(デーモン)は優先を重んじるみたいだな」


「そうですよ。まぁ、私もザガンより先に教えを乞うたのでお互い様ですかね」


笑うダンタリオン。放心状態から戻ったザガンが興奮気味に、


「ロキ殿!先程の転移魔法(テレポート)は素晴らしい!!此処から中庭まで15分は掛かると言うのに」


目をキラキラさせてるよ。教えてもいいんだけど…ザガンはダンタリオンより魔力少なそうなんだよね。妬む理由が何となく分かった。


「ザガン。これはダンタリオンにも見せたんだがこの純度の魔石は持っている、或いは魔界にあるか?」


ザガンが暫く観察してダンタリオンと同様の事を言う。


「さっき少し魔力使っただろ。ひとつ試しにやるから割ってみろよ」


ひとつ魔石をザガンに投げる。ザガンが受け取りパキッと割ると魔力がまたキラキラと霧散する。


「コレは…」


驚くザガン。


「ダンタリオンは手持ちが聖金貨50枚と白金貨1000枚しか持ってなかったから30個しか売ってないが…ザガンは幾ら分欲しい?」


ザガンまた考え込み収納袋の中身をチェックしている。


「ちょっと待ってくれないか?」


ザガンが携帯を取り出して話し始めた。コソッとダンタリオンに耳打ちする。


「ザガンは何してるんだ?」


「多分屋敷が近いので使いの者に連絡しているのだと思われますよ」


ふーんと考えているとザガンは話が終わったみたいだ。


「ロキ殿20分位で使いの者が来るので聖金貨200枚程頂けないだろうか」


「そんなに要るのか?!」


思いの外の額でビックリしたわ。


「それ程価値があるものですよ?」


飄々と言うザガン。ダンタリオンも認めてるのかうんうんと頷いている。


なんか小遣い稼ぎに来たみたいだと呆れるロキだった。

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