神様、酔うルシエラ
余興のゲームも終わり宴会を続ける。数分経ってからルシエラを見ると…あれ?ルシエラがポヤーっとしてる。
「ルシエラどしたー?」
ルシエラの顔色が赤い。
「ロキ様ってお酒呑んでまひたよね」
滑舌が悪くなってないかルシエラ?
「そうだな…赤ワイン数杯とか今はカミカゼってカクテル呑んでるぞ?」
ベッタリくっついてきて上目遣いでルシエラが…
「私もお酒が呑みたいれす」
ん?もしかしてさっきのキスだけで酔ったのか?!
「ルシエラは呑めないだろー?」
そう言うと、ヤダヤダと駄々をこねるルシエラ仕方ないサタンに相談…おい。酔い潰れてるよ。周りを見てみると殆どの奴が酔い潰れてた。
ん?俺ってお酒そんなに強くないよな?
疑問に思ってるとルシエラがまだ駄々をこねるので…
「なら1口だけ呑ませてやるよ」
と呑んでいたカミカゼを口に含みキスして口移ししてやる。
これ結構酒精キツいヤツだった筈。
ルシエラがコクリコクリと呑むとふわーっとしてからしなだれた。ルシエラを席に座らせて皿を除けて机に俯かせる。
アモンを探す。流石に明日案内人だからか差程呑んでいないようだ。
「よう。何か殆どが酔い潰れてるけどこれどうすんだ?」
アモンはロキに気付き応える。多少酔っているからか銀狼の姿だった。
「アナタは呑んでいた割に酔っていませんね…流石です。後の事は侍女達が世話をするので平気ですよ」
「俺らは部屋に戻っても平気なのか?」
周りを見遣るアモン。
「せめて主様にだけには挨拶していって下さい」
「了解!」
ルシエラは動きそうにないので他のヤツ等を避けながらサタンの元に行く。
「おい!サタン!!俺ら部屋に戻るぞ?」
サタンが少し乱れた服のまま…
「ロキー…?んー?皆はー?」
酒臭ぇな…俺もか?
「殆どが酔い潰れてるけど?」
「何でロキは酔ってないのさー…結構呑んでたよねー?!」
ローブを引っ張られた。
「嗜む程度には呑むって言ったじゃん?」
「ロキの基準可笑しいー!!何杯呑んだよー?」
んーっと…確か…
「あのワイン1本とシャンパン1本とカミカゼ15杯とドランブイのトニック割8杯?」
サタンが膨れて…
「それ嗜む程度って言わないー!!強いんじゃん!!」
「はいはい。じゃあ、また呑みに来てやるから」
「むー…じゃあ、ワガママ1つ聞いてよー?」
サタンが薔薇の刺繍の入ったスーツからドレス姿の女になった。
「お姫様抱っこで記念写真撮ろー?」
絡み酒癖がうぜぇな。
「別に構わないがルシエラ潰れたからシャッター誰が押すんだよ?」
ニンマリ笑顔で…
「オレー♪」
「へいへい。王…お姫様」
お姫様抱っこしてやる。サタンがとても嬉しそうにカメラを上に向ける。
「俺は無表情でもいいのか?」
「いいよー!いくよー♪」
サタンが自分の携帯でパシャリと撮った。
「ありがとねー♪部屋に行っていいよー」
「後でそれ送れよ?」
サタンは元の男の姿に戻り…
「分かってるってば♪おやすみー♪」
ルシエラの元へ戻りルシエラをお姫様抱っこで抱き抱える。思念伝達でファントムに連絡する。
『ファントムか?ルシエラが酔い潰れたんだが…』
『左様でございますか…如何致しましょう。私はテレサではないので着替えなど出来ないのですが…』
だよなー。唯一意識のあるアモンに聞いてみるか。
「おい!アモン。サタンには挨拶済んたんだが俺のツレが酔い潰れたんだ。侍女の誰か借りれるか?」
アモンがボーッとしながら、
「彼女が侍女頭です。彼女に頼むと宜しいかと…おい!マモン!!」
ん?何か似た名前だな?
「何よ侍従長」
あ、やっぱり兄妹。
「彼らの世話をしてやれ」
俺の顔を見て一瞬だけ止まるマモン。
「か…畏まりました」
頬を赤らめる。
「部屋はどちらでしょうか?」
俺は記憶を照らし合わせて。
「こっちの棟の最上階のスィート」
「あの部屋のお客様?!」
あれ?何かビックリしてる。
「そうだが?あの部屋そんなに使われないのか?」
マモンが重い口を開く。
「いえ…主様がいつかの為にだけお造りになった部屋ですので」
「アイツ…いつか俺らを招く気満々だったのかよ。後、部屋に俺の執事居るから気にしないでくれな?」
「畏まりました」
ルシエラを抱えながら飄々と階段を上がっていくロキ。マモンはロキにもお酌をしていたのだがあれだけ呑んで飄々としているロキの姿に驚いていた。
マモンは気になったので聞いてみた。
「あの…失礼ですが酔われてはいないのですか?」
「んー?ほろ酔いかな?あれくらいなら…」
ロキは軽く言うとマモンは脱帽した。魔界の権力者ですらあの酔い潰れっぷりなのだから仕方の無い事だ。